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全世界の諸君に告ぐ
48_平和のために
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「モーリー!」
俺は猫のモーリーに駆け寄った。
嬉しくて飛び上がりそうだった。モーリを抱き上げる。間違いない。確かにモーリーだ。
だが、なぜ、トルコにいたはずのモーリーがアメリカにいるのだろう?
私はその疑問にビクッとしてモーリーの顔をのぞき込んだ。
「メロン!なぜ、ここにモーリーがいるんだ?」
俺はメロンを振り返って、聞いた。心臓がなぜかドキドキする。俺が知らないことが、俺の知らないところで起こっていることにうっすら俺は気づいている。
何かがおかしい。
「ボス、ミカナは遺産のほとんどを使い果たしました。そもそも、ミカナを襲う理由はないですよね?」
メロンは俺に聞いた。俺はカマジリが部屋に招き入れられていないことに気づいた。
つまり、このバンドメンバーとメロンは、俺に、秘密の会話を要求しているということだ。
「ああ、そのことなら、もういい。俺が間違っていたことをしていた。ミカナが自分の思うように遺産は使ってそれで構わない。もうほとんど残っていないんだろ。」
「本当に申し訳なかった。」
俺は答えて、もう一度謝罪した。
「ねえ、お詫びに私に協力する?」
ミカナは俺の目を見つめて言った。
「協力って?」
俺はポカンとした。
「ボス、ご主人さまの知識を十分に活かせる計画があります。」
メロンが俺に言った。
「どんな?」
俺は聞き返した。モーリーは俺の腕の中で少し緊張しているようだ。
「私が武器を買っているのは、平和のため。戦争に武器を使わせないため。」
ミカナは言った。
「今から見せる映像は、ショックなものかもしれません。」
メロンはそう言いながら、ノートパソコンの画面を俺に差し出してきた。
映像には、2匹のネコが走り去る様子が写っていた。2匹のうち、1匹はモーリーだと俺には分かった。
背後の建物をメロンがズームする。
俺は頭を殴られたような衝撃を覚えた。
だって、これは、例の武器倉庫が不可思議な天気で全滅した時のものじゃないか?
メロンは映像を巻き戻した。
最初に戻る。
猫が2匹いて、1匹はモーリーだ。
猫が一目散に逃げた。
しばらくして、空から水柱が降ってきて、武器倉庫の戦車に焦点がまるで当たっているかのように一気に降り注ぎ、全滅させた。
ちょっと待て。
焦点がまるで当たっているかのように?
いや、焦点を当てないとこうならない。武器倉庫の戦車にかっちりターゲーットを当てないとこんな珍しい水柱が空から降ってこない。
俺はさっきミカナに何を言った?
「未完成の衛星まで買いまくって」確かに俺はそう言った。
天気を操ろうとする衛星じゃなかったか。確かあの衛星のコンセプトはそれだった。まだ未完成だったが。
だが、腕のいい誰かがその不完全な衛星に細工をしたら、こんな不可思議な天気をきっちり武器にターゲットを絞って起こさせることができる?できない?どっちだ。
おい、待て。
つまり、あの騒ぎはミカナが起こしたということか?
平和のために?
俺は真理に辿り着いたことを悟って、ビクッと体が震えた。
この16歳の小娘は、いったいぜんたい何者なんだ。
この世界的人気のガールズバンドは、いったい何者の集団なんだ。
俺は後ずさった。
「こ、こ、これ。ミカナの仕業ってこと、だよね。」
こんなことどうやって実現したのだろう。
しかも、トルコにいたはずのモーリーがあの現場にいて、今もアメリカのミカナのそばにいるのだろう?
「そういうこと。」
ミカナは平然と俺の目を見て言った。
「私たちがやった。」
ミカナは宣言するように言って、ミカナのそばにメロンがピタッと立った。
「ボス、私もミカナたちに協力しています。」
メロンはわかっていた答えを俺に告げた。
「モーリーもね。」
メロンはそう言って、俺のてからモーリーを取り上げた。
「平和のために。」
俺は心がえぐられるような思いで、そうつぶやいた。私利私欲のためにやばい国に武器を売りまくってきた俺とは大違いだ。
ロシア皇帝の遺産相続人となる者は、俺とは器が違いすぎたようだ。
俺は猫のモーリーに駆け寄った。
嬉しくて飛び上がりそうだった。モーリを抱き上げる。間違いない。確かにモーリーだ。
だが、なぜ、トルコにいたはずのモーリーがアメリカにいるのだろう?
私はその疑問にビクッとしてモーリーの顔をのぞき込んだ。
「メロン!なぜ、ここにモーリーがいるんだ?」
俺はメロンを振り返って、聞いた。心臓がなぜかドキドキする。俺が知らないことが、俺の知らないところで起こっていることにうっすら俺は気づいている。
何かがおかしい。
「ボス、ミカナは遺産のほとんどを使い果たしました。そもそも、ミカナを襲う理由はないですよね?」
メロンは俺に聞いた。俺はカマジリが部屋に招き入れられていないことに気づいた。
つまり、このバンドメンバーとメロンは、俺に、秘密の会話を要求しているということだ。
「ああ、そのことなら、もういい。俺が間違っていたことをしていた。ミカナが自分の思うように遺産は使ってそれで構わない。もうほとんど残っていないんだろ。」
「本当に申し訳なかった。」
俺は答えて、もう一度謝罪した。
「ねえ、お詫びに私に協力する?」
ミカナは俺の目を見つめて言った。
「協力って?」
俺はポカンとした。
「ボス、ご主人さまの知識を十分に活かせる計画があります。」
メロンが俺に言った。
「どんな?」
俺は聞き返した。モーリーは俺の腕の中で少し緊張しているようだ。
「私が武器を買っているのは、平和のため。戦争に武器を使わせないため。」
ミカナは言った。
「今から見せる映像は、ショックなものかもしれません。」
メロンはそう言いながら、ノートパソコンの画面を俺に差し出してきた。
映像には、2匹のネコが走り去る様子が写っていた。2匹のうち、1匹はモーリーだと俺には分かった。
背後の建物をメロンがズームする。
俺は頭を殴られたような衝撃を覚えた。
だって、これは、例の武器倉庫が不可思議な天気で全滅した時のものじゃないか?
メロンは映像を巻き戻した。
最初に戻る。
猫が2匹いて、1匹はモーリーだ。
猫が一目散に逃げた。
しばらくして、空から水柱が降ってきて、武器倉庫の戦車に焦点がまるで当たっているかのように一気に降り注ぎ、全滅させた。
ちょっと待て。
焦点がまるで当たっているかのように?
いや、焦点を当てないとこうならない。武器倉庫の戦車にかっちりターゲーットを当てないとこんな珍しい水柱が空から降ってこない。
俺はさっきミカナに何を言った?
「未完成の衛星まで買いまくって」確かに俺はそう言った。
天気を操ろうとする衛星じゃなかったか。確かあの衛星のコンセプトはそれだった。まだ未完成だったが。
だが、腕のいい誰かがその不完全な衛星に細工をしたら、こんな不可思議な天気をきっちり武器にターゲットを絞って起こさせることができる?できない?どっちだ。
おい、待て。
つまり、あの騒ぎはミカナが起こしたということか?
平和のために?
俺は真理に辿り着いたことを悟って、ビクッと体が震えた。
この16歳の小娘は、いったいぜんたい何者なんだ。
この世界的人気のガールズバンドは、いったい何者の集団なんだ。
俺は後ずさった。
「こ、こ、これ。ミカナの仕業ってこと、だよね。」
こんなことどうやって実現したのだろう。
しかも、トルコにいたはずのモーリーがあの現場にいて、今もアメリカのミカナのそばにいるのだろう?
「そういうこと。」
ミカナは平然と俺の目を見て言った。
「私たちがやった。」
ミカナは宣言するように言って、ミカナのそばにメロンがピタッと立った。
「ボス、私もミカナたちに協力しています。」
メロンはわかっていた答えを俺に告げた。
「モーリーもね。」
メロンはそう言って、俺のてからモーリーを取り上げた。
「平和のために。」
俺は心がえぐられるような思いで、そうつぶやいた。私利私欲のためにやばい国に武器を売りまくってきた俺とは大違いだ。
ロシア皇帝の遺産相続人となる者は、俺とは器が違いすぎたようだ。
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