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3幕 運命の日

第42話 ラスト

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 魔神の長から吸い取った負のパワーを、私は剣に一時的に溜め込んでいた。


 綺羅介が投げたサイコロ石から二百体のゴッドライが出現し、それらが全て特殊シャボン玉の薄いピンクの膜に包まれていた。
 私も、綺羅介も、冴衞門も、タクローも、冴子も、特殊シャボン玉に包まれたまま、大気圏を突破していた。

 地球に近距離まで近づいた隕石を破壊するためのオペが始まっていた。

「は!」
 私は息を短く鋭く吐いた。
「由莉子、失敗できないわ。落ち着いて。」
 自分で自分に言った。ここでパニックにはなれない。

 私は宇宙空間で他のメンバーに合図した。
 フォーメーションが変わり、二百体のゴッドライが巨大な運慶の作った金剛力士像に合体変形した。

 ここまでは、訓練通りだ。
 メタリックのボディスーツをきた私たちは、そのまま運慶大魔神にジャンプインした。

 私は金剛力士像の口に思いっきり、剣のパワーを注入した。

 剣の力とマテキの特権と合わせることで、ブラックホールを召喚した。像の口がブラックホール化した。

 チーム全員のパワーを使って、像を隕石の落下経路に近づけ、ちょうど像の口が落下経路を遮るようにした。

 目の前まで隕石が迫ってきた。

「撤退!」
 私の合図で、一気に全員が像からジャンプアウトした。
 
 私たちは、宇宙空間をまるで塵のように、漂った。

 意識が遠のく中で、像の口が隕石を吸い込むのを眺めていた。

 やったのだ。

 ただ、私たちは完全に意識を失った。

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