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2幕 富士山大魔神を起こすのは、一体誰か?

第29話 魔神機動戦士ゴッドライの育て方(綺羅介の場合)

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 俺は、こよなくゲームを愛している。
 異世界で、毎日毎日、幼い頃から武者修行のような毎日を続けて、力をつけてきた俺にとって、人間界のラーメン屋の二階で、こたつに入ってゲームに浸る時間は、非常に貴重な時間だった。

 夏場は扇風機の風にあたりながら、風鈴の音を聴きながら、ゲームに没頭した。
 

「あんた、いつまでのらくらしているわけ?」
「姉貴、わかっているから、ちょっと待って。」
 こんな、姉貴とのやりとりは日常茶飯事だったが、親父は事情をわかっているので、俺には何も文句を言わなかった。
 
 異世界の都一の大富豪で知られた、大桜家の跡取り息子としては、井戸の水を組むのも、雑巾掛けをするのも、異世界では全てお手伝い魔神たちがやってくれた。
 そのかわり、俺は、家の一切合切の取り仕切りを任されていた。

 やれ、土地の売買、やれ使用人の給料の総額、やれ大桜家の畑から取れる収穫量、やれ家宝となる財宝の管理、もうなんでこんなにあるのか分からないレベルでやらされた。

 唯一、人間界の貧しいラーメン屋の二階で、ゲームと漫画に没頭できる時間だけが癒しだったのだ。

 で、ある時気づいたわけだ。
「この大桜家の財宝と、俺のゲーム好きってコラボできないわけ?」
「リアルゲームの世界だよね、この俺がいる異世界って。」

 独り言のつもりで行ったのだが、支配者貧乏大魔神に聞かれてしまった。

「あら、綺羅介、なんか妙なことを思いつたんじゃない?」
「いやー、ほら、なんかこんなのができないかなと思って。」

 俺は、やりたいことを下手な絵に描きながら、支配者貧乏大魔神に説明した。

「ふーん、ま、できなくわないわよ。」
「え?まじで?さっすが!」
「あんたも、相当頑張らないとだめよ。」
「いや、これができるなら、俺頑張るよ。」

 こんなやりとりがあり、できたのが、魔神機動戦士ゴッドライだった。
 大桜家が富の力でかき集めたサイコロ石の中に、宝石のように輝く石が1つあったのだ。それに、ちょっとした細工をした。

 でも、完成したけど、まだまだそいつの攻撃力は五千にしかならなかった。

 どう育てるのか悩んでいたところで、姉貴がマテキの指揮官として、大いに力を振るう場面を目の当たりにした。
 で、この際、姉貴に相談にのってもらうことにしたのだ。


 魔神機動戦士ゴッドライは試作品のつもりだったが、愛着も沸き、俺にとっては傑作レベルだった。
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