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2幕 富士山大魔神を起こすのは、一体誰か?
第23話 プロファイタープロレスラー
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「お待たせいたしました。由莉子お嬢さま。」
「姉貴、準備できた。」
大桜家の豪華な客間のソファーに座っていると、お手伝い魔神と弟の綺羅介がやってきて、私にそう告げた。
私たちは全員で、大桜家の花鳥風月風の大庭園に出た。
そして、文字通り、絶句した。
「お待たせいたしました。お嬢さま。」
一斉に五十人はいるであろう、プロレスラー風のガタイの良過ぎる集団に膝まづいて、挨拶された。
全員が挨拶するときに、膝まづいて、右手を高く何かの決めポーズを取るように、斜め天に向かって突き上げるのはやめてほしい。
「もろ、キン肉マンじゃね?」
綺羅介が、ニヤニヤして満足げに囁いてきた。
「誰?この人たち。」
「お嬢さま、私たちはプロファイタープロレスラーと申します。」
「え?魔神、魔人(私たちみたいな者)、プロレスラーの3カテゴリなの?」
私は、キョトンとして弟に聞いた。
「姉貴、そう、そのカテゴリで、プロファイタープロレスラーが存在するんだ。」
弟の綺羅介はそう言った。
「ミシシッピの豆もやしに会いに行くには、プロファイタープロレスラーが五十人必要ってこと?」
冴衞門と冴子は、身震いしていた。
「大桜家の財力がものを言うのは、この屈強な男たちをこんだけ集められるという点にあったか。」
タクローは、感心したように言った。
「危険ってことね?これだけのプロレスラー集団が必要ということは、それだけ草原を馬車でいくというのは危険極まりないと言うことよね。」
私はそう言った。
「お嬢さま。我々にお任せを。危険極まりない草原だからこそ、我々が馬車を引き、お嬢さまたちを無事に目的地にお連れするのです。」
自信満々でプロファイタープロレスラー集団の先頭で膝まづいている、筋肉隆々でパンツ1枚の男が言った。
「あ、あなたたちが馬車を引くのね・・・」
冴子も呆然として言った。
「大草原の小さな家の馬車みたいだけど、皆、乗りましょう。」
私はそう声をかけて、プロレスラーの集団の横においてあった、大きな幌のかかった馬車に乗り込んだ。
「由莉子お嬢さまは、先頭の御者席へどうぞ。」
「はい。」
私は言われるがままに、大草原の小さな家もどきの、大きな幌がついた馬車の御者席に座った。
「冴衞門、タクロー、冴子ちゃん、綺羅、乗った?」
「あんた、私を忘れないでよ。」
支配者貧乏大魔神はそう言って、御者席に乗り込んできて、私に言った。
「姉貴、全員、乗ったぞ。」
綺羅介の声がしたので、私は行くわよと、プロファイタープロレスラーの先頭に声をかけた。
ヒラリと、プロファイタープロレスラーの五十人は赤いマントを羽織った。
そして五十人が綺麗に隊列を作った。
「行くぞ!」
「おお!!!!!!!」
すごいどよめきが起き、プロファイタープロレスラー集団は走り出した。
馬車に繋がれた手綱を、全員で器用に持っている。
私は、支配者貧乏大魔神に、コントロール綱のようなものを持たされた。それで梶をとるらしい。
「きゃあ!」
一瞬、後ろから冴子の悲鳴が聞こえた。
「姉貴、飛ぶぞ!」
綺羅介の声がしたと思った瞬間、馬車はふわっと宙に浮いた。
そして、あっと言う間に、空高く飛び、魔神の豊かな都を通り抜け、緑豊かな草原の上空に躍り出た。
そのまま爽やかな草原の上空を馬車は、五十人あまりのプロファイタープロレスラー集団に轢かれて疾走した。
辺りは夕暮れになり、やがて一番星が見えてきて、とっぷりと日も暮れて、大きな空一面に星空が広がる夜になり、月が上がった。
私は、手綱は特にひかず、プロファイタープロレスラーにひたすら任せて、夜の空を馬車で疾走した。
最高だな
そう思ったとき、遠くにキャンプファイアーみたいな炎が見えた。
そして、何者かに襲われた。
「姉貴、準備できた。」
大桜家の豪華な客間のソファーに座っていると、お手伝い魔神と弟の綺羅介がやってきて、私にそう告げた。
私たちは全員で、大桜家の花鳥風月風の大庭園に出た。
そして、文字通り、絶句した。
「お待たせいたしました。お嬢さま。」
一斉に五十人はいるであろう、プロレスラー風のガタイの良過ぎる集団に膝まづいて、挨拶された。
全員が挨拶するときに、膝まづいて、右手を高く何かの決めポーズを取るように、斜め天に向かって突き上げるのはやめてほしい。
「もろ、キン肉マンじゃね?」
綺羅介が、ニヤニヤして満足げに囁いてきた。
「誰?この人たち。」
「お嬢さま、私たちはプロファイタープロレスラーと申します。」
「え?魔神、魔人(私たちみたいな者)、プロレスラーの3カテゴリなの?」
私は、キョトンとして弟に聞いた。
「姉貴、そう、そのカテゴリで、プロファイタープロレスラーが存在するんだ。」
弟の綺羅介はそう言った。
「ミシシッピの豆もやしに会いに行くには、プロファイタープロレスラーが五十人必要ってこと?」
冴衞門と冴子は、身震いしていた。
「大桜家の財力がものを言うのは、この屈強な男たちをこんだけ集められるという点にあったか。」
タクローは、感心したように言った。
「危険ってことね?これだけのプロレスラー集団が必要ということは、それだけ草原を馬車でいくというのは危険極まりないと言うことよね。」
私はそう言った。
「お嬢さま。我々にお任せを。危険極まりない草原だからこそ、我々が馬車を引き、お嬢さまたちを無事に目的地にお連れするのです。」
自信満々でプロファイタープロレスラー集団の先頭で膝まづいている、筋肉隆々でパンツ1枚の男が言った。
「あ、あなたたちが馬車を引くのね・・・」
冴子も呆然として言った。
「大草原の小さな家の馬車みたいだけど、皆、乗りましょう。」
私はそう声をかけて、プロレスラーの集団の横においてあった、大きな幌のかかった馬車に乗り込んだ。
「由莉子お嬢さまは、先頭の御者席へどうぞ。」
「はい。」
私は言われるがままに、大草原の小さな家もどきの、大きな幌がついた馬車の御者席に座った。
「冴衞門、タクロー、冴子ちゃん、綺羅、乗った?」
「あんた、私を忘れないでよ。」
支配者貧乏大魔神はそう言って、御者席に乗り込んできて、私に言った。
「姉貴、全員、乗ったぞ。」
綺羅介の声がしたので、私は行くわよと、プロファイタープロレスラーの先頭に声をかけた。
ヒラリと、プロファイタープロレスラーの五十人は赤いマントを羽織った。
そして五十人が綺麗に隊列を作った。
「行くぞ!」
「おお!!!!!!!」
すごいどよめきが起き、プロファイタープロレスラー集団は走り出した。
馬車に繋がれた手綱を、全員で器用に持っている。
私は、支配者貧乏大魔神に、コントロール綱のようなものを持たされた。それで梶をとるらしい。
「きゃあ!」
一瞬、後ろから冴子の悲鳴が聞こえた。
「姉貴、飛ぶぞ!」
綺羅介の声がしたと思った瞬間、馬車はふわっと宙に浮いた。
そして、あっと言う間に、空高く飛び、魔神の豊かな都を通り抜け、緑豊かな草原の上空に躍り出た。
そのまま爽やかな草原の上空を馬車は、五十人あまりのプロファイタープロレスラー集団に轢かれて疾走した。
辺りは夕暮れになり、やがて一番星が見えてきて、とっぷりと日も暮れて、大きな空一面に星空が広がる夜になり、月が上がった。
私は、手綱は特にひかず、プロファイタープロレスラーにひたすら任せて、夜の空を馬車で疾走した。
最高だな
そう思ったとき、遠くにキャンプファイアーみたいな炎が見えた。
そして、何者かに襲われた。
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