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第二章 恋(もうあなたに騙されません)
力が戻る ディアーナSide(2)
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私が女王になるには、20人が亡くなるか、王位が継げなくなることをするということだ。その筆頭にいるのがアルベルト王太子だ。
そんなの嫌だ。
「さあ、もう寝ましょう。明日に向けて力を温存しましょう。おやすみなさい。ディアーナ」
「はい、おやすみなさい、王妃さま」
こうしていると、王妃様が本当の母のように思えた。だが、その未来は絶対に実現しない。明日、私はザックリードハルトの未来の皇后になるのだから。
必ずルイと結婚式をあげようと私は心に誓った。
1867年7月3日の朝が来て、私たちは早い朝食を食べた。
ハッシュドビーフ、パン、バター、ジャム、コーヒーと、オレンジマーマレードと簡単な朝食をすませた。
私は身体中の力がみなぎってきているのを感じた。過去の地球に戻る前の体に戻ったようだ。
「皆さん、今日はザックリードハルトに行くわ。レイトン、ミラ、テレサもよ。万が一のことがあるから、2台の長椅子になんとか全員乗ってほしいの」
私の心は決まっていた。アルベルト王太子も必ず救う。だがその前にまずは結婚式を挙げて、ルイの花嫁になる。
私がザックリードハルトの皇后になる運命を選べば、私がエイトレンスの女王になる運命を変えられる可能性も高いかもしれない。
しかし、結婚して妻になっても、王位継承権が維持される前例がエイトレンスには存在する。だが、元の運命ではそもそも私はアルベルト王太子に振られた途端に死ぬ運命だったのだ。それを回避しようとして、ルイに出会った。
自分の運命を変えよう。
「さあ、みんな二手に別れよう。12人いるから6人ずつだ。アダムとロミィはまず2台に別れて。ディアーナは俺の前に座ってと。アダム、ジャック。ミラ、ルイ。ロミィ、母上、テレサ、ミラ、レイトン、フェリクス。こんな感じでどうだ?」
ジャックが割って入った。
「花嫁は花婿とくっついて乗ってください。アルベルト様は王妃様と一緒にこちら側です」
「えっ、待って」
「いえ、魂胆が丸見えで邪な思いがダダ漏れです、アルベルト様」
「うっそー」
ジャックがテキパキと仕切った。
私たちは書斎の床に描いた八芒星図の中に、長椅子を2台並べて、それぞれぎゅうぎゅう詰めで長椅子に座った。
私は護符を握りしめた。髪が風で舞い上がり、ドレスの裾が風にはためいた。呪文をつぶやくと、次の瞬間にはザックリードハルトの宮殿の庭にあった。
「やったわ!」
「すごい!」
「素晴らしい!」
私は皆が口々に喜びの声を上げるのを嬉しく思いながら、長椅子から降りた。
「ルイ!ロミィ!アダム!ダニエル!」
皇帝陛下が走ってくるのが見えた。ずっと庭を見つめていたらしい。
久しぶりの再会に皇帝の目に涙が浮かんでいる。
「父上、ご心配をおかけしました」
「みんな無事なら、何もいうことはない。挙式の準備は万端だぞ!」
「あ、父上、こちらはエイトレンスの王妃さまです。色々助けていただきまして、挙式にご招待させていただきました」
「お!エイトレンスの?」
皇帝は驚いた様子ではあったが、すぐに和やかに会話し始めた。
ダニエルが私とテレサとミラのところにやってきてささやいた。
「あちらに花嫁ドレスも全て揃えてあるとのことです。どうぞ、こちらへ」
私の一世一代の花嫁姿は、今日が初めてだ。前世でも今世でも、花嫁衣装を着る日は今日が初めてなのだ。
幸せになろう。
絶対に。
そんなの嫌だ。
「さあ、もう寝ましょう。明日に向けて力を温存しましょう。おやすみなさい。ディアーナ」
「はい、おやすみなさい、王妃さま」
こうしていると、王妃様が本当の母のように思えた。だが、その未来は絶対に実現しない。明日、私はザックリードハルトの未来の皇后になるのだから。
必ずルイと結婚式をあげようと私は心に誓った。
1867年7月3日の朝が来て、私たちは早い朝食を食べた。
ハッシュドビーフ、パン、バター、ジャム、コーヒーと、オレンジマーマレードと簡単な朝食をすませた。
私は身体中の力がみなぎってきているのを感じた。過去の地球に戻る前の体に戻ったようだ。
「皆さん、今日はザックリードハルトに行くわ。レイトン、ミラ、テレサもよ。万が一のことがあるから、2台の長椅子になんとか全員乗ってほしいの」
私の心は決まっていた。アルベルト王太子も必ず救う。だがその前にまずは結婚式を挙げて、ルイの花嫁になる。
私がザックリードハルトの皇后になる運命を選べば、私がエイトレンスの女王になる運命を変えられる可能性も高いかもしれない。
しかし、結婚して妻になっても、王位継承権が維持される前例がエイトレンスには存在する。だが、元の運命ではそもそも私はアルベルト王太子に振られた途端に死ぬ運命だったのだ。それを回避しようとして、ルイに出会った。
自分の運命を変えよう。
「さあ、みんな二手に別れよう。12人いるから6人ずつだ。アダムとロミィはまず2台に別れて。ディアーナは俺の前に座ってと。アダム、ジャック。ミラ、ルイ。ロミィ、母上、テレサ、ミラ、レイトン、フェリクス。こんな感じでどうだ?」
ジャックが割って入った。
「花嫁は花婿とくっついて乗ってください。アルベルト様は王妃様と一緒にこちら側です」
「えっ、待って」
「いえ、魂胆が丸見えで邪な思いがダダ漏れです、アルベルト様」
「うっそー」
ジャックがテキパキと仕切った。
私たちは書斎の床に描いた八芒星図の中に、長椅子を2台並べて、それぞれぎゅうぎゅう詰めで長椅子に座った。
私は護符を握りしめた。髪が風で舞い上がり、ドレスの裾が風にはためいた。呪文をつぶやくと、次の瞬間にはザックリードハルトの宮殿の庭にあった。
「やったわ!」
「すごい!」
「素晴らしい!」
私は皆が口々に喜びの声を上げるのを嬉しく思いながら、長椅子から降りた。
「ルイ!ロミィ!アダム!ダニエル!」
皇帝陛下が走ってくるのが見えた。ずっと庭を見つめていたらしい。
久しぶりの再会に皇帝の目に涙が浮かんでいる。
「父上、ご心配をおかけしました」
「みんな無事なら、何もいうことはない。挙式の準備は万端だぞ!」
「あ、父上、こちらはエイトレンスの王妃さまです。色々助けていただきまして、挙式にご招待させていただきました」
「お!エイトレンスの?」
皇帝は驚いた様子ではあったが、すぐに和やかに会話し始めた。
ダニエルが私とテレサとミラのところにやってきてささやいた。
「あちらに花嫁ドレスも全て揃えてあるとのことです。どうぞ、こちらへ」
私の一世一代の花嫁姿は、今日が初めてだ。前世でも今世でも、花嫁衣装を着る日は今日が初めてなのだ。
幸せになろう。
絶対に。
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