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第二章 恋(もうあなたに騙されません)
クビになった侍女Side(1)
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1867年7月2日、エイトレンス王立魔術博物館に務めるワーキングガールのテス・トンプソン。実はディアーナが目撃したアルベルト王太子と隠れて寝ていてクビになった若い侍女が彼女。奇しくも50周年記念祝賀祭が開かれている。
**********
「テス・トンプソン」
名前を呼ばれて私は立ち上がった。先週、海辺への日帰りの旅行をした。職場の友達と列車で気晴らしに出かけたが、その時にどうも風邪をもらったようだ。薬剤師と医者は治療や薬の処方ができる。1858年と1859年に制定された法律で資格が定められるようになってから、ヤブ医者の横行が許されなくなった。
――だるいわ。
――あぁ、アルベルト様にお会いしたい。失敗したなぁ。
私は過ちを犯した。侍女の身分でありながら、王太子といかがわしい関係を持った罰で前の職場をクビになった。生まれ育った炭鉱の街に戻っても良い働き先がなかった。しかし、幸運なことに、隣町にある王立魔術博物館のチケット販売係の窓口業務をある人に紹介されて、私は運良く新しい職を得ることができた。
私は医者や薬剤師を羨ましい思いで見つめた。医者にも薬剤師にも現時点では女性はなれない。侍女をやめたら、何で生計を立てようか迷っていたが、どうやら王立魔術博物館ではずっと働けそうだ。私は新しい職につけてほっとしていた。
――ひとまず、炭鉱婦にだけはならずにすみそうだわ。このまま魔術博物館で騒ぎを起こさずに、真面目に働こう。
生まれ故郷の街で炭鉱で働く炭鉱婦になることもできるが、それは非常に嫌だった。アルベルト王太子のことが忘れられない私にとって、そんな場所で働くのは死んだ方がマシに思えたのだ。
この時代、掃除婦、女優、パン屋、作家やお針子と、幅広い職業で女性が生計を立てられる。私は偶然手に入れた王立魔術博物館の仕事が気に入っていた。
――時間通りに開いて、時間通りに終わる。こんないい職場はないわ。イングランドの女王と王配になったどこかの王子の名前で設立されたロンドンの博物館を真似して作ったと聞くけれど。多分、本物よりこちらの方が立派な気がするわ。
私は病院の支払いをすませた。薬代を払うお金があるのは本当に良いことだ。
――それもこれも安定した王立魔術博物館の仕事にありつけたからだわ。ありがたい。
少し前、その職場で闇の禁書とやらが盗まれたらしい。事件だ。禁書のコーナーには私たちは出入りができない。見張の者が常にいるし、基本的にすぐに鍵が閉まる。
つい最近のことだ。この王立魔術博物館は、太ったブレンジャー子爵が理事長をしているのだが、慌てふためいた彼が奥の部屋から転がるように飛び出してきて、「座標が分かったぞ!」と誰かに叫んでいるのを聞いた。その時、隣でチケット販売を一緒にやっているメアリーが、先日禁書が盗まれたらしいとこっそり教えてくれた。メアリーは私より二回りほど年上の女性で、子供が5人もいる。すぐ近くに住んでいる。
「禁書って何?」
「いやあ、やばい代物らしいよ。かなりの年代物で、見る人が見れば、魔力を使ってよからぬことを自由にしでかすことができるらしいわね」
――私の思いを実現させることもできるのだろうか。
――ありえない願いを叶えることもできるのだろうか。その闇の禁書とやらを使えば。
――例えば、どこかの皇帝の愛人になれたりとか。オスマン帝国の宮殿やオーストリア皇帝の宮殿とか……氷の貴公子様を忘れさせてくれる方なら誰でもいいわ。普通の男性で私の心を夢中にさせることができる人がいるとはもはや思えないわ。誰か、どうかアルベルト王太子様のことを私に忘れさせてちょうだい。
その時は、闇の禁書が盗まれた事件のことはすぐに忘れてしまっていた。アルベルト王太子のことを忘れるために、私は趣味の時間を充実させようと思って行動に移したのだ。
――王太子様の透き通る青い瞳や、私に笑いかけてくださった姿。頬を赤らめてキスしてくださったこと……何もかも忘れさせてほしい。このままでは苦し過ぎるから。
私はいまだに氷の貴公子に対する恋愛感情で溺れかけていた。
私は隣町の炭鉱の街で育った。最近、そこの炭鉱のブラスバンドに入った。亡くなった父が元々入っていたからだ。父のコルネットを引き継いだ。王立魔術博物館の仕事は単調で、アルベルト王太子のことをよく思い出してしまうのだ。それで何かに打ち込もうと最近流行りのブラスバンドに入った次第だ。
今日の午後は、王立魔術博物館の前の広場で50周年記念祝賀祭が開かれる。病院で風邪薬をもらった私は急いで職場に戻ろうとしていた。職場にお願いして、今日はお休みをもらっていた。そして、祝賀祭に招かれたブラスバンドに参加予定だった。
祝賀祭には旅の曲芸団もやってくる。昨日から曲芸団のテントが広場に作られていた。射的小屋も回転木馬も出現していた。
「あーら、テスじゃないの」
思い出したくもない嫌な声に呼び止められて、私はハッとして立ち止まった。恐る恐る振り返った。
――やっぱりだ。この人……。私と同じ穴のムジナ。恋敵。私と同じ敗北者。それなのに、この人は子爵令嬢というだけで威張りくさっている。私と同じ過ちを犯したくせに、だ。
王立魔術博物館の理事長であるブレンジャー子爵のご息女エミリー嬢だ。私はアルベルト王太子の恋人のディアーナ嬢の親友が、誰だか知っていた。このエミリー嬢だ。それなのに、彼女は私と同じくアルベルト王太子といかがわしい関係にあった。
私は嫌な相手にあったと思い、下を向いてお辞儀をした。今は自分が勤める王立魔術博物館の理事長の令嬢だ。無下にはできない。
「あなた、首になったってね。それでうちの博物館に拾われたってわけよね」
――恩着せがましい。ヤダヤダ。
エミリー嬢は私が王立魔術博物館のチケット売り場で働いていることを知っていた。彼女は私のことをジロジロと見た。
「今頃になって出勤なのかしら?」
「はい、少し風邪をひいたようで病院に寄ってきました」
その言葉に眉をひそめたエミリー嬢はますます私の体をジロジロ見た。私は失礼にもほどがあると思い、チケット売り場に少しでも顔を出そうと思い、急いでその場を離れようとした。
「では、仕事がありますので失礼しますわ」
「あなた、まさか赤ちゃんができたとか言わないわよね?」
エミリー嬢のその言葉に私はポカンとした。そして、思い至った。
「そうなると嬉しいのですが、何も兆候はありません。エミリー嬢はもしかして赤ちゃんができたのですか?」
私は正直に否定した。そして、聞き返した。
――そっくりそのまま同じ質問があなたにもできるってことよ。負け犬女の気持ちは浅ましいわ。
「あぁ、そう。本当なら嬉しいわ」
「何を二人でこそこそ話しているのかしら?」
突然、柔らかな中にも棘のある言葉が降ってきて、私は絶句して次に悲鳴をあげた。
「キャァッ、王妃様っ!?なぜこちらへ」
「なぜって、今日は50周年記念祝賀祭でしょう。祝辞を述べるが私の仕事だからです」
王妃はキッパリと私とエミリー嬢に言った。私とエミリー嬢は驚きのあまりにあたふたしてしまった。私は王宮の侍女を王妃にクビにされた身だ。その時の王妃の視線の冷たさを覚えている。文字通りに震え上がった。
息子であるアルベルト王太子と淫らでいかがわしいことを隠れてした女二人だ。王妃に蔑みの目で見つめられた。
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「テス・トンプソン」
名前を呼ばれて私は立ち上がった。先週、海辺への日帰りの旅行をした。職場の友達と列車で気晴らしに出かけたが、その時にどうも風邪をもらったようだ。薬剤師と医者は治療や薬の処方ができる。1858年と1859年に制定された法律で資格が定められるようになってから、ヤブ医者の横行が許されなくなった。
――だるいわ。
――あぁ、アルベルト様にお会いしたい。失敗したなぁ。
私は過ちを犯した。侍女の身分でありながら、王太子といかがわしい関係を持った罰で前の職場をクビになった。生まれ育った炭鉱の街に戻っても良い働き先がなかった。しかし、幸運なことに、隣町にある王立魔術博物館のチケット販売係の窓口業務をある人に紹介されて、私は運良く新しい職を得ることができた。
私は医者や薬剤師を羨ましい思いで見つめた。医者にも薬剤師にも現時点では女性はなれない。侍女をやめたら、何で生計を立てようか迷っていたが、どうやら王立魔術博物館ではずっと働けそうだ。私は新しい職につけてほっとしていた。
――ひとまず、炭鉱婦にだけはならずにすみそうだわ。このまま魔術博物館で騒ぎを起こさずに、真面目に働こう。
生まれ故郷の街で炭鉱で働く炭鉱婦になることもできるが、それは非常に嫌だった。アルベルト王太子のことが忘れられない私にとって、そんな場所で働くのは死んだ方がマシに思えたのだ。
この時代、掃除婦、女優、パン屋、作家やお針子と、幅広い職業で女性が生計を立てられる。私は偶然手に入れた王立魔術博物館の仕事が気に入っていた。
――時間通りに開いて、時間通りに終わる。こんないい職場はないわ。イングランドの女王と王配になったどこかの王子の名前で設立されたロンドンの博物館を真似して作ったと聞くけれど。多分、本物よりこちらの方が立派な気がするわ。
私は病院の支払いをすませた。薬代を払うお金があるのは本当に良いことだ。
――それもこれも安定した王立魔術博物館の仕事にありつけたからだわ。ありがたい。
少し前、その職場で闇の禁書とやらが盗まれたらしい。事件だ。禁書のコーナーには私たちは出入りができない。見張の者が常にいるし、基本的にすぐに鍵が閉まる。
つい最近のことだ。この王立魔術博物館は、太ったブレンジャー子爵が理事長をしているのだが、慌てふためいた彼が奥の部屋から転がるように飛び出してきて、「座標が分かったぞ!」と誰かに叫んでいるのを聞いた。その時、隣でチケット販売を一緒にやっているメアリーが、先日禁書が盗まれたらしいとこっそり教えてくれた。メアリーは私より二回りほど年上の女性で、子供が5人もいる。すぐ近くに住んでいる。
「禁書って何?」
「いやあ、やばい代物らしいよ。かなりの年代物で、見る人が見れば、魔力を使ってよからぬことを自由にしでかすことができるらしいわね」
――私の思いを実現させることもできるのだろうか。
――ありえない願いを叶えることもできるのだろうか。その闇の禁書とやらを使えば。
――例えば、どこかの皇帝の愛人になれたりとか。オスマン帝国の宮殿やオーストリア皇帝の宮殿とか……氷の貴公子様を忘れさせてくれる方なら誰でもいいわ。普通の男性で私の心を夢中にさせることができる人がいるとはもはや思えないわ。誰か、どうかアルベルト王太子様のことを私に忘れさせてちょうだい。
その時は、闇の禁書が盗まれた事件のことはすぐに忘れてしまっていた。アルベルト王太子のことを忘れるために、私は趣味の時間を充実させようと思って行動に移したのだ。
――王太子様の透き通る青い瞳や、私に笑いかけてくださった姿。頬を赤らめてキスしてくださったこと……何もかも忘れさせてほしい。このままでは苦し過ぎるから。
私はいまだに氷の貴公子に対する恋愛感情で溺れかけていた。
私は隣町の炭鉱の街で育った。最近、そこの炭鉱のブラスバンドに入った。亡くなった父が元々入っていたからだ。父のコルネットを引き継いだ。王立魔術博物館の仕事は単調で、アルベルト王太子のことをよく思い出してしまうのだ。それで何かに打ち込もうと最近流行りのブラスバンドに入った次第だ。
今日の午後は、王立魔術博物館の前の広場で50周年記念祝賀祭が開かれる。病院で風邪薬をもらった私は急いで職場に戻ろうとしていた。職場にお願いして、今日はお休みをもらっていた。そして、祝賀祭に招かれたブラスバンドに参加予定だった。
祝賀祭には旅の曲芸団もやってくる。昨日から曲芸団のテントが広場に作られていた。射的小屋も回転木馬も出現していた。
「あーら、テスじゃないの」
思い出したくもない嫌な声に呼び止められて、私はハッとして立ち止まった。恐る恐る振り返った。
――やっぱりだ。この人……。私と同じ穴のムジナ。恋敵。私と同じ敗北者。それなのに、この人は子爵令嬢というだけで威張りくさっている。私と同じ過ちを犯したくせに、だ。
王立魔術博物館の理事長であるブレンジャー子爵のご息女エミリー嬢だ。私はアルベルト王太子の恋人のディアーナ嬢の親友が、誰だか知っていた。このエミリー嬢だ。それなのに、彼女は私と同じくアルベルト王太子といかがわしい関係にあった。
私は嫌な相手にあったと思い、下を向いてお辞儀をした。今は自分が勤める王立魔術博物館の理事長の令嬢だ。無下にはできない。
「あなた、首になったってね。それでうちの博物館に拾われたってわけよね」
――恩着せがましい。ヤダヤダ。
エミリー嬢は私が王立魔術博物館のチケット売り場で働いていることを知っていた。彼女は私のことをジロジロと見た。
「今頃になって出勤なのかしら?」
「はい、少し風邪をひいたようで病院に寄ってきました」
その言葉に眉をひそめたエミリー嬢はますます私の体をジロジロ見た。私は失礼にもほどがあると思い、チケット売り場に少しでも顔を出そうと思い、急いでその場を離れようとした。
「では、仕事がありますので失礼しますわ」
「あなた、まさか赤ちゃんができたとか言わないわよね?」
エミリー嬢のその言葉に私はポカンとした。そして、思い至った。
「そうなると嬉しいのですが、何も兆候はありません。エミリー嬢はもしかして赤ちゃんができたのですか?」
私は正直に否定した。そして、聞き返した。
――そっくりそのまま同じ質問があなたにもできるってことよ。負け犬女の気持ちは浅ましいわ。
「あぁ、そう。本当なら嬉しいわ」
「何を二人でこそこそ話しているのかしら?」
突然、柔らかな中にも棘のある言葉が降ってきて、私は絶句して次に悲鳴をあげた。
「キャァッ、王妃様っ!?なぜこちらへ」
「なぜって、今日は50周年記念祝賀祭でしょう。祝辞を述べるが私の仕事だからです」
王妃はキッパリと私とエミリー嬢に言った。私とエミリー嬢は驚きのあまりにあたふたしてしまった。私は王宮の侍女を王妃にクビにされた身だ。その時の王妃の視線の冷たさを覚えている。文字通りに震え上がった。
息子であるアルベルト王太子と淫らでいかがわしいことを隠れてした女二人だ。王妃に蔑みの目で見つめられた。
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