6 / 64
第一章 死に戻りからの婚約破棄と出会い
八芒星とテレグラフ
しおりを挟む
「アルベルト王太子に自分を捨てるように言っただと?」
書斎で父は動揺した表情で私を見つめた。ブランドン公爵家の立派な机の前で父は頼りなく立ちすくみ、私の顔を穴が開くほど見つめた。青ざめていて、今にも父は倒れそうだ。
「お前はあれほどアルベルト王太子を慕っていたではないか……何があった?」
父は私に鋭い声で聞いた。眉間には深刻な深い皺がより、眉尻は心配そうに下がり、父が私のことを心底案じている様子がありありと分かった。
「私の魔力で未来が予知できたのでございます。アルベルト王太子は1年年後にマリー王女に惹かれて私に別れを告げます」
「そ……そんな話が信じられるかっ!だってお前は……彼のことをあれほど……」
父は厳しい表情で私を見た。私の目には涙が溢れていて、彼に振られた時の事を思い出して身を切るような悲しさに貫かれて肩が震えた。父からすれば、まだ起こってもいないことで、娘の私が最愛の人を退けようとしているように見えるはずだ。
「本当に未来を見たのだな?」
父は私に静かに尋ねた。
「はい。どういうわけかはわかりませんが、1年後に別れを告げられ、私は不慮の事故で命を失いました。そしたら今日に戻っていたのです。本来は今日、6月20日は私はアルベルト王子に結婚を申し込まれて指輪を受け取るはずだったのですが、私はもう、これから一年後、自分の挙式1週間前になってから無惨に振られるなんて耐えられそうにありません。そうなったらもう生きてはいけませんから」
父は私の顔をじっと見つめた。そしてやれやれと首を振った。私を静かに抱きしめてくれた。
「分かった。お前の言うことはきっと真実なのだろう。私はお前の魔力を最も信頼している者の一人だからな」
父は諦めたような表情でそう私に言った。
「ゴビンタン砂漠に電磁式テレグラフをしてみます。魔力で住む家をを動かそうと思います。私にアリス叔母様の家をください」
私はブランドン公爵家の敷地内にある、私たちが通常アリス叔母様の家と呼んでいる1軒の家を父にもらいたいとお願いした。こじんまりとした家だが、執事やメイドも数人なら住める家だ。アリス叔母様は、スペンサー伯爵家に嫁いだ父の妹だった。アリス叔母様が嫁ぎ先のスペンサー伯爵家から実家のブランドン公爵家に戻ってきた時に泊まる時のためだけに作らせた家だ。華やかで楽天的な叔母で、私は彼女をとても慕っていて、よくその家に遊びに行ったものだ。アリス叔母は、ここ数年は病気に伏せっていてしばらくその家は使われていない。
「アリスの家?それはいいが、本気でゴビンタン砂漠に行くつもりか?」
「はい、今は行くしかございません。アルベルト王太子は、私が今日断ったことに、心から感謝する時が来るはずです。それまでは王妃様の追放命令に従おうと思います」
「ディアーナ。本当に大丈夫なのか?お前はやけになっているのではないか?王妃様はまさかお前が本当に砂漠に追放される事を選ぶとは思ってはいないだろう」
父は私に静かに確認した。私の心は全く揺れなかった。アルベルト王太子は、1年後には私に愛想を尽かした状態になる。
「私は本気です。彼のところに戻る気はありません」
私はキッパリと父に伝えて、父の書斎を出た。せっかく侍女たちが私の姿を完璧に整えてくれたと言うのに、私は何をやっているのだろう?
私は公爵家のテレグラフ部屋に静かに入った。モールスが開発したと言う電磁式テレグラフで、ゴビンタン砂漠の状況を確認するのだ。
1867年現在、世界は数千本単位で建てられた塔を介してテレグラフで繋がっている。相手に魔力がなくても、私はモールスと数々のエンジニアの力で相手の状況を知る事ができる。
父はこの手のモノに目がない。蒸気自動車、チャールズ・バベッジの世界最初のコンピュータである階差機関も然り。父は夢中になっていた。私は突然蘇った過去の記憶から、父が夢中になっているものは未来を変えるモノだと分かったが、私が直面している問題は愛の問題であり、過去の記憶があるからといって変えられるものではなかった。
静かに心を沈めて信号を送った。
しばらくその場で待っていると、暗号が返ってきた。
私はその内容をじっと見つめて、そばに置かれていた紙にペンでいくつかのメモをした。ゴビンタン砂漠にアリス・スペンサーの家を移動させるのに必要なものを記した。
・コリアンダー(脳回路を刺激して、より強く魔力回路を開くのに使う)
・護符(昨年、学院敷地内の本殿奥にある石を分けてもらったもの)
・ゴビンタン砂漠で移動するに適した座標を書いた八芒星図とマカバスター(ルネ・デカルトの考えた座標を魔法移動軸表に照らし合わせた世界魔法移動地図を参照する)
それから1年の間、つまり王太子がマリー王女に心移りをして私から心が完全に離れるまでの間、ゴビンタン砂漠で過ごすために必要なものを書き記した。
・小麦粉
・水の濾過装置
・大豆
――それからなんだろう?家畜を連れて行くべきかしら?とにかく魔術に関する書物は全てアリス叔母様の家に持って行こう。
私が真剣に紙と睨めっこをしている時に、不意にブランドン公爵家のテレグラフが動き始めた。表示される暗号を見て、私は思わず嗚咽を漏らして涙した。
それは、アルベルト王太子と私の間で交わされる秘密の暗号だった。
『好きだ。行くな。私のそばにいてくれ。君が必要なんだ。砂漠なんて行くな。君を愛しているんだ』
私は泣きたかった。同時に嬉しかった。私の中のどうしようもなく彼を愛している部分は、彼のそばにいたがった。彼に今すぐに抱きしめてもらいたがった。彼とキスをしたがった。
次に、派手な夜会服で強調された胸にキスをしたアルベルト王太子を思い出した。
――だめよ。彼がマリー王女に惹かれて私を振る未来が待っているのよ。ここでほだされてはダメ。
私は涙を拭って、毅然とした態度でブランドン公爵家のテレグラフ室を静かに出た。父の星座の本を父の書斎からもらって行こう。廊下を歩いて父の書斎に戻った。
心を沈めて父の書斎の扉をノックした。
「お父様、ディアーナです」
「入ってきなさい」
私が父の書斎に入ると、執事のレイトンがいた。綺麗にまとめ上げられた髪を乱さず、まっすぐに姿勢を正して立っているテレサもそばにいる。ミラもだ。
「いかがなさいましたか?」
私は静かに父と執事のレイトンに尋ねた。
「今、話がまとまった。お前が砂漠に行く時、執事のレイトンと2人のメイドもついて行ってくれる」
父の言葉に私は愕然とした。
「なんですって!?」
「お嬢様、私もついて行きます。執事も必要でしょうから」
「お嬢様、メイドとして私もついて参ります」
「お嬢様、メイドとして、話し相手として私もついて参ります」
「お前は、いつまでゴビンタン砂漠にいるつもりなんだ?お前の見た予知では、いつまでの期間なんだ?」
私は立て続けに執事と2人のメイドについていくと宣言されて、父に質問されてたじろいだ。
「私の予測では1年経てば、アルベルト王子が新たな婚約を発表し、私への追放命令は取り消されると思っています」
「分かった。1年の間だけなんだな?」
「おそらく」
私の言葉に満足そうな表情をした父は、執事と2人のメイドに微笑んだ。
「頼む。私はディアーナの魔力を信じている。1年だけ、娘をお前たちに託したい」
「かしこまりました、ブランドン公爵家の執事として、最大限のお力になれるよう精進いたします」
「かしこまりました、旦那様」
「かしこまりました、旦那様。お任せください。お嬢様は私たち3人でしっかりとお守りします」
私は驚いたが、3人の固い表情と父の真剣な眼差しに負けた。
「1年で王妃様の気持ちは変わります。私が保証します」
私はキッパリと宣言して、父の書斎の豪華な書物棚の中から星座の本を抜き出し、「お父様、こちらをしばらくお借りしますね」と断って部屋を辞した。
さあ、明日の朝一番にアリス・スペンサーの家をゴビンタン砂漠に移動させるのだ。
私は階段を走るように駆け上がりながら、持っていくものを素早く頭の中で計算した。アルベルト王太子に会えなくなるが、本望だ。私の切ない恋心はここで断ち切るのだ。
書斎で父は動揺した表情で私を見つめた。ブランドン公爵家の立派な机の前で父は頼りなく立ちすくみ、私の顔を穴が開くほど見つめた。青ざめていて、今にも父は倒れそうだ。
「お前はあれほどアルベルト王太子を慕っていたではないか……何があった?」
父は私に鋭い声で聞いた。眉間には深刻な深い皺がより、眉尻は心配そうに下がり、父が私のことを心底案じている様子がありありと分かった。
「私の魔力で未来が予知できたのでございます。アルベルト王太子は1年年後にマリー王女に惹かれて私に別れを告げます」
「そ……そんな話が信じられるかっ!だってお前は……彼のことをあれほど……」
父は厳しい表情で私を見た。私の目には涙が溢れていて、彼に振られた時の事を思い出して身を切るような悲しさに貫かれて肩が震えた。父からすれば、まだ起こってもいないことで、娘の私が最愛の人を退けようとしているように見えるはずだ。
「本当に未来を見たのだな?」
父は私に静かに尋ねた。
「はい。どういうわけかはわかりませんが、1年後に別れを告げられ、私は不慮の事故で命を失いました。そしたら今日に戻っていたのです。本来は今日、6月20日は私はアルベルト王子に結婚を申し込まれて指輪を受け取るはずだったのですが、私はもう、これから一年後、自分の挙式1週間前になってから無惨に振られるなんて耐えられそうにありません。そうなったらもう生きてはいけませんから」
父は私の顔をじっと見つめた。そしてやれやれと首を振った。私を静かに抱きしめてくれた。
「分かった。お前の言うことはきっと真実なのだろう。私はお前の魔力を最も信頼している者の一人だからな」
父は諦めたような表情でそう私に言った。
「ゴビンタン砂漠に電磁式テレグラフをしてみます。魔力で住む家をを動かそうと思います。私にアリス叔母様の家をください」
私はブランドン公爵家の敷地内にある、私たちが通常アリス叔母様の家と呼んでいる1軒の家を父にもらいたいとお願いした。こじんまりとした家だが、執事やメイドも数人なら住める家だ。アリス叔母様は、スペンサー伯爵家に嫁いだ父の妹だった。アリス叔母様が嫁ぎ先のスペンサー伯爵家から実家のブランドン公爵家に戻ってきた時に泊まる時のためだけに作らせた家だ。華やかで楽天的な叔母で、私は彼女をとても慕っていて、よくその家に遊びに行ったものだ。アリス叔母は、ここ数年は病気に伏せっていてしばらくその家は使われていない。
「アリスの家?それはいいが、本気でゴビンタン砂漠に行くつもりか?」
「はい、今は行くしかございません。アルベルト王太子は、私が今日断ったことに、心から感謝する時が来るはずです。それまでは王妃様の追放命令に従おうと思います」
「ディアーナ。本当に大丈夫なのか?お前はやけになっているのではないか?王妃様はまさかお前が本当に砂漠に追放される事を選ぶとは思ってはいないだろう」
父は私に静かに確認した。私の心は全く揺れなかった。アルベルト王太子は、1年後には私に愛想を尽かした状態になる。
「私は本気です。彼のところに戻る気はありません」
私はキッパリと父に伝えて、父の書斎を出た。せっかく侍女たちが私の姿を完璧に整えてくれたと言うのに、私は何をやっているのだろう?
私は公爵家のテレグラフ部屋に静かに入った。モールスが開発したと言う電磁式テレグラフで、ゴビンタン砂漠の状況を確認するのだ。
1867年現在、世界は数千本単位で建てられた塔を介してテレグラフで繋がっている。相手に魔力がなくても、私はモールスと数々のエンジニアの力で相手の状況を知る事ができる。
父はこの手のモノに目がない。蒸気自動車、チャールズ・バベッジの世界最初のコンピュータである階差機関も然り。父は夢中になっていた。私は突然蘇った過去の記憶から、父が夢中になっているものは未来を変えるモノだと分かったが、私が直面している問題は愛の問題であり、過去の記憶があるからといって変えられるものではなかった。
静かに心を沈めて信号を送った。
しばらくその場で待っていると、暗号が返ってきた。
私はその内容をじっと見つめて、そばに置かれていた紙にペンでいくつかのメモをした。ゴビンタン砂漠にアリス・スペンサーの家を移動させるのに必要なものを記した。
・コリアンダー(脳回路を刺激して、より強く魔力回路を開くのに使う)
・護符(昨年、学院敷地内の本殿奥にある石を分けてもらったもの)
・ゴビンタン砂漠で移動するに適した座標を書いた八芒星図とマカバスター(ルネ・デカルトの考えた座標を魔法移動軸表に照らし合わせた世界魔法移動地図を参照する)
それから1年の間、つまり王太子がマリー王女に心移りをして私から心が完全に離れるまでの間、ゴビンタン砂漠で過ごすために必要なものを書き記した。
・小麦粉
・水の濾過装置
・大豆
――それからなんだろう?家畜を連れて行くべきかしら?とにかく魔術に関する書物は全てアリス叔母様の家に持って行こう。
私が真剣に紙と睨めっこをしている時に、不意にブランドン公爵家のテレグラフが動き始めた。表示される暗号を見て、私は思わず嗚咽を漏らして涙した。
それは、アルベルト王太子と私の間で交わされる秘密の暗号だった。
『好きだ。行くな。私のそばにいてくれ。君が必要なんだ。砂漠なんて行くな。君を愛しているんだ』
私は泣きたかった。同時に嬉しかった。私の中のどうしようもなく彼を愛している部分は、彼のそばにいたがった。彼に今すぐに抱きしめてもらいたがった。彼とキスをしたがった。
次に、派手な夜会服で強調された胸にキスをしたアルベルト王太子を思い出した。
――だめよ。彼がマリー王女に惹かれて私を振る未来が待っているのよ。ここでほだされてはダメ。
私は涙を拭って、毅然とした態度でブランドン公爵家のテレグラフ室を静かに出た。父の星座の本を父の書斎からもらって行こう。廊下を歩いて父の書斎に戻った。
心を沈めて父の書斎の扉をノックした。
「お父様、ディアーナです」
「入ってきなさい」
私が父の書斎に入ると、執事のレイトンがいた。綺麗にまとめ上げられた髪を乱さず、まっすぐに姿勢を正して立っているテレサもそばにいる。ミラもだ。
「いかがなさいましたか?」
私は静かに父と執事のレイトンに尋ねた。
「今、話がまとまった。お前が砂漠に行く時、執事のレイトンと2人のメイドもついて行ってくれる」
父の言葉に私は愕然とした。
「なんですって!?」
「お嬢様、私もついて行きます。執事も必要でしょうから」
「お嬢様、メイドとして私もついて参ります」
「お嬢様、メイドとして、話し相手として私もついて参ります」
「お前は、いつまでゴビンタン砂漠にいるつもりなんだ?お前の見た予知では、いつまでの期間なんだ?」
私は立て続けに執事と2人のメイドについていくと宣言されて、父に質問されてたじろいだ。
「私の予測では1年経てば、アルベルト王子が新たな婚約を発表し、私への追放命令は取り消されると思っています」
「分かった。1年の間だけなんだな?」
「おそらく」
私の言葉に満足そうな表情をした父は、執事と2人のメイドに微笑んだ。
「頼む。私はディアーナの魔力を信じている。1年だけ、娘をお前たちに託したい」
「かしこまりました、ブランドン公爵家の執事として、最大限のお力になれるよう精進いたします」
「かしこまりました、旦那様」
「かしこまりました、旦那様。お任せください。お嬢様は私たち3人でしっかりとお守りします」
私は驚いたが、3人の固い表情と父の真剣な眼差しに負けた。
「1年で王妃様の気持ちは変わります。私が保証します」
私はキッパリと宣言して、父の書斎の豪華な書物棚の中から星座の本を抜き出し、「お父様、こちらをしばらくお借りしますね」と断って部屋を辞した。
さあ、明日の朝一番にアリス・スペンサーの家をゴビンタン砂漠に移動させるのだ。
私は階段を走るように駆け上がりながら、持っていくものを素早く頭の中で計算した。アルベルト王太子に会えなくなるが、本望だ。私の切ない恋心はここで断ち切るのだ。
96
お気に入りに追加
287
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】追い詰められた悪役令嬢、崖の上からフライング・ハイ!
采火
ファンタジー
私、アニエス・ミュレーズは冤罪をかけられ、元婚約者である皇太子、義弟、騎士を連れた騎士団長、それから実の妹に追い詰められて、同じ日、同じ時間、同じ崖から転落死するという人生を繰り返している。
けれどそんな死に戻り人生も、今日でおしまい。
前世にはいなかった毒舌従者を連れ、アニエスの脱・死に戻り人生計画が始まる。
※別サイトでも掲載中
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる