63 / 75
第三章 囚われの身から幸せへ
カール大帝の乳母と手下 ヴァイオレットSide
しおりを挟む
「あら……ほんっと残念な娘ね。あなたの名前はマルグリッド・エリーナ・ルネよね?マーガレットの花の別名が由来の名前で、「誠実」「貞節」「慈悲」を表すのよ。それなのに……あんな身持ちの悪い才能のカケラも無いような男のどこがいいのかしら。ルノーは義弟とは言え、最悪な男の部類に入るわ。女を虫けらのように扱う男よ。近づかない方が身のためのような相手なのに。あぁー!分かったわ、あなたがルノーと組む理由はボアルネハルトのヨークトシャーナ家の麗しいヒュー王子を狙っているのね?」
私が前回背負い投げをしたシャーリーンの手下の様子をうかがいに行こうとしている時、愛人ジゼルとソフィー妃は、聖女カトリーヌが見張っているマルグリッドに興味深々だった。
「あら、この娘がルノーと悪巧みをしている娘なのね」
そうだ。このまま何もしなければ、1年後にはマルグリッドはルノーと結託して、ヒュー王子を私を破局させるために画策するはずだ。今回はヒュー王子の殺害計画やエリオットの殺害計画、カール大帝との強制結婚のために聖女である私の拉致計画、3つがいっぺんに同時進行で進められてしまった。前回の人生とは違って動きがかなり早い。
私が16歳で聖女と認められた直後にヒューと結婚することが決まったことと、ボアルネハルトを豊かにするための再生計画を的確に素早く私が国王に示したからだろう。
ソフィー妃は腕組みをして、マルグリッドを頭のてっぺんからつま先まで値踏みするように見ている。辛辣な口調ですぐにマルグリッドの狙いを言い当てた。
「あなた、若いのにもう身持ちが悪い部類だわね。体の線が崩れるから、すぐにバレるのよ。既に綺麗な身持ちじゃ無いわね?」
愛人ジゼルも腕組みしてマルグリッドを爪先から頭のてっぺんまでジロジロ見て、マルグリッドには清純さのかけらもないと切って捨てた。
「愛人にも自負があるのよ。綺麗な身持ちであるという自負がね。あなたにはそれがまるで無さそうだわ」
なぜ分かるのか、ジゼルはぴたりとマルグリッドの本性を言い当てた。私は現代の大学でマルグリッドが人目を盗んで愛欲に溺れていた様を思い出して、頭を振った。
「マルグリッド?いいわね、一言言わせてもらうわ。シャーロットはいまだにボアルネハルトの女王の座が諦めきれないようだけれど、彼女はダメ。ヴァイオレットの方があらゆる点で格上だわ。シャーロットとヒューと比較してもヒューの方が王座には適任よ。スキルもなく、自分で磨くわけでもなく、民のために心を砕く資質が無い者には天も味方はしないの。シャーロットが悪党と組んで何を画策しても王座を手に入れることはないわ」
ソフィー妃は厳しい声音でマルグリッドに言った。
「私の父は一瞬だけ王位についたのよ。でもすぐに王座を追われたわ。王座に座り続けるには、それなりの資質が要求されるの。シャーロットには一瞬たりとて王座につく資格すらないわ。夫の乳母のシャーリーンの術師の力を彼女は借りているようだけれど、長続きしないわよ」
ソフィー妃は苦々しげにマルグリッドに言った。マルグリッドは真っ青だ。
「ソフィー妃、先ほどシャーリーンの手下の術師のスキルは私が根こそぎ奪いましたわ。そして、私の名付け時にシャーロット叔母と術師が企んで、私の力をシャーロット叔母が使えるようにするスキル盗みの術を仕込んでいた件ですが、それも木っ端微塵に破壊しました」
私は悔しさが込み上げてきて声が震えた。必死で震えを抑えた。
「ですので、今後はシャーロット叔母はシャーリーンの術師を当てにすることも、私のスキルを盗むことももう出来ませんわ。今はただのしがない犯罪者になったのですわ。シャーロット叔母は私の母を7年前に殺害したのです」
最後の言葉はまた震えてしまいそうだった。なんとかかろうじて、歯を食いしばる思いで私は淡々と述べることができた。
愛人ジゼルとソフィー妃は私にそっと寄り添って、私を静かに抱きしめてくれた。
「夫の乳母のシャーリーンには私も腹に据えかねるところがあったの。だからこの際、術師とまとめて、ヴァイオレットには成敗してもらうわ。聖女を拉致するなんて言語道断よ。ヴァイオレットは難を逃れたけれど、カトリーヌはシャーリーンとその手下に拉致されていたのでしょう?そんなことをする者は許してはならないわ。今日限り、シャーリーンの顔は見たくないわ」
ソフィー妃はそう言った。
「では、カール大帝の乳母であるシャーリーンとその手下もまとめて成敗しますわ」
私は静かにうなずいて、寝入っている乳母にスマホを掲げて、空気中に移動術のコードを照射した。彼女を術師と一緒の現代に移動させた。せめて術師の隣で鳴くセミにしてあげただけ感謝して欲しい。
私の殺害、ヒューの殺害と彼女が関係したであろうものは本当に許せない。
そもそも赤ん坊だった私とジャーロット叔母との間に、私のスキル盗みの術を仕込んだのは、彼女の手下の術師だ。彼女はこのことをずっと知っていたに違いない。彼女もシャーロット叔母もずっと私のスキルを利用し続けたのだ。シャーロット叔母が私の母を殺害したことも知っていたはずだ。
8日で死ぬセミになっておしまいっ!と思った。
乳母は現代に送ることができた。
しかし、熊のような手下は私に気づいてうなり声をあげて一気に飛びかかってきた。私はもう一度体育の授業で習った通りに背負い投げをキメた。
手下が床に伸びて、起き上がってこようとしたところをソフィー妃はまたもやランプで叩いた。熊のような手下は気絶して動かなくなったので、私はそのままハーブスブートの遥か遠い国境沿いに彼を放り出すように移動させた。明日の政権交代と、戴冠式までは遠くにいてもらう必要がある。
「ヴァイオレット、夫が私と離婚して、あなたを次の夫の妃に据える件だけれど、カールはそもそも病なのよ。でも、夫を治癒して欲しいとは思わないわ。カールはそこまでして王座にしがみつくべきではない。民の事を考えればハンリヒ兄弟はここで幕引きすべきよ。輝くようなゴージャスで魅力的なエリオット・アクレサンデル・レキュールが王位につく覚悟を決めたのであれば、私は止めないわ」
ソフィー妃が小さな声で私にささやいた。ジゼルもうなずいた。
「私も同感よ。こうでもしなければ続けることができない王権は無意味だわ。ラントナス家最後の王位継承者がエリオット・アクレサンデル・レキュールであるなら、神のお告げだわ。あとは彼に任せるわ」
ジゼルは私にふっと笑いかけた。ソフィー妃も愛人ジゼルも私の恋する胸のうちを知っているのだろうか。エリオットに惹かれている自分を見透かされたようで、私はドキッとした。
私は二人を抱きしめて、二人に防御のバリアを施した。そして、カトリーヌに合図をしてマルグリッドを連れてボアルネハルトに戻ったのだ。
ボアルネハルトの国王陛下は、ハープスブートの王座争いについてはラントナス家最後の王位継承者であるレキュール辺境伯エリオットに協力すると宣言されていた。そして、陛下の陸軍と海軍はすでに出発していた。
私は心臓がドキドキしていた。海軍の軍艦に乗船したエリオットの様子を見に行こうと思った。彼が王座につく姿を私も見たいと心から思った。
『Lvl723の移動術を使いますか?』
「使います」
海風が優しい夜だった。私は海軍の先頭を海上で仕切るアルフレッド王子と、レキュール辺境伯エリオットが乗り込む軍艦の看板にそっと降り立った。エリオットの隣にそっと降り立った。私のスキルを利用する者がいなくなり、私はかつてなく身軽だった。限界まで連続してスキルを使い続けている。
エリオットの隣に立つと、彼はそっと私を抱き寄せてきて口付けをした。
「明日、何が起こるか分からないから、もう一度君に伝えようと思う」
エリオットは星明かりを頼りに進める船の看板の上で私にささやいた。彼の瞳がキラキラと煌めいているのが見えた。
「ヴァイオレット、愛しているんだ。僕の妻になってくれないか」
私はうなずいた。彼の温かい唇に自分の唇を重ねた。
「はい、喜んであなたの妻になります。いつの間にかあなたを愛していたの」
私は彼の胸に飛び込んだ。温かい胸の鼓動が聞こえた。
「こうなるべきだったんだ」
隣にいるチャールズ・ハワー卿でもあるアルフレッド王子は私たちを祝福してくれた。
「ヒューにさっき打ち明けられたんだ。聖女ヴァイオレットに失恋したようだと。彼は悲しんでいたが、相手がエリオットなら祝福すると言っていた」
私は夜空に輝く星を見つめた。遠くに火炙りにされた日が消え去ったような気がした。私の新しい人生はこれから始まるのだ。
さあ、明日は私の最愛の人が王座につくのを見届けよう。
胸の奥に情熱の炎が再び灯るのを感じた。人を愛する喜びだ。私の中で一度失われた純粋に大好きな人の力になりたい、愛したい、共に未来を目指して歩きたいという気持ちが新たに生まれた。
潮風が私の髪を優しく撫で、空に煌めく星々が祝福してくれているようだった。
私が前回背負い投げをしたシャーリーンの手下の様子をうかがいに行こうとしている時、愛人ジゼルとソフィー妃は、聖女カトリーヌが見張っているマルグリッドに興味深々だった。
「あら、この娘がルノーと悪巧みをしている娘なのね」
そうだ。このまま何もしなければ、1年後にはマルグリッドはルノーと結託して、ヒュー王子を私を破局させるために画策するはずだ。今回はヒュー王子の殺害計画やエリオットの殺害計画、カール大帝との強制結婚のために聖女である私の拉致計画、3つがいっぺんに同時進行で進められてしまった。前回の人生とは違って動きがかなり早い。
私が16歳で聖女と認められた直後にヒューと結婚することが決まったことと、ボアルネハルトを豊かにするための再生計画を的確に素早く私が国王に示したからだろう。
ソフィー妃は腕組みをして、マルグリッドを頭のてっぺんからつま先まで値踏みするように見ている。辛辣な口調ですぐにマルグリッドの狙いを言い当てた。
「あなた、若いのにもう身持ちが悪い部類だわね。体の線が崩れるから、すぐにバレるのよ。既に綺麗な身持ちじゃ無いわね?」
愛人ジゼルも腕組みしてマルグリッドを爪先から頭のてっぺんまでジロジロ見て、マルグリッドには清純さのかけらもないと切って捨てた。
「愛人にも自負があるのよ。綺麗な身持ちであるという自負がね。あなたにはそれがまるで無さそうだわ」
なぜ分かるのか、ジゼルはぴたりとマルグリッドの本性を言い当てた。私は現代の大学でマルグリッドが人目を盗んで愛欲に溺れていた様を思い出して、頭を振った。
「マルグリッド?いいわね、一言言わせてもらうわ。シャーロットはいまだにボアルネハルトの女王の座が諦めきれないようだけれど、彼女はダメ。ヴァイオレットの方があらゆる点で格上だわ。シャーロットとヒューと比較してもヒューの方が王座には適任よ。スキルもなく、自分で磨くわけでもなく、民のために心を砕く資質が無い者には天も味方はしないの。シャーロットが悪党と組んで何を画策しても王座を手に入れることはないわ」
ソフィー妃は厳しい声音でマルグリッドに言った。
「私の父は一瞬だけ王位についたのよ。でもすぐに王座を追われたわ。王座に座り続けるには、それなりの資質が要求されるの。シャーロットには一瞬たりとて王座につく資格すらないわ。夫の乳母のシャーリーンの術師の力を彼女は借りているようだけれど、長続きしないわよ」
ソフィー妃は苦々しげにマルグリッドに言った。マルグリッドは真っ青だ。
「ソフィー妃、先ほどシャーリーンの手下の術師のスキルは私が根こそぎ奪いましたわ。そして、私の名付け時にシャーロット叔母と術師が企んで、私の力をシャーロット叔母が使えるようにするスキル盗みの術を仕込んでいた件ですが、それも木っ端微塵に破壊しました」
私は悔しさが込み上げてきて声が震えた。必死で震えを抑えた。
「ですので、今後はシャーロット叔母はシャーリーンの術師を当てにすることも、私のスキルを盗むことももう出来ませんわ。今はただのしがない犯罪者になったのですわ。シャーロット叔母は私の母を7年前に殺害したのです」
最後の言葉はまた震えてしまいそうだった。なんとかかろうじて、歯を食いしばる思いで私は淡々と述べることができた。
愛人ジゼルとソフィー妃は私にそっと寄り添って、私を静かに抱きしめてくれた。
「夫の乳母のシャーリーンには私も腹に据えかねるところがあったの。だからこの際、術師とまとめて、ヴァイオレットには成敗してもらうわ。聖女を拉致するなんて言語道断よ。ヴァイオレットは難を逃れたけれど、カトリーヌはシャーリーンとその手下に拉致されていたのでしょう?そんなことをする者は許してはならないわ。今日限り、シャーリーンの顔は見たくないわ」
ソフィー妃はそう言った。
「では、カール大帝の乳母であるシャーリーンとその手下もまとめて成敗しますわ」
私は静かにうなずいて、寝入っている乳母にスマホを掲げて、空気中に移動術のコードを照射した。彼女を術師と一緒の現代に移動させた。せめて術師の隣で鳴くセミにしてあげただけ感謝して欲しい。
私の殺害、ヒューの殺害と彼女が関係したであろうものは本当に許せない。
そもそも赤ん坊だった私とジャーロット叔母との間に、私のスキル盗みの術を仕込んだのは、彼女の手下の術師だ。彼女はこのことをずっと知っていたに違いない。彼女もシャーロット叔母もずっと私のスキルを利用し続けたのだ。シャーロット叔母が私の母を殺害したことも知っていたはずだ。
8日で死ぬセミになっておしまいっ!と思った。
乳母は現代に送ることができた。
しかし、熊のような手下は私に気づいてうなり声をあげて一気に飛びかかってきた。私はもう一度体育の授業で習った通りに背負い投げをキメた。
手下が床に伸びて、起き上がってこようとしたところをソフィー妃はまたもやランプで叩いた。熊のような手下は気絶して動かなくなったので、私はそのままハーブスブートの遥か遠い国境沿いに彼を放り出すように移動させた。明日の政権交代と、戴冠式までは遠くにいてもらう必要がある。
「ヴァイオレット、夫が私と離婚して、あなたを次の夫の妃に据える件だけれど、カールはそもそも病なのよ。でも、夫を治癒して欲しいとは思わないわ。カールはそこまでして王座にしがみつくべきではない。民の事を考えればハンリヒ兄弟はここで幕引きすべきよ。輝くようなゴージャスで魅力的なエリオット・アクレサンデル・レキュールが王位につく覚悟を決めたのであれば、私は止めないわ」
ソフィー妃が小さな声で私にささやいた。ジゼルもうなずいた。
「私も同感よ。こうでもしなければ続けることができない王権は無意味だわ。ラントナス家最後の王位継承者がエリオット・アクレサンデル・レキュールであるなら、神のお告げだわ。あとは彼に任せるわ」
ジゼルは私にふっと笑いかけた。ソフィー妃も愛人ジゼルも私の恋する胸のうちを知っているのだろうか。エリオットに惹かれている自分を見透かされたようで、私はドキッとした。
私は二人を抱きしめて、二人に防御のバリアを施した。そして、カトリーヌに合図をしてマルグリッドを連れてボアルネハルトに戻ったのだ。
ボアルネハルトの国王陛下は、ハープスブートの王座争いについてはラントナス家最後の王位継承者であるレキュール辺境伯エリオットに協力すると宣言されていた。そして、陛下の陸軍と海軍はすでに出発していた。
私は心臓がドキドキしていた。海軍の軍艦に乗船したエリオットの様子を見に行こうと思った。彼が王座につく姿を私も見たいと心から思った。
『Lvl723の移動術を使いますか?』
「使います」
海風が優しい夜だった。私は海軍の先頭を海上で仕切るアルフレッド王子と、レキュール辺境伯エリオットが乗り込む軍艦の看板にそっと降り立った。エリオットの隣にそっと降り立った。私のスキルを利用する者がいなくなり、私はかつてなく身軽だった。限界まで連続してスキルを使い続けている。
エリオットの隣に立つと、彼はそっと私を抱き寄せてきて口付けをした。
「明日、何が起こるか分からないから、もう一度君に伝えようと思う」
エリオットは星明かりを頼りに進める船の看板の上で私にささやいた。彼の瞳がキラキラと煌めいているのが見えた。
「ヴァイオレット、愛しているんだ。僕の妻になってくれないか」
私はうなずいた。彼の温かい唇に自分の唇を重ねた。
「はい、喜んであなたの妻になります。いつの間にかあなたを愛していたの」
私は彼の胸に飛び込んだ。温かい胸の鼓動が聞こえた。
「こうなるべきだったんだ」
隣にいるチャールズ・ハワー卿でもあるアルフレッド王子は私たちを祝福してくれた。
「ヒューにさっき打ち明けられたんだ。聖女ヴァイオレットに失恋したようだと。彼は悲しんでいたが、相手がエリオットなら祝福すると言っていた」
私は夜空に輝く星を見つめた。遠くに火炙りにされた日が消え去ったような気がした。私の新しい人生はこれから始まるのだ。
さあ、明日は私の最愛の人が王座につくのを見届けよう。
胸の奥に情熱の炎が再び灯るのを感じた。人を愛する喜びだ。私の中で一度失われた純粋に大好きな人の力になりたい、愛したい、共に未来を目指して歩きたいという気持ちが新たに生まれた。
潮風が私の髪を優しく撫で、空に煌めく星々が祝福してくれているようだった。
2
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる