40 / 75
第二章 二度目の人生 リベンジスタート
レキュール辺境伯エリオット
しおりを挟む
俳優の純斗がうちの大学の学生だという噂は、その日あっという間に学内に広がった。ジョセフになりすましても違和感がなかったのは、俳優力のなせる技かもしれない。
アパートの純斗の部屋に合流した私たちは、次の手を考えなければならなかった。
大家さんが用意した炭酸入りレモネードは、今日も美味しかった。暑い日にぴったりで、純斗と私はごくごく喉を鳴らして飲んだ。ヒューもサミュエルも美味しそうに飲んでいたが、魔導師ジーニンだけは炭酸が苦手だと言って遠慮して、純斗が用意したアイスコーヒーをいただいていた。
「まず、マルグリッドは大丈夫になった。でも、彼女一人で聖女を処刑に持ち込めるわけがない」
純斗は腕組みしてホワイトボードを睨んでいた。私は少しドキドキする思いで純斗の一挙一足等に飛び上がりそうになる程だった。レモネードのグラスを純斗から渡されて指がかすったぐらいで赤面してしまった。指の体温がとても温かった。
「ヒュー、誰か聖女は無実だと訴えた人がいませんでしたか?」
純斗はヒューを見つめた。
「あ、そういえば!」
ヒューは眉間にシワを寄せて考え込んで、ハッとしたように叫んだ。
「レキュール辺境伯が、隣国のカール・ハンリヒ大帝の弟であるルノー・ガクセン・ハンリヒがマルグリッドと結託して謀反を企てていると言ってきたことがあった。でも、俺はその日頭に来ることがあって、彼の話をちゃんと聞けなかった。その後、ヴァイオレットが捕まって……」
「レキュール辺境伯?」
私はその言葉にビクッとした。たびたび頭に浮かぶあの辺境の地のことだ。
――エリオット・アクレサンデル・レキュールの地だわ。
私は一瞬、彼の瞳を思い出した。なぜか純斗が「にぶいな」と私にそっけなく言ってきた瞬間の顔がよぎって私はカッと赤面した。
「私があなたに責められて婚約破棄されるとき、あなたはその名前を出したわ」
私は何かの胸騒ぎを感じて、ヒューに聞いた。
「君は……レキュール伯爵領で一度、帰らなかったことがあった。行方がわからなくなったんだ。その時、その……君と彼が夜を共にしていたという複数の証言があったんだ」
そうなのだ。色々言われた中に、その内容が確かにあったのだ。私の目から涙が込み上げてきた。鼻の奥がツンとして痛い。私の心の中にエリオットが助け出してくれたあの夜のことがまた蘇った。
私とエリオットは純粋な友達だったはずだ。あの地の再建計画を話し合って夜を明かした日のことを思いだした。焚き火の明かり越しに星空を見て、笑って話し合った。確かに楽しかった夜だ。でも、彼とは友達だった。
聖女でもなく、公爵令嬢でもなく、一人の18歳の女性として私はその夜そこにいたと思う。星々の明かりと焚き火の明かりの下で、私はとても幸せだと思った記憶があった。
「でも、君はそんなことをしていないんだろう?レキュール辺境伯とは何もなかったのだろう?」
ヒューは苦悶に満ちた表情を浮かべた。喉がヒクヒク震えている。私はあの時否定した。でも、ヒューは信じてくれなかった。私の指にはヒューのくれたダイヤの指輪が光っている。
それはもう過去のことで、過去をやり直すために集まっている。ヒューは反省して泣いて謝ってくれた。私は誰かに仕返しをするためではなく、ヴァイオレットの人生を救うために頑張っている。私は今度はヒューと結ばれて幸せの絶頂を感じた。結婚を申し込まれた時を上回る女の幸せを感じた。マルグリッドが真っ黒なのを確認して、確実にやっつけた。困っていた学費も払えた。何もかもが最高だ。そう、最高なのだ。全てが最高なのだ。
かつて最愛だった人に再び恋して体の関係を結んだ。大切な初めてを捧げた。
でも。マルグリッドに取られるという思いがなければ、私はその行動に出たのか自分でも自信がない。
とてつもなく最高で醜悪な気がする。私に婚約破棄をあれほど強く言い渡した張本人と寄りを戻した?
私の心を再起不能なレベルにズタボロに傷つけた人とよりを戻した。
魔導師ジーニンは私とヒューを交互に見て、心配そうにしている。沈黙を破ったのは純斗だった。
「もう一度戻ってみよう。気になることがあるんだ。レキュール辺境伯領と隣国のあの男が気になっている」
「カール大帝の弟のこと?」
「そうだ」
「その方がいいかもしれません。マルグリッド一人であの騒ぎを起こせるとは思えないですし」
「ジーニンもそう思う?」
「えぇ、ヴァイオレットお嬢様を完全に救ったと確信が持てるまでは予断が許されないと思います」
「ならば、決まりね。17歳でいいかしら?」
「良いと思いますよ」
こうして、純斗と私はまた戻ることになった。明日の朝、アパート前のブルーリバーとピンクリバーのスーパートレニア カタリーナの涼やな花の前で再集合と決まった。
ヒューは何かを言いたそうだったが、黙って私たちは解散した。サラリーマンの佐々木さんが帰宅するのに偶然合って、大家さんも2階のおばあちゃんも一緒になって私たちは雑談を交わした。
純斗のことは皆分かっていたのだろうと、私がこの時知った。彼が有名な若手俳優だと知っていて、皆そっとしてくれているのだと悟った。
私の写真を狙っている近所の例の中学生がやってきて、スマホを構えたので私は「コラッ!」と追い払った。
「聖女なら何かやってみてよー!」
男子中学生はそう言って走ってどこかに行った。
いつの間にか私と純斗の二人だけがアパート前に残っていた。
なぜか純斗はアパートの向こうの空の方を見ていた。少し悲しげな目だと思った。そういえば、純斗は人気俳優だったなんて一言も言ってくれなかった。私がドラマや映画を見る暇もなくバイトに明け暮れているのが問題なのかもしれないけれど。
「仕事、頑張っているんだね」
私は純斗を心底えらいと思った。すごいと思った。
「すごいよ、今日は学内の女子がみんな騒いでいたよ。純斗は人気が凄いんだね。頑張っていてえらいよ。尊敬する」
私は純斗に力強く微笑んだ。
「好きだと言ってくれて本当に嬉しかった。意識してしまって挙動不審になってしまって本当にごめんなさい。これは私が未熟なせいだから」
私はそう言って純斗に頭を下げた。
「謝んなって。俺の気持ちは言ったから。わかっているならいいよ」
純斗はそう言って、優しい目をして笑った。いつの間にか、私と純斗の間には同志のような絆が生まれていたようだ。ただ、私はもしかすると、ヒューに惹かれながら、純斗にも心惹かれているのかもしれない。最低だ。私は赤らめた顔を見られたくなくて、とっさに後ろを振り向いて、サミュエルのフェラーリを探した。
「馬車じゃなくて、フェラーリだとはサミュエルも出世したもんだ」
純斗はぼそっとつぶやき、私たちが思わず吹き出した。私たちはそれぞれ自分の部屋に戻った。
私はついでに王立修道院の聖女養成機関でちゃんと修行を積んでいるか、自分の状況をチェックしたいと思っていた。心の修行も必要だ。私は恋人に振られたぐらいで力を失うような偽物の聖女であってはならない。私は成長しなければならない。私は今度こそ、何事にも動じずに、自分の力を全うできる人物に成長する必要がある。感情に振り回されてはならないのだ。
私に必要なのは、悲しみと怒りのコントロールだ。
アパートの純斗の部屋に合流した私たちは、次の手を考えなければならなかった。
大家さんが用意した炭酸入りレモネードは、今日も美味しかった。暑い日にぴったりで、純斗と私はごくごく喉を鳴らして飲んだ。ヒューもサミュエルも美味しそうに飲んでいたが、魔導師ジーニンだけは炭酸が苦手だと言って遠慮して、純斗が用意したアイスコーヒーをいただいていた。
「まず、マルグリッドは大丈夫になった。でも、彼女一人で聖女を処刑に持ち込めるわけがない」
純斗は腕組みしてホワイトボードを睨んでいた。私は少しドキドキする思いで純斗の一挙一足等に飛び上がりそうになる程だった。レモネードのグラスを純斗から渡されて指がかすったぐらいで赤面してしまった。指の体温がとても温かった。
「ヒュー、誰か聖女は無実だと訴えた人がいませんでしたか?」
純斗はヒューを見つめた。
「あ、そういえば!」
ヒューは眉間にシワを寄せて考え込んで、ハッとしたように叫んだ。
「レキュール辺境伯が、隣国のカール・ハンリヒ大帝の弟であるルノー・ガクセン・ハンリヒがマルグリッドと結託して謀反を企てていると言ってきたことがあった。でも、俺はその日頭に来ることがあって、彼の話をちゃんと聞けなかった。その後、ヴァイオレットが捕まって……」
「レキュール辺境伯?」
私はその言葉にビクッとした。たびたび頭に浮かぶあの辺境の地のことだ。
――エリオット・アクレサンデル・レキュールの地だわ。
私は一瞬、彼の瞳を思い出した。なぜか純斗が「にぶいな」と私にそっけなく言ってきた瞬間の顔がよぎって私はカッと赤面した。
「私があなたに責められて婚約破棄されるとき、あなたはその名前を出したわ」
私は何かの胸騒ぎを感じて、ヒューに聞いた。
「君は……レキュール伯爵領で一度、帰らなかったことがあった。行方がわからなくなったんだ。その時、その……君と彼が夜を共にしていたという複数の証言があったんだ」
そうなのだ。色々言われた中に、その内容が確かにあったのだ。私の目から涙が込み上げてきた。鼻の奥がツンとして痛い。私の心の中にエリオットが助け出してくれたあの夜のことがまた蘇った。
私とエリオットは純粋な友達だったはずだ。あの地の再建計画を話し合って夜を明かした日のことを思いだした。焚き火の明かり越しに星空を見て、笑って話し合った。確かに楽しかった夜だ。でも、彼とは友達だった。
聖女でもなく、公爵令嬢でもなく、一人の18歳の女性として私はその夜そこにいたと思う。星々の明かりと焚き火の明かりの下で、私はとても幸せだと思った記憶があった。
「でも、君はそんなことをしていないんだろう?レキュール辺境伯とは何もなかったのだろう?」
ヒューは苦悶に満ちた表情を浮かべた。喉がヒクヒク震えている。私はあの時否定した。でも、ヒューは信じてくれなかった。私の指にはヒューのくれたダイヤの指輪が光っている。
それはもう過去のことで、過去をやり直すために集まっている。ヒューは反省して泣いて謝ってくれた。私は誰かに仕返しをするためではなく、ヴァイオレットの人生を救うために頑張っている。私は今度はヒューと結ばれて幸せの絶頂を感じた。結婚を申し込まれた時を上回る女の幸せを感じた。マルグリッドが真っ黒なのを確認して、確実にやっつけた。困っていた学費も払えた。何もかもが最高だ。そう、最高なのだ。全てが最高なのだ。
かつて最愛だった人に再び恋して体の関係を結んだ。大切な初めてを捧げた。
でも。マルグリッドに取られるという思いがなければ、私はその行動に出たのか自分でも自信がない。
とてつもなく最高で醜悪な気がする。私に婚約破棄をあれほど強く言い渡した張本人と寄りを戻した?
私の心を再起不能なレベルにズタボロに傷つけた人とよりを戻した。
魔導師ジーニンは私とヒューを交互に見て、心配そうにしている。沈黙を破ったのは純斗だった。
「もう一度戻ってみよう。気になることがあるんだ。レキュール辺境伯領と隣国のあの男が気になっている」
「カール大帝の弟のこと?」
「そうだ」
「その方がいいかもしれません。マルグリッド一人であの騒ぎを起こせるとは思えないですし」
「ジーニンもそう思う?」
「えぇ、ヴァイオレットお嬢様を完全に救ったと確信が持てるまでは予断が許されないと思います」
「ならば、決まりね。17歳でいいかしら?」
「良いと思いますよ」
こうして、純斗と私はまた戻ることになった。明日の朝、アパート前のブルーリバーとピンクリバーのスーパートレニア カタリーナの涼やな花の前で再集合と決まった。
ヒューは何かを言いたそうだったが、黙って私たちは解散した。サラリーマンの佐々木さんが帰宅するのに偶然合って、大家さんも2階のおばあちゃんも一緒になって私たちは雑談を交わした。
純斗のことは皆分かっていたのだろうと、私がこの時知った。彼が有名な若手俳優だと知っていて、皆そっとしてくれているのだと悟った。
私の写真を狙っている近所の例の中学生がやってきて、スマホを構えたので私は「コラッ!」と追い払った。
「聖女なら何かやってみてよー!」
男子中学生はそう言って走ってどこかに行った。
いつの間にか私と純斗の二人だけがアパート前に残っていた。
なぜか純斗はアパートの向こうの空の方を見ていた。少し悲しげな目だと思った。そういえば、純斗は人気俳優だったなんて一言も言ってくれなかった。私がドラマや映画を見る暇もなくバイトに明け暮れているのが問題なのかもしれないけれど。
「仕事、頑張っているんだね」
私は純斗を心底えらいと思った。すごいと思った。
「すごいよ、今日は学内の女子がみんな騒いでいたよ。純斗は人気が凄いんだね。頑張っていてえらいよ。尊敬する」
私は純斗に力強く微笑んだ。
「好きだと言ってくれて本当に嬉しかった。意識してしまって挙動不審になってしまって本当にごめんなさい。これは私が未熟なせいだから」
私はそう言って純斗に頭を下げた。
「謝んなって。俺の気持ちは言ったから。わかっているならいいよ」
純斗はそう言って、優しい目をして笑った。いつの間にか、私と純斗の間には同志のような絆が生まれていたようだ。ただ、私はもしかすると、ヒューに惹かれながら、純斗にも心惹かれているのかもしれない。最低だ。私は赤らめた顔を見られたくなくて、とっさに後ろを振り向いて、サミュエルのフェラーリを探した。
「馬車じゃなくて、フェラーリだとはサミュエルも出世したもんだ」
純斗はぼそっとつぶやき、私たちが思わず吹き出した。私たちはそれぞれ自分の部屋に戻った。
私はついでに王立修道院の聖女養成機関でちゃんと修行を積んでいるか、自分の状況をチェックしたいと思っていた。心の修行も必要だ。私は恋人に振られたぐらいで力を失うような偽物の聖女であってはならない。私は成長しなければならない。私は今度こそ、何事にも動じずに、自分の力を全うできる人物に成長する必要がある。感情に振り回されてはならないのだ。
私に必要なのは、悲しみと怒りのコントロールだ。
11
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!

ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。
国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。
声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。
愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。
古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。
よくある感じのざまぁ物語です。
ふんわり設定。ゆるーくお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる