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第一章 私を陥れたのは誰?
生き残るために
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再起不能レベルに私のハートをズタボロに傷つけたのは美貌の王子。その人が目の前にいて、私を探しにはるばるやって来たと言う。
山の中で一瞬よぎったように、私は彼にずっと心底憧れていて何もかも大好きだったはずだ。彼は私をバッサリ振った。今更……思い出したら辛くなる。
ある意味、最悪の元婚約者との再会だ。
「世界のワインは美味しいです」
そう言って嬉しそうに微笑む魔導師ジーニンを私はぼーっと見つめた。彼は凛々しい顔立ちをしている。頬を珍しく上気させている。皆でお祝いのためにお酒を飲んでいるのだ。魔導師ジーニンとヒューとサミュエルは私の記憶が戻り始めたことと、スキルを発動できるようになった事を祝っているのだ。
そんなバカなと言いたいが、状況としてはそういう状況だ。
3人は涙を浮かべて互いに抱きつかんばかりに祝っていた。私はそんな3人をぼーっと見つめるばかりだ。どこの世界に自分が断罪されて処刑された聖女だと判明して嬉しい人がいるのだろう。
いないと思う。
「つまり、本当だったということね」
私がつぶやくと、3人が一斉に「そう!」「そうです!」「そうでございます!」と目を輝かせて肯定した。
「シャーロットおばさまも、モートン伯爵も全部実在の人物だということね」
私は落ち込んだ。自分が婚約破棄されて断罪されて処刑されたなんて悲しすぎた。
「君を嵌めた犯人を特定するんだ。そして次こそ君は何が何でも生き残るんだ」
ヒューは私の目の前に置かれたワインをグッとあおり、私の目を見つめて言った。私はヒューの隣に座っている魔導師ジーニンの表情を確認した。
――2人とも本気のようだ。
――バイトじゃなくて、そっちかぁ。私がそっち側の人間だったとわね。
ため息が出る。これではまるで私が異世界転生に取り憑かれて逝ってしまわれた方のようだ。ミイラ取りがミイラになったような感じだろうか。
私は全神経を集中させて、私の頭の中の記憶を思い出そうとした。
「他の記憶はまだ全ては戻っていないの。断片的な記憶しかないのよ。だから、実感があまりわかないのよ」
聖女でバリドン公爵家の長女だったというけれど、他の記憶も思い出そうとしてもさっぱり思い出せなかった。私はふーっとため息をついた。
「ダメよ。時々頭に蘇る記憶は確かにあるわ。でも、思い出そうとして思い出せる新たな記憶はないの。前世の記憶を思い出すのに聖女の力は使えないのね」
私は正直に二人に言った。
魔導師ジーニンとヒューは優しく私に微笑んだ。
「ヴァイオレット様は、記憶を取り戻し始めました。しかも、聖女の力も回復傾向にあり、日に日に力は増していらっしゃいますから時間の問題だと思います」
ボロボロのシャツにジーンズの魔導師ジーニンは私に力強くうなずいた。
「そうだ、僕らが君を見つけた時は、君は何の力もなく僕らが話すことを何も覚えていなかった。でも君は少しずつ記憶が蘇ってきている。心配ない。そのうち一気に思い出すよ」
ヒューも私の手を握り、瞳を輝かせて私に熱弁を奮った。ヒューはやはり恋愛詐欺師じゃないのかと、私はこの時も思った。ただ、ヒューの次の言葉を聞いて私の体は固まった。
「だから……君は戻ってやり直せると思う」
――戻るってどこに?やり直す……?
「魔導師と聖女の力を使ってヴァイオレット様を前の人生に戻すことができます。元の人生にお戻りになり、処刑されないようにやり直していただけますか。戻ってヴァイオレット様を陥れた犯人を特定し、逆にその者を処分してください。とにかく、ヴァイオレット様が生き延びることができる運命に変えるのです」
魔導師ジーニンの言葉に、ヒューの隣に座っていたサミュエルも私を見つめてうなずいた。
「ちょっと待って。いきなり前世に戻るのはどうかと思うわ。だってその前世では私は騙されて裏切られて処刑されたんでしょう?そんな人生にもう一度戻りたくない」
――前世に戻りたい理由なんてない。
「これは多くの人の命に関わることなんだ。君が生きていてくれないと困るんだ。ほら、だって今日だって地球を隕石から守っただろう?」
ヒューは私を説得しようとした。
「君は聖女だった。裏切られて処刑されたことに少なからず恨みを持って死んだはずだ。犯人を突き止めて無念を晴らしたいヴァイオレットは前世に戻ることができるんだ」
私はヒューの勢いに押され気味だったけれども、まだ納得していなかった。
「処刑された時、私は18歳だったんでしょう?戻ったところで私一人で犯人を特定できるかしら。たとえばルネ伯爵令嬢が私の親友のふりをして私を陥れていたとしたら、私は彼女に勝てると思う?」
私が聞くと、魔導師と元婚約者の二人は一瞬無言になったが、二人で顔を見合わせてうなずいた。
「君が集めてきた状況証拠を元に考察会を開こう」
――は?
よく分からないことになった。
「スマホのカメラ機能は使えるから」
ヒューは新しいスマホを私に差し出した。
私は目を瞬いた。スマホを持って前世に戻るということだろうか。
「え……ちょっと待って」
「何だか面白そうだから、僕もその犯人探しを手伝うよ」
アパートの下の階に住む大学生の純斗がいきなり会話に入ってきた。アパートの隣の部屋に住むおばあちゃんのところに皆で集まって、祝賀会を開いていたのだ。アパートの他の人たちは隕石撃退を祝うために集まっていて、魔導時ジーニンとヒューとサミュエルは、私の力が戻ったことを祝うために集まっていた。そして、私たちの会話をこの大学生は聞いていたらしい。皆の尽力もあり、アパート周りには、もう報道陣は数えるほどしか残っていない。いつもの落ち着きが訪れようとしていた。
彼は、ただ、好奇心旺盛な気のいい若者なのかもしれない。
「おぉ、純斗君だね。登場人物紹介をするよ」
ヒューは早速iPadで純斗に人物紹介を始めた。
「こちらが普段ヴァイオレットがシャーロットおばさまと呼んでいたゼルニエ侯爵夫人だ。そしてその夫のゼルニエ侯爵、レロックス男爵、その子息のスチュアート、レロックス男爵夫人、モートン伯爵、モートン伯爵夫人、モートン伯爵令嬢のキャサリン、アリス姉妹。そしてバリドン公爵家の執事のハリー、ヴァイオレットの家庭教師のパンティエーヴルさん、ヴァイオレットと一番親しかった侍女のアデル、そしてこちらがヴァイオレットの親友と言われていたルネ伯爵令嬢のマルグリット……」
「この中に犯人がいるから、特定して犯人の動きを封じ込められれば、ヴァイオレットは死なないですむということになるのか。賞金は何にする?」
メガネをかけて知的な雰囲気の大学生純斗は気軽に私に話しかけてきた。部屋の隅から悠斗が興味を持ったように私たちの方を見ている。
「考察会を開こうよ。だってヴァイオレットも君たちも、まだ手がかりを集められていないんだよね?」
彼は謎解きに前向きだった。魔導師ジーニンは大学生の彼をじっと観察していた。私の元婚約者のヒューは藁にでもすがりたいのか、iPadで登場人物のモートン伯爵の画像を開こうとしていた。
「みんなでヴァイオレットが死ぬ運命を回避しよう。犯人を突き止めて、犯人と真剣勝負しよう」
私は呆然としていた。ついさっき自分が公爵令嬢だったと知ったばかりだ。頭が追いつかない。
アパートのベランダには、朝顔があった。悠斗が学校から持って帰ってきておばあちゃんにあげたものだ。青い朝顔の花の隣に白とピンクのペンタスの花が咲いていた。
ペンタスの花言葉は「希望がかなう」だ。
公爵令嬢で聖女でありながら処刑されるという運命を変えることができるのだろうか。私の記憶は多分、本当だと私の心のどこかが教えてくれている。
夜風に揺れる風鈴の音が優しく心に響いた。もしかすると、やり直せたら、あの失恋の激しい痛みを回避できるのだろうか。
どこまでも続く灰色の空と大地を思い出した。辺境の地、レキュール伯爵領だ。ヒューのキスも。しかし、その夜は、ヒューが婚約破棄を言い渡した瞬間のことはどうしても思い出せなかった。
賞金は欲しいモノをもらう、そう純斗が決めている声がしたが、私はよく聞いていなかった。
山の中で一瞬よぎったように、私は彼にずっと心底憧れていて何もかも大好きだったはずだ。彼は私をバッサリ振った。今更……思い出したら辛くなる。
ある意味、最悪の元婚約者との再会だ。
「世界のワインは美味しいです」
そう言って嬉しそうに微笑む魔導師ジーニンを私はぼーっと見つめた。彼は凛々しい顔立ちをしている。頬を珍しく上気させている。皆でお祝いのためにお酒を飲んでいるのだ。魔導師ジーニンとヒューとサミュエルは私の記憶が戻り始めたことと、スキルを発動できるようになった事を祝っているのだ。
そんなバカなと言いたいが、状況としてはそういう状況だ。
3人は涙を浮かべて互いに抱きつかんばかりに祝っていた。私はそんな3人をぼーっと見つめるばかりだ。どこの世界に自分が断罪されて処刑された聖女だと判明して嬉しい人がいるのだろう。
いないと思う。
「つまり、本当だったということね」
私がつぶやくと、3人が一斉に「そう!」「そうです!」「そうでございます!」と目を輝かせて肯定した。
「シャーロットおばさまも、モートン伯爵も全部実在の人物だということね」
私は落ち込んだ。自分が婚約破棄されて断罪されて処刑されたなんて悲しすぎた。
「君を嵌めた犯人を特定するんだ。そして次こそ君は何が何でも生き残るんだ」
ヒューは私の目の前に置かれたワインをグッとあおり、私の目を見つめて言った。私はヒューの隣に座っている魔導師ジーニンの表情を確認した。
――2人とも本気のようだ。
――バイトじゃなくて、そっちかぁ。私がそっち側の人間だったとわね。
ため息が出る。これではまるで私が異世界転生に取り憑かれて逝ってしまわれた方のようだ。ミイラ取りがミイラになったような感じだろうか。
私は全神経を集中させて、私の頭の中の記憶を思い出そうとした。
「他の記憶はまだ全ては戻っていないの。断片的な記憶しかないのよ。だから、実感があまりわかないのよ」
聖女でバリドン公爵家の長女だったというけれど、他の記憶も思い出そうとしてもさっぱり思い出せなかった。私はふーっとため息をついた。
「ダメよ。時々頭に蘇る記憶は確かにあるわ。でも、思い出そうとして思い出せる新たな記憶はないの。前世の記憶を思い出すのに聖女の力は使えないのね」
私は正直に二人に言った。
魔導師ジーニンとヒューは優しく私に微笑んだ。
「ヴァイオレット様は、記憶を取り戻し始めました。しかも、聖女の力も回復傾向にあり、日に日に力は増していらっしゃいますから時間の問題だと思います」
ボロボロのシャツにジーンズの魔導師ジーニンは私に力強くうなずいた。
「そうだ、僕らが君を見つけた時は、君は何の力もなく僕らが話すことを何も覚えていなかった。でも君は少しずつ記憶が蘇ってきている。心配ない。そのうち一気に思い出すよ」
ヒューも私の手を握り、瞳を輝かせて私に熱弁を奮った。ヒューはやはり恋愛詐欺師じゃないのかと、私はこの時も思った。ただ、ヒューの次の言葉を聞いて私の体は固まった。
「だから……君は戻ってやり直せると思う」
――戻るってどこに?やり直す……?
「魔導師と聖女の力を使ってヴァイオレット様を前の人生に戻すことができます。元の人生にお戻りになり、処刑されないようにやり直していただけますか。戻ってヴァイオレット様を陥れた犯人を特定し、逆にその者を処分してください。とにかく、ヴァイオレット様が生き延びることができる運命に変えるのです」
魔導師ジーニンの言葉に、ヒューの隣に座っていたサミュエルも私を見つめてうなずいた。
「ちょっと待って。いきなり前世に戻るのはどうかと思うわ。だってその前世では私は騙されて裏切られて処刑されたんでしょう?そんな人生にもう一度戻りたくない」
――前世に戻りたい理由なんてない。
「これは多くの人の命に関わることなんだ。君が生きていてくれないと困るんだ。ほら、だって今日だって地球を隕石から守っただろう?」
ヒューは私を説得しようとした。
「君は聖女だった。裏切られて処刑されたことに少なからず恨みを持って死んだはずだ。犯人を突き止めて無念を晴らしたいヴァイオレットは前世に戻ることができるんだ」
私はヒューの勢いに押され気味だったけれども、まだ納得していなかった。
「処刑された時、私は18歳だったんでしょう?戻ったところで私一人で犯人を特定できるかしら。たとえばルネ伯爵令嬢が私の親友のふりをして私を陥れていたとしたら、私は彼女に勝てると思う?」
私が聞くと、魔導師と元婚約者の二人は一瞬無言になったが、二人で顔を見合わせてうなずいた。
「君が集めてきた状況証拠を元に考察会を開こう」
――は?
よく分からないことになった。
「スマホのカメラ機能は使えるから」
ヒューは新しいスマホを私に差し出した。
私は目を瞬いた。スマホを持って前世に戻るということだろうか。
「え……ちょっと待って」
「何だか面白そうだから、僕もその犯人探しを手伝うよ」
アパートの下の階に住む大学生の純斗がいきなり会話に入ってきた。アパートの隣の部屋に住むおばあちゃんのところに皆で集まって、祝賀会を開いていたのだ。アパートの他の人たちは隕石撃退を祝うために集まっていて、魔導時ジーニンとヒューとサミュエルは、私の力が戻ったことを祝うために集まっていた。そして、私たちの会話をこの大学生は聞いていたらしい。皆の尽力もあり、アパート周りには、もう報道陣は数えるほどしか残っていない。いつもの落ち着きが訪れようとしていた。
彼は、ただ、好奇心旺盛な気のいい若者なのかもしれない。
「おぉ、純斗君だね。登場人物紹介をするよ」
ヒューは早速iPadで純斗に人物紹介を始めた。
「こちらが普段ヴァイオレットがシャーロットおばさまと呼んでいたゼルニエ侯爵夫人だ。そしてその夫のゼルニエ侯爵、レロックス男爵、その子息のスチュアート、レロックス男爵夫人、モートン伯爵、モートン伯爵夫人、モートン伯爵令嬢のキャサリン、アリス姉妹。そしてバリドン公爵家の執事のハリー、ヴァイオレットの家庭教師のパンティエーヴルさん、ヴァイオレットと一番親しかった侍女のアデル、そしてこちらがヴァイオレットの親友と言われていたルネ伯爵令嬢のマルグリット……」
「この中に犯人がいるから、特定して犯人の動きを封じ込められれば、ヴァイオレットは死なないですむということになるのか。賞金は何にする?」
メガネをかけて知的な雰囲気の大学生純斗は気軽に私に話しかけてきた。部屋の隅から悠斗が興味を持ったように私たちの方を見ている。
「考察会を開こうよ。だってヴァイオレットも君たちも、まだ手がかりを集められていないんだよね?」
彼は謎解きに前向きだった。魔導師ジーニンは大学生の彼をじっと観察していた。私の元婚約者のヒューは藁にでもすがりたいのか、iPadで登場人物のモートン伯爵の画像を開こうとしていた。
「みんなでヴァイオレットが死ぬ運命を回避しよう。犯人を突き止めて、犯人と真剣勝負しよう」
私は呆然としていた。ついさっき自分が公爵令嬢だったと知ったばかりだ。頭が追いつかない。
アパートのベランダには、朝顔があった。悠斗が学校から持って帰ってきておばあちゃんにあげたものだ。青い朝顔の花の隣に白とピンクのペンタスの花が咲いていた。
ペンタスの花言葉は「希望がかなう」だ。
公爵令嬢で聖女でありながら処刑されるという運命を変えることができるのだろうか。私の記憶は多分、本当だと私の心のどこかが教えてくれている。
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