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第6話 尽くす女
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慎介の整形手術に掛かる治療費は彼等にとっては高額だった。或る日、疲れて帰ってきた美子に渡して貰った金を見ながら、無情にも慎介は言った。
「あぁ、こんな金じゃあ、とても足りないな、何とかならないかな、美子」
「だって、これで精一杯なの、あのお店で貰えるお金はこれで……」
「じゃあ、もっと稼げる所あるでしょ、ねえ……お願い」
そう言いながら抱きつく慎介にいつしか美子は溺れていた。男を知らない美子は初めて彼に抱かれて女になった。故に美子にとっては慎介は初めての男になる。
その甘える慎介に美子は成す術も無い。美子は慎介に甘えられると弱く慎介はそんな女心を何故か良く知っていた。美子も田舎から親の反対を振り切って出てきており、今更、金の工面を実家に頼るわけにもいかなかった。
慎介が悩むように、彼の顔は丸くて眼が細く冴えない顔つきだった。美子は彼のそんな顔が好きだったが、慎介が整形したくなる気持ち、それが分からないでもなかった。
「美子の仕事は接客といっても、お客さんとお話をするくらいでしょ」
「そうだけれど……」
「じゃあ、もっと、それ以上に出来ることあるんじゃない」
「ええぇ、どんな?」
「ソープランドがあるでしょ」
「えっ?」
「ソープランドって知らない?」
「うん、聞いたことはあるけれど、でもそんなところいやよ!」
「ふーん、じゃあ僕のことはどうなっても良いの?」
「だってぇ……」
さり気なく慎介は美子の肩を抱き、乳房に触れる。
いつもこの手で慎介は美子を懐柔させていた。
「もお、慎介ったら……」
こうなると美子は完全に理性を失っていく、美子は慎介が生き甲斐だったからだ。
「もう、しかたない慎ちゃんね、負けたわ、一度見学に言ってみるね」
「うん、そうして美子」
その夜、美子は久しぶりに慎介に抱かれた。それからしばらくして美子は劇団を辞め、昼間と夜の仕事をすることにした。彼女が初めて知った男が慎介であり、心から彼が好きで、なんとか大好きな慎介の願いを叶えてあげたいという美子の気持ちは一途だった。
そして美子は慎介が言ったソープランドで働くことになった。そこで彼女が客に身体を売ることになるのにあまり時間は掛からなかった。
その結果としては勿論、収入が増え、金になるからである。美子はそれが本当は嫌だった。勧められるままに客の求めに応じて身体を開くこともあれば、いかがわしいサービスもした。
それでも心の中では(大好きな慎介の為なら)と自分に言い聞かせていた。
はやくお金を貯めて、慎介の為にそれを使って欲しかっただけなのに……。
慎介は始めの頃、好きな劇団で芝居をし、いつか小さな舞台でも良い、与えられた役を演じてみたい、端役でもいい、好きな芝居で自分を表現できるのならと、そんな夢を持っていた。
その為に田舎から出て働きながら一生懸命稽古に励んでいたが、やはり才能の限界を感じていた頃だった。
諦めかけ、夢を捨てようとしていた。その時、美子は慎介に出逢ったのだ。同じ目標に向かう慎介と気が合い、いつからか同棲するようになっていた。
美子の献身ぶりは、まるで糟糠そうこうの妻のようだった。
やっと苦労して溜め込んだ金を慎介に渡したとき、彼女は心から嬉しかった。
これで慎介が喜んでくれる。そう思うだけで美子は幸せだった。
昼となく夜となく働いていた美子の身体は疲れ果てていた。その身体は、慎介以外の多くの男の快楽の為に提供した報酬だったのだが……。
「あぁ、こんな金じゃあ、とても足りないな、何とかならないかな、美子」
「だって、これで精一杯なの、あのお店で貰えるお金はこれで……」
「じゃあ、もっと稼げる所あるでしょ、ねえ……お願い」
そう言いながら抱きつく慎介にいつしか美子は溺れていた。男を知らない美子は初めて彼に抱かれて女になった。故に美子にとっては慎介は初めての男になる。
その甘える慎介に美子は成す術も無い。美子は慎介に甘えられると弱く慎介はそんな女心を何故か良く知っていた。美子も田舎から親の反対を振り切って出てきており、今更、金の工面を実家に頼るわけにもいかなかった。
慎介が悩むように、彼の顔は丸くて眼が細く冴えない顔つきだった。美子は彼のそんな顔が好きだったが、慎介が整形したくなる気持ち、それが分からないでもなかった。
「美子の仕事は接客といっても、お客さんとお話をするくらいでしょ」
「そうだけれど……」
「じゃあ、もっと、それ以上に出来ることあるんじゃない」
「ええぇ、どんな?」
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「えっ?」
「ソープランドって知らない?」
「うん、聞いたことはあるけれど、でもそんなところいやよ!」
「ふーん、じゃあ僕のことはどうなっても良いの?」
「だってぇ……」
さり気なく慎介は美子の肩を抱き、乳房に触れる。
いつもこの手で慎介は美子を懐柔させていた。
「もお、慎介ったら……」
こうなると美子は完全に理性を失っていく、美子は慎介が生き甲斐だったからだ。
「もう、しかたない慎ちゃんね、負けたわ、一度見学に言ってみるね」
「うん、そうして美子」
その夜、美子は久しぶりに慎介に抱かれた。それからしばらくして美子は劇団を辞め、昼間と夜の仕事をすることにした。彼女が初めて知った男が慎介であり、心から彼が好きで、なんとか大好きな慎介の願いを叶えてあげたいという美子の気持ちは一途だった。
そして美子は慎介が言ったソープランドで働くことになった。そこで彼女が客に身体を売ることになるのにあまり時間は掛からなかった。
その結果としては勿論、収入が増え、金になるからである。美子はそれが本当は嫌だった。勧められるままに客の求めに応じて身体を開くこともあれば、いかがわしいサービスもした。
それでも心の中では(大好きな慎介の為なら)と自分に言い聞かせていた。
はやくお金を貯めて、慎介の為にそれを使って欲しかっただけなのに……。
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その為に田舎から出て働きながら一生懸命稽古に励んでいたが、やはり才能の限界を感じていた頃だった。
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やっと苦労して溜め込んだ金を慎介に渡したとき、彼女は心から嬉しかった。
これで慎介が喜んでくれる。そう思うだけで美子は幸せだった。
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