されど御曹司は愛を知る

雪華

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◇最終章 されど御曹司は◇

★世界中で一人だけ③

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 目の前の鏡に映る自分が余りに淫靡で、恥じらいつつも余計に感じてしまう。玲旺が何を見ているか気付いた久我が、腰の動きを速めながら耳朶を食んだ。

「いやらしいな。その顔、凄く興奮する」

 鏡の中で目が合い、久我の切羽詰まった表情に玲旺も更に昂った。久我は玲旺を追い立てるように激しく突き上げながら、前に手を伸ばす。玲旺の膨らんだ竿を握り、緩やかに扱いた。

「ああッ。あ、あっ。挿れながら触るなッ」
「気持ちいいんでしょ? こっちも弄ってあげようか?」

 ピンと勃った乳首を摘ままれ、玲旺は背中を反らす。

「あっ、あっ。や、やだ! 気持よすぎて怖い!」
「ッ……俺も限界」

 久我は玲旺の体を起こし、後ろから抱きすくめた。玲旺は首だけ久我に向け、ねだる様に舌を出す。激しく突かれながら濃厚なキスを繰り返し、遂に絶頂を迎えて玲旺は鏡に向かって白濁の液をぶちまけた。

「あ……アッ。あああ!」

 果ててしまった玲旺の中を、灼熱の杭が容赦なく掻き混ぜ、穿つ。快楽の極みに久我の性器は脈を打ち、精が迸った。

「桐ケ谷……ッ」

 久我の愛を奥で受け止めながら、玲旺は悦びにゾクゾクと体を震わせた。達した久我は熱い息を吐き、優しく玲旺の肩に口づける。

「桐ケ谷の体、少し冷えちゃったな。洗ってやるから、湯に浸かれよ」

 壁に手をついたまま尻から白い粘液を掻き出された玲旺は「これ、ヤダ!」と怒ったように前に向き直った。

「あの日を思い出すから嫌だ。あの時の久我さん、凄く冷たくて事務的で、ほんっとに悲しかったんだぞ」

「あー」と久我は参ったように項垂れる。

「あの時は……だって無にならないと、また勃っちゃうだろ。平常心を保つのに必死だったんだよ。ごめんな」
「今日はキスしながら洗って」

 玲旺は久我の首にぶらさがりながら、片足を体に絡みつける。

「それだと俺が勃って、お前の中に出して、洗ってるうちにまた勃って、俺達永遠に風呂から出られないだろ」
「いいじゃん。俺は久我さんと何回もしたい」
「はぁ……また可愛いことを言う。でも駄目だ。お前に風邪を引かせたら大変だ」

 久我は口づけながら玲旺の後孔に指を入れ、丁寧に掻き出す。重ねた唇の端から、玲旺の甘い声が漏れた。

「ね、一緒に入ろう? とにかく一度体を温めなきゃ」

 久我は先にバスタブに身を沈めると、両手を広げて「おいで」と微笑む。物足りなそうな玲旺は、渋々その腕の中に納まった。

「今まで会えなかった分を埋めてもらいたいのに」
「風呂から出たら、またいっぱい抱いてあげるから」

 久我は玲旺の髪を撫で、あやすように頬に唇を寄せる。
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