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~ 第一章 売られた喧嘩 ~
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赤く突き出た乳首を口に含まれ、さらに陰茎を握り込まれる。
「ああッ」
望んでいた刺激を受けて快感の波に飲まれそうになった瞬間、久我は玲旺の張り詰めた肉棒から手を離した。もう少しで達せそうだった玲旺は、戸惑いながら久我を見る。
「なんで? イかせてよ」
「駄目だよ。名前を呼ぶまではイかせてあげない。それとも自分でする?」
「そ、それは」
口ごもった玲旺は、首を小刻みに振った。久我は余裕ありげな表情でローションのボトルを手に取り、玲旺の体へ垂らしていく。粘度のある液体を掬い上げ、大きな手が玲旺の後ろの窄まりに触れた。卑猥な水音と触れられた刺激で、期待と興奮が高まる。
「ここに入れて欲しい?」
コクコクうなずくと、久我の節くれだった太い指が一本侵入してきた。玲旺の口から声にならない掠れた息が漏れる。
でも、まだ足りない。
「……久我さん、お願い。挿れて」
「じゃあ要って呼んでごらん。ほら、どうしたの? 言えない?」
「あ、あぁ。やッ、待って」
いきなり二本に増やされた指が、玲旺の中を無遠慮にかき混ぜる。急に与えられた強い刺激に、玲旺はたまらず喘いだ。
「あぁっ。イキそ……」
「駄目」
絶頂の寸前で指を引き抜かれ、玲旺は腰をガクガクさせながら目に涙を溜めた。
「ホント、もう無理だからぁっ」
「簡単だろ、名前を呼ぶくらい。何でそんなに意地になってんだよ」
「だって……でも、ごめん。今はまだ、呼びたくない」
頑なな玲旺を見て、久我が前髪をぐしゃっと掻いた。諦めたように大きく息を吐き、それから玲旺の首筋に顔を埋める。
「俺ももう限界。今日のところは、玲旺の勝ちだよ」
言いながら、自身の怒張したモノを玲旺の中に勢いよく沈めた。
「んんんっ」
奥を突かれた途端、玲旺はいとも容易く吐精した。シーツを握り締め、待ち望んでいた快楽を貪る。しかし余韻に浸る間などなく、久我はさらに激しく腰を打ち付けてきた。
「アッ。まっ、待って! 今イッたからっ」
「あれだけ焦らしたからかな。玲旺のナカ、凄く蕩けてるよ。俺もすぐ出ちゃいそう」
「やっ……ああッ!」
達したばかりだというのにあっという間に昇りつめ、玲旺は射精もないまま絶頂してしまう。それに引きずられるように、久我も玲旺の中で熱く果てた。
「玲旺……」
放心する玲旺を抱きしめながら、久我が愛おしそうに何度も口づける。乱れた呼吸が落ち着くまで、玲旺の髪を飽きずに撫でた。
「明日は店舗勤務だったよな。これ以上したら体に障るから、今日はこれでお終いにしとこうか」
久我の優しさに触れ、自分がどれだけ大切に想われているのかを実感する。トロンとした目で久我を見つめ、玲旺の濡れた唇は弧を描いた。
「もうお終いなんて嫌だ。まだまだくっついてたいよ。ね。もっとシて?」
玲旺は甘えた声を出しながら、絡みつくように背中に腕を回す。腹に当たっていた久我の陰茎が、再び硬さを取り戻しひくっと震えた。久我は手のひらで玲旺の全身をまさぐりながら、熱い息を吐く。
「そんなおねだり、どこで覚えたの? 可愛過ぎる玲旺が悪いんだよ。今日、寝れなくても知らないからね」
唇を重ね、互いに貪り合い息を吸うことも忘れてしまう。
――名前、まだ呼べなくてごめんね。
そんな気持ちを込めて体を繋げたが、久我に伝わったかどうかは解らない。
結局、部屋の電気を付ける事は無いまま、朝を迎えた。
「ああッ」
望んでいた刺激を受けて快感の波に飲まれそうになった瞬間、久我は玲旺の張り詰めた肉棒から手を離した。もう少しで達せそうだった玲旺は、戸惑いながら久我を見る。
「なんで? イかせてよ」
「駄目だよ。名前を呼ぶまではイかせてあげない。それとも自分でする?」
「そ、それは」
口ごもった玲旺は、首を小刻みに振った。久我は余裕ありげな表情でローションのボトルを手に取り、玲旺の体へ垂らしていく。粘度のある液体を掬い上げ、大きな手が玲旺の後ろの窄まりに触れた。卑猥な水音と触れられた刺激で、期待と興奮が高まる。
「ここに入れて欲しい?」
コクコクうなずくと、久我の節くれだった太い指が一本侵入してきた。玲旺の口から声にならない掠れた息が漏れる。
でも、まだ足りない。
「……久我さん、お願い。挿れて」
「じゃあ要って呼んでごらん。ほら、どうしたの? 言えない?」
「あ、あぁ。やッ、待って」
いきなり二本に増やされた指が、玲旺の中を無遠慮にかき混ぜる。急に与えられた強い刺激に、玲旺はたまらず喘いだ。
「あぁっ。イキそ……」
「駄目」
絶頂の寸前で指を引き抜かれ、玲旺は腰をガクガクさせながら目に涙を溜めた。
「ホント、もう無理だからぁっ」
「簡単だろ、名前を呼ぶくらい。何でそんなに意地になってんだよ」
「だって……でも、ごめん。今はまだ、呼びたくない」
頑なな玲旺を見て、久我が前髪をぐしゃっと掻いた。諦めたように大きく息を吐き、それから玲旺の首筋に顔を埋める。
「俺ももう限界。今日のところは、玲旺の勝ちだよ」
言いながら、自身の怒張したモノを玲旺の中に勢いよく沈めた。
「んんんっ」
奥を突かれた途端、玲旺はいとも容易く吐精した。シーツを握り締め、待ち望んでいた快楽を貪る。しかし余韻に浸る間などなく、久我はさらに激しく腰を打ち付けてきた。
「アッ。まっ、待って! 今イッたからっ」
「あれだけ焦らしたからかな。玲旺のナカ、凄く蕩けてるよ。俺もすぐ出ちゃいそう」
「やっ……ああッ!」
達したばかりだというのにあっという間に昇りつめ、玲旺は射精もないまま絶頂してしまう。それに引きずられるように、久我も玲旺の中で熱く果てた。
「玲旺……」
放心する玲旺を抱きしめながら、久我が愛おしそうに何度も口づける。乱れた呼吸が落ち着くまで、玲旺の髪を飽きずに撫でた。
「明日は店舗勤務だったよな。これ以上したら体に障るから、今日はこれでお終いにしとこうか」
久我の優しさに触れ、自分がどれだけ大切に想われているのかを実感する。トロンとした目で久我を見つめ、玲旺の濡れた唇は弧を描いた。
「もうお終いなんて嫌だ。まだまだくっついてたいよ。ね。もっとシて?」
玲旺は甘えた声を出しながら、絡みつくように背中に腕を回す。腹に当たっていた久我の陰茎が、再び硬さを取り戻しひくっと震えた。久我は手のひらで玲旺の全身をまさぐりながら、熱い息を吐く。
「そんなおねだり、どこで覚えたの? 可愛過ぎる玲旺が悪いんだよ。今日、寝れなくても知らないからね」
唇を重ね、互いに貪り合い息を吸うことも忘れてしまう。
――名前、まだ呼べなくてごめんね。
そんな気持ちを込めて体を繋げたが、久我に伝わったかどうかは解らない。
結局、部屋の電気を付ける事は無いまま、朝を迎えた。
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