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身の危険②
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「おい、どこ行った!」
「こ、ここー…。」
「声出し続けろー!辛くなったら2、5、2の合図出せー。」
「に…、に、ごー、にぃ!」
「いや声出せない時に何か叩いたりしてくれれば…、いや待て叩くな!余計崩れる!」
「どっちでもいいから…!た、助けてー!」
「分かったから、何でもいいから話続けろー!」
文字通り、声のする方へ物をかき分けながら新島さんの姿を探す。どうやら複数の山が崩れてしまったようで、箱詰めになった何がしかのおまけやら古い雑誌やら、大量にぶちまけられた物たちで床が埋め尽くされている。
「雑多に寄せすぎだろ!何の統一性もない…!」
「ぐるじぃ…。」
「とにかく頭の周りを保護して、無理に動くなよ!」
「うぅ、助けてー…!」
「待ってろ…、くっそ…!いた!おらぁ!」
フィギュアの箱をかき分けた時、新島さんの手が見えた。それを見逃さず、思いっきり引きずり出す。大量のぬいぐるみとともにもみくちゃにされた新島さんが雪崩れてきた。
「ぶへぇ!…助かったぁ。」
「…どうなってんだこれ。はぁ…。怪我無いか?痛いところとか。」
「だ、大丈夫…。」
「ちょっとちょっと、大丈夫!?どうしたの?いったい何が!?」
「どうしたのはこっちだバカ!どうやったらこんなに物詰め込めるんだよ!」
「あ!このフィギュア探してたんだ!もう二度と会えないと思ってた、奇跡!」
「話を聞け!」
「何?天才的な頭脳から導き出せる驚きの収納術について?」
「天才的な頭脳なら断捨離術を導き出せよ!」
「あ、こっちに探してたやつあった!このぬいぐるみUFOキャッチャー限定の奴なんだよ、いいでしょー?」
「…。」
「あー!こっちは揃えきれなかったと思ってたシリーズの最後のグッズ!コンプリートしてたんだ、さっすが僕!!」
やっと脱出できた新島さんは、ぐったりと俺にもたれかかったままだ。こんな状況でも、ナインはいつもの調子で無くしていたと思っていたものが発見できたと喜んでいる。ふざけんな、こっちの迷惑も考えろ!新島さんが危なかったただろうが!周りを見ろ周りを!
「ナイン!ゴミ袋持ってこい!!」
「えぇ~!?」
俺たちを存在を忘れたようにはしゃぎ始めたナインに、ふつふつと怒りがこみ上げる。前々から片づけるように言っていたっていうのに、この様子ではそれを実行するつもりすらなさそうだな…!こうなったら…!
「ここにあるもん全部俺が片づけてやる!!」
「えー!やめてよぉ!健人の片づけって片っ端から捨てる方法じゃないか!」
「だから自分でやるように言ってたんだろうが!できないってんだったら俺がやってやるよ…!」
「嫌ぁ~!!助けて新島さん!」
「…え?えぇー…まぁ、ナイン君の物ですし、本人がこのままでいいって言うんだったら、そこまで…。」
「アンタ今まさに埋まって危ない目にあってただろ!ナインも現状しっかり見ろ!」
「「うぅ…。」」
「わ、悪かったよ。でも、これから気を付けるし…。」
「私も何ともないですし…。」
「俺は、今!危ないから!どうにかしたいんだよ!」
「うぅ~!」
「ぐ、郡司さん、ほどほどにしましょうよ。私たち、片づけをするためにここに来たわけじゃないですし!」
「…まぁ。」
「ね、ナイン君も本当に必要なものかどうか見てみようよ。このあたりをスッキリさせるだけでもさ!私も手伝うし!」
「に、新島さん…!」
新島さんの指摘はもっともだ。…何より一番危険な目にあった人間にそう言われると、これ以上強くは言えなくなってしまう。新島さんの救いの手とも言える一言に、感極まって涙でも流しそうなナインにため息が禁じ得ないが、とりあえず、俺たちがこの中を安全に行き来できるだけの片づけで勘弁してやるか。今回はな。
「こ、ここー…。」
「声出し続けろー!辛くなったら2、5、2の合図出せー。」
「に…、に、ごー、にぃ!」
「いや声出せない時に何か叩いたりしてくれれば…、いや待て叩くな!余計崩れる!」
「どっちでもいいから…!た、助けてー!」
「分かったから、何でもいいから話続けろー!」
文字通り、声のする方へ物をかき分けながら新島さんの姿を探す。どうやら複数の山が崩れてしまったようで、箱詰めになった何がしかのおまけやら古い雑誌やら、大量にぶちまけられた物たちで床が埋め尽くされている。
「雑多に寄せすぎだろ!何の統一性もない…!」
「ぐるじぃ…。」
「とにかく頭の周りを保護して、無理に動くなよ!」
「うぅ、助けてー…!」
「待ってろ…、くっそ…!いた!おらぁ!」
フィギュアの箱をかき分けた時、新島さんの手が見えた。それを見逃さず、思いっきり引きずり出す。大量のぬいぐるみとともにもみくちゃにされた新島さんが雪崩れてきた。
「ぶへぇ!…助かったぁ。」
「…どうなってんだこれ。はぁ…。怪我無いか?痛いところとか。」
「だ、大丈夫…。」
「ちょっとちょっと、大丈夫!?どうしたの?いったい何が!?」
「どうしたのはこっちだバカ!どうやったらこんなに物詰め込めるんだよ!」
「あ!このフィギュア探してたんだ!もう二度と会えないと思ってた、奇跡!」
「話を聞け!」
「何?天才的な頭脳から導き出せる驚きの収納術について?」
「天才的な頭脳なら断捨離術を導き出せよ!」
「あ、こっちに探してたやつあった!このぬいぐるみUFOキャッチャー限定の奴なんだよ、いいでしょー?」
「…。」
「あー!こっちは揃えきれなかったと思ってたシリーズの最後のグッズ!コンプリートしてたんだ、さっすが僕!!」
やっと脱出できた新島さんは、ぐったりと俺にもたれかかったままだ。こんな状況でも、ナインはいつもの調子で無くしていたと思っていたものが発見できたと喜んでいる。ふざけんな、こっちの迷惑も考えろ!新島さんが危なかったただろうが!周りを見ろ周りを!
「ナイン!ゴミ袋持ってこい!!」
「えぇ~!?」
俺たちを存在を忘れたようにはしゃぎ始めたナインに、ふつふつと怒りがこみ上げる。前々から片づけるように言っていたっていうのに、この様子ではそれを実行するつもりすらなさそうだな…!こうなったら…!
「ここにあるもん全部俺が片づけてやる!!」
「えー!やめてよぉ!健人の片づけって片っ端から捨てる方法じゃないか!」
「だから自分でやるように言ってたんだろうが!できないってんだったら俺がやってやるよ…!」
「嫌ぁ~!!助けて新島さん!」
「…え?えぇー…まぁ、ナイン君の物ですし、本人がこのままでいいって言うんだったら、そこまで…。」
「アンタ今まさに埋まって危ない目にあってただろ!ナインも現状しっかり見ろ!」
「「うぅ…。」」
「わ、悪かったよ。でも、これから気を付けるし…。」
「私も何ともないですし…。」
「俺は、今!危ないから!どうにかしたいんだよ!」
「うぅ~!」
「ぐ、郡司さん、ほどほどにしましょうよ。私たち、片づけをするためにここに来たわけじゃないですし!」
「…まぁ。」
「ね、ナイン君も本当に必要なものかどうか見てみようよ。このあたりをスッキリさせるだけでもさ!私も手伝うし!」
「に、新島さん…!」
新島さんの指摘はもっともだ。…何より一番危険な目にあった人間にそう言われると、これ以上強くは言えなくなってしまう。新島さんの救いの手とも言える一言に、感極まって涙でも流しそうなナインにため息が禁じ得ないが、とりあえず、俺たちがこの中を安全に行き来できるだけの片づけで勘弁してやるか。今回はな。
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