28歳、曲がり角

ふくまめ

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日本人には辛いです

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胃カメラ検査(仮)から数日。食事の際は遠い目をしながら飲み込むような日々を送っていた。
てか胃カメラ検査(仮)の(仮)の部分っていつ取れるん?

「…あ、お疲れー。最近体調どう?」
「お疲れ様ですー。体調は…うーん。」
「どした?何かあった?」
「何かあったと言いますか…。」

職場での給食を食べて食器を下げに戻ってくると、ちょうど来ていたお姉さま方に最近の体調を聞かれる。この方々は検査のために病院に通っているのを知っているので、時たま心配して声をかけてくれるのだ。ありがたや。

「自分の体調としては何も変化はいないんですが…。この間、心臓をもっとしっかり見るためにカメラを飲みまして。」
「え!?そんなことするの?…あれ、この前エコー検査の話してなかったっけ?」
「あぁ、それもやってもらったんですけど、それでよく見えなかった部分を調べたいとのことで。こう…内側から、と言いますか…。」
「へー、そんなこともあるんだね。」
「それで?胃カメラなんてやったことないでしょ?あれ辛いよねー。」
「いやもう…苦しくって苦しくって…!想像してたのよりカメラのチューブが太くてビビりましたよ。鼻からでも検査できるっていう技術進歩はどこに!?って感じでした。」
「確かにな!」
「あれ結構衝撃的だよなー。これが喉通ります!?って感じの見た目。」
「それで検査して、喉少し擦れて出血しちゃったみたいで。」
「あららら、大丈夫?」
「あらー…喉細そうだもんな。」

喉が細そうとは。

「特に吐血するみたいなことは全くないんですけど、やっぱり物飲み込むとき。ゔぅっ…ってなりますねー。今も死んだ目をしながら無心で飲みこんでましたよ。」
「あらまー。」
「大変だな…。その検査って、どのくらい時間かかるもんなの?」
「検査中ほとんど麻酔で寝てたんで…。だいたい30分とか?だと思いますけど。」
「へー…まず何ともないといいね。」
「本当に。それだけだな。」
「そうですねー。」

胃カメラが何たるかを知っているお姉さま方は、大変だったな、頑張ったなと労ってくれる。優しさがありがてぇ…!
今回の検査で分かったことは、米粒の吸着力だと言ったら大爆笑された。
今日の給食は生姜焼き。正直お肉は油があるせいか、意外にも飲み込むことは苦にならない。ならないのだが…。
何をおいても米粒を飲み込むことが非常に辛い…!
主食を食べるのが一番辛いとか、何故こんな仕打ちを受けねばならぬのじゃ…!
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