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病院のシーフードカレー
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このあたりで閑話休題といこう。
ここ数日、今までにないような頻度で病院に通うことになってしまっているので、病院の食堂でお昼を食べてから出勤することが多くなった。実は子供の頃、本当に小さいころだが、体が弱くて通院していた時期がある。その時と通っている病院は違うが、その時に食べたうどんを思い出す。軟らかく煮られた麺に温かい汁が検査や治療で疲れたお腹に染みるのだ、これが。
それはそれとして、今日はシーフードカレーを頼むが。
(この前は普通のカレー頼んだからなぁ。今日はシーフードにしよー。)
カレーが嫌いだという人間が、この世の中にいるのだろうか。そんな人間は存在しない、私はそう思っている。異論は認めよう。
カレーが、というか含まれている野菜や肉が苦手、という人は好まないかもしれない。具材の準備に少々手間取るが、その具材を煮込んで溶け出した栄養も余すところなくいただけてしまう、究極の料理。それがカレー。シチューもそうだろう。野菜スープもそうかな。…意外と究極の料理あるな。とにかくインドの方々に感謝。
とどのつまり、私はカレーが好きなのである。好きな食べ物ランキング第二位に君臨している料理だ。ちなみに第一位はそば。
「シーフードカレーのお客様ー。」
「はーい。ありがとうございます。」
セルフサービスの水も用意して、おしぼりで手を拭いて準備万端。では。
「いただきます。」
結論から言おう。結構辛い。
(あれ?これ…辛いな…?待て結構辛いぞ!?病院という幅広い年齢層の男女が出入りするこの環境で、スパイシーカレーと銘打っているのであればいざ知らず、シーフードカレーという名で登場するには少々刺激的なのでは?)
カレーが辛いのは当然でしょうとお思いのそこのあなた、我が家では甘口のルゥが必須なのである。理由はお分かりだろうが、私はそこまで辛い物に耐性があるわけではないのだ。我が家はあまり辛い物が得意でない人間が多く、昔からカレーは甘口なのだ。それでもカレーは好きだ。甘口カレー、いいでしょうに。何が言いたいのかというと、汗を滲ませながらカレーを口に運んでいる私は何も悪くはないということだ。
「…ごちそうさまでした…っ!」
完食。完璧である。想定よりも時間がかかってあわよくば食後にパフェでも追加注文でもしながらゆっくりしようと思っていた時間は無くなってしまったが、十分仕事に間に合う時間。うん、大丈夫。仕上げとばかりにコップに残っていた水を一気に流し込み、カウンターに食器を下げる。職員の方にごちそうさまでしたと小声で添えるのも忘れない。
春になったばかりの季節、日差しは暖かいがまだ風は冷たい。カレーで火照った体にはむしろ気持ちいい。清々しさすら感じる気持ちで職場へと向かう。途中隣の部署のお姉さんが車で出勤するところに出くわし、職場まで乗せてくれるという。なんてありがたい。お優しい…。
「職場まであと少しですし、そのまま行ってくださって良かったですのに…。わざわざありがとうございますー。」
「いやいや何言ってんの!まだ寒いしさー、一人で歩いてるとこ見たらほっとけないよ!病院行ってるって聞いたけど、大丈夫?」
「体感としては健康なんですけどねー。お騒がせしております。正直検査の結果がまだで何とも言えないんですけど…。あ、でも今日分かったこともあります。」
「え、どうだったの?」
「病院のシーフードカレーはけっこう辛いですね。」
「なんて?」
ここ数日、今までにないような頻度で病院に通うことになってしまっているので、病院の食堂でお昼を食べてから出勤することが多くなった。実は子供の頃、本当に小さいころだが、体が弱くて通院していた時期がある。その時と通っている病院は違うが、その時に食べたうどんを思い出す。軟らかく煮られた麺に温かい汁が検査や治療で疲れたお腹に染みるのだ、これが。
それはそれとして、今日はシーフードカレーを頼むが。
(この前は普通のカレー頼んだからなぁ。今日はシーフードにしよー。)
カレーが嫌いだという人間が、この世の中にいるのだろうか。そんな人間は存在しない、私はそう思っている。異論は認めよう。
カレーが、というか含まれている野菜や肉が苦手、という人は好まないかもしれない。具材の準備に少々手間取るが、その具材を煮込んで溶け出した栄養も余すところなくいただけてしまう、究極の料理。それがカレー。シチューもそうだろう。野菜スープもそうかな。…意外と究極の料理あるな。とにかくインドの方々に感謝。
とどのつまり、私はカレーが好きなのである。好きな食べ物ランキング第二位に君臨している料理だ。ちなみに第一位はそば。
「シーフードカレーのお客様ー。」
「はーい。ありがとうございます。」
セルフサービスの水も用意して、おしぼりで手を拭いて準備万端。では。
「いただきます。」
結論から言おう。結構辛い。
(あれ?これ…辛いな…?待て結構辛いぞ!?病院という幅広い年齢層の男女が出入りするこの環境で、スパイシーカレーと銘打っているのであればいざ知らず、シーフードカレーという名で登場するには少々刺激的なのでは?)
カレーが辛いのは当然でしょうとお思いのそこのあなた、我が家では甘口のルゥが必須なのである。理由はお分かりだろうが、私はそこまで辛い物に耐性があるわけではないのだ。我が家はあまり辛い物が得意でない人間が多く、昔からカレーは甘口なのだ。それでもカレーは好きだ。甘口カレー、いいでしょうに。何が言いたいのかというと、汗を滲ませながらカレーを口に運んでいる私は何も悪くはないということだ。
「…ごちそうさまでした…っ!」
完食。完璧である。想定よりも時間がかかってあわよくば食後にパフェでも追加注文でもしながらゆっくりしようと思っていた時間は無くなってしまったが、十分仕事に間に合う時間。うん、大丈夫。仕上げとばかりにコップに残っていた水を一気に流し込み、カウンターに食器を下げる。職員の方にごちそうさまでしたと小声で添えるのも忘れない。
春になったばかりの季節、日差しは暖かいがまだ風は冷たい。カレーで火照った体にはむしろ気持ちいい。清々しさすら感じる気持ちで職場へと向かう。途中隣の部署のお姉さんが車で出勤するところに出くわし、職場まで乗せてくれるという。なんてありがたい。お優しい…。
「職場まであと少しですし、そのまま行ってくださって良かったですのに…。わざわざありがとうございますー。」
「いやいや何言ってんの!まだ寒いしさー、一人で歩いてるとこ見たらほっとけないよ!病院行ってるって聞いたけど、大丈夫?」
「体感としては健康なんですけどねー。お騒がせしております。正直検査の結果がまだで何とも言えないんですけど…。あ、でも今日分かったこともあります。」
「え、どうだったの?」
「病院のシーフードカレーはけっこう辛いですね。」
「なんて?」
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