某勇者パーティに最も大事にするべき仲間について語ってみた件

ふくまめ

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会議は踊る?

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例の依頼書は無事にお城へと持ち込むことができた。
しかし、問題はそこからだった。
国からしてみても、この国の物流の要所となるこの道の安全確保は、
優先すべき内容であることは疑いようもないことだということなのだけど…。
あまりにも対応すべき箇所が広大だったのだ。
兵士の派遣だけでは必要な人材を賄うことが難しいと、ストップがかかってしまっている。
どうしたものか…。

「こんにちは。その後何か動きはありましたか?」
「アルバート様…。いえ、今のところ何も。」
「そうですか…。」

お城への依頼が滞り始めたころ、自分にも何かできることを探すと一時自領へと戻られていたのだ。
せっかく来ていただいたけれど、何もいい報告ができない状況だわ。

「アルバート様の方は、何か?」
「こちらも芳しくありませんね。今回該当する地域は私どもの領地と少し離れていますので…。
 父上に協力を訴えてはみましたが、どうにも腰が重い状態です。」

申し訳ありませんと頭を下げようとするアルバート様を慌てて止める。
この状況はアルバート様が悪いわけではない。
国だって、むやみに兵士を派遣すれば国の防御が薄くなることを懸念しているのだ。
一領主が、自分の土地から遠い場所にわざわざ兵を派遣するなんて、かなりのメリットがないとできない判断よね。
でも何だかんだ話し合いの場を持ってくれているのね。
少なくとも、この件に関してどうにかしたいと皆が思っていると信じたい。

「カイル兄様の話では、該当地域を分割して複数回に分けて対応したらどうかとの案が挙がっているそうです。」
「…それだと1回ごとに派遣する兵士の人数を減らすことができる、という考えなんですね。」
「えぇ。しかし、今度はどこから手を付けるかという部分が揉め始めているとも…。
 なかなか進まないと頭を悩ませているようでした。」

それもまた1つの手段。
でも、私たちが連名でお城に持ち込んだのは、部分的に対応しても解決が難しくなる可能性があるからだ。
せめて被害がどういったものか調査できれば違うのかもしれないけど…。
そういった専門家も少ないわよね。
確実な情報だってそう。私たちは魔獣に対して無知だわ。

「…人数がいれば、どうにかなるのでしょうか?」
「まずは、そうですね。とはいえ、魔獣退治は烏合の衆ではどうにもなりません。
 下手をすれば、いたずらに被害者を増やすことにもなりかねません。
 最低限武器の扱いができて、…命の危険を理解できている者がいいでしょうね。」
「適当にかき集めても、お話になりませんしね…。」

かつて街の外に出ただけで命の危機を感じたことのある私にとってみれば、
一般市民が魔獣と対峙した瞬間に動けなくなることは想像に易い。
あの時は、ウィルとレイが助けてくれたのよね…。

「…アルバート様。私に考えがあるのですが、協力いただけませんでしょうか。」
「…私にできることであれば。」
「兵士の数が足りないのであれば…。」

この国の各地にいる冒険者たちの力を集めるしかない。
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