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「…カイル様、いったい何がどうなってそのような考えに?」
「どうも何も、あなたの言うことを真剣に考えた結果ですよ、宰相殿。」
「どういうことかの?」
「父上、宰相殿はこの国の未来を憂いている。そのせいで彼らに疑いをかけることになったのです。
しかし、そもそもの原因は私たちにある。そうは思いませんか?」
「…何が言いたいのだ?」
「国家転覆を企てる人間がいるのではないか、そう心配させてしまうほど国民の支持が低いのです。
我々王家の不甲斐なさの表れだとは思いませんか?」
…一体何がどうなっているのかしら。
私たちにかけられた疑いは晴れたのよね?じゃあ私たち用事済んでるんじゃない?帰っていいわよね?
…本当に帰りたい。
「少なくとも、私たちの対応が十分であったなら彼らはこのような活動をする必要はなかったのでは?
城に行って話を聞いてもらえば解決してくれる、それなら彼らに頼らずとも良かったはずです。」
「…確かに…?」
「つまり、国に頼らずに彼らを頼り、国民同士で支え合うことで乗り切るしかない状況に追いやられている!
…しかしそれが一概に悪いことではないと、私は思っています。
すでに国民がそのように頑張っていこうと動いているというなら、
国としてはそれをわざわざ阻止する必要はないでしょう。むしろ円滑にするように働きかけるべきかと。」
「それで、外部に委託する、と?」
「えぇ。正直に申し上げれば、国には全国民に対応するだけの力はありません。
国民同士で助け合うというのであれば、それに頼らざるを得ない状況です。」
「ううむ…。」
「すでに国民から寄せられる苦情への対応は形骸化しています。
聞くだけ聞いて何の対応もしない相談所に、何の意味がありましょうか。」
確かに国民1つ1つの苦情に対応するだけの余裕は、現実的に考えてないわよね。
魔獣がいなくならない限り、どの国もそこへの対応で手一杯。
国の対応が悪いというより、そうならざるを得ない状況、ということも分かるわ。
「国民の中からこのように動き出す者たちが現れた以上、我々が相談対応にしがみつく必要はないと思いますが。」
「しかしですな…。国が国民の訴えを吸い上げる部署を持たないというのは、いかがなものでしょう。」
「ですから『委託』なのです。
単に我々の部署を取り潰すのではなく、外部機関へ委託してそこから情報を吸い上げればよいのです。
もちろん、その外部機関へは不正がないように目を光らせます。手放しで活動させるわけでもありません。
いかがですか?」
「…。」
いかがですかって、私たちへの確認はないのかしら?断る権利はありますよね?
というか本当に一旦持ち帰らせていただきのですが!
「カイルよ。おぬしの言い分は分かった。しかし、別に現状のままでよいのはないか?
彼らに一部委託するにしても、我々はそのまま部署を残していても…。」
「父上、現状を正しくご理解ください。現状、人員が、不足、しているのです。
現状維持では手遅れになりかねません。そんなだから母上にも怒られるのですよ。」
「そ、その話は秘密にしておくはずじゃろ!」
「おやそうでしたかね?父上、最近物忘れがあると言っておりましたし、そのせいでは?」
「いやそんなわけないじゃろ!ていうかこの場合物忘れがあるってごまかすのはそっちじゃろ!
何でわしのせいになるんじゃ…、こじつけ方雑…。」
はて?という顔で首をかしげるカイル王子とうなだれる王様。その2人を見て深いため息をつく宰相。
私たちは何を見せられているのかしら…?
宰相、あなたって苦労人だったのね。嫌味な奴って思ってごめんなさい。
「…お2人とも、いい加減になさってください。それで結局どうなさるので?
外部委託の件、そしてそれを彼らに任せるのか。しっかり詰めていただかないと困ります。」
「うむ、しかし…。どう判断したらよいものか。具体的な部分について考えられんことには…。」
「具体的な方策として考えている部分はあります。少々長くなりますが。」
「ではそれを聞こう。…日を改めてな。」
お、これは解散の流れかしら?やっと帰れる…。
ここまで何か発言する隙もなく、ただ聞いているだけだったし疲れたし…。
「では時間が取れ次第詳細を話し合うことにしましょう。
便利屋の皆さん、それまで城におられたらどうです?また呼びに行くのは面倒ですし。」
「面倒でも何でも、いい加減帰してください!」
「どうも何も、あなたの言うことを真剣に考えた結果ですよ、宰相殿。」
「どういうことかの?」
「父上、宰相殿はこの国の未来を憂いている。そのせいで彼らに疑いをかけることになったのです。
しかし、そもそもの原因は私たちにある。そうは思いませんか?」
「…何が言いたいのだ?」
「国家転覆を企てる人間がいるのではないか、そう心配させてしまうほど国民の支持が低いのです。
我々王家の不甲斐なさの表れだとは思いませんか?」
…一体何がどうなっているのかしら。
私たちにかけられた疑いは晴れたのよね?じゃあ私たち用事済んでるんじゃない?帰っていいわよね?
…本当に帰りたい。
「少なくとも、私たちの対応が十分であったなら彼らはこのような活動をする必要はなかったのでは?
城に行って話を聞いてもらえば解決してくれる、それなら彼らに頼らずとも良かったはずです。」
「…確かに…?」
「つまり、国に頼らずに彼らを頼り、国民同士で支え合うことで乗り切るしかない状況に追いやられている!
…しかしそれが一概に悪いことではないと、私は思っています。
すでに国民がそのように頑張っていこうと動いているというなら、
国としてはそれをわざわざ阻止する必要はないでしょう。むしろ円滑にするように働きかけるべきかと。」
「それで、外部に委託する、と?」
「えぇ。正直に申し上げれば、国には全国民に対応するだけの力はありません。
国民同士で助け合うというのであれば、それに頼らざるを得ない状況です。」
「ううむ…。」
「すでに国民から寄せられる苦情への対応は形骸化しています。
聞くだけ聞いて何の対応もしない相談所に、何の意味がありましょうか。」
確かに国民1つ1つの苦情に対応するだけの余裕は、現実的に考えてないわよね。
魔獣がいなくならない限り、どの国もそこへの対応で手一杯。
国の対応が悪いというより、そうならざるを得ない状況、ということも分かるわ。
「国民の中からこのように動き出す者たちが現れた以上、我々が相談対応にしがみつく必要はないと思いますが。」
「しかしですな…。国が国民の訴えを吸い上げる部署を持たないというのは、いかがなものでしょう。」
「ですから『委託』なのです。
単に我々の部署を取り潰すのではなく、外部機関へ委託してそこから情報を吸い上げればよいのです。
もちろん、その外部機関へは不正がないように目を光らせます。手放しで活動させるわけでもありません。
いかがですか?」
「…。」
いかがですかって、私たちへの確認はないのかしら?断る権利はありますよね?
というか本当に一旦持ち帰らせていただきのですが!
「カイルよ。おぬしの言い分は分かった。しかし、別に現状のままでよいのはないか?
彼らに一部委託するにしても、我々はそのまま部署を残していても…。」
「父上、現状を正しくご理解ください。現状、人員が、不足、しているのです。
現状維持では手遅れになりかねません。そんなだから母上にも怒られるのですよ。」
「そ、その話は秘密にしておくはずじゃろ!」
「おやそうでしたかね?父上、最近物忘れがあると言っておりましたし、そのせいでは?」
「いやそんなわけないじゃろ!ていうかこの場合物忘れがあるってごまかすのはそっちじゃろ!
何でわしのせいになるんじゃ…、こじつけ方雑…。」
はて?という顔で首をかしげるカイル王子とうなだれる王様。その2人を見て深いため息をつく宰相。
私たちは何を見せられているのかしら…?
宰相、あなたって苦労人だったのね。嫌味な奴って思ってごめんなさい。
「…お2人とも、いい加減になさってください。それで結局どうなさるので?
外部委託の件、そしてそれを彼らに任せるのか。しっかり詰めていただかないと困ります。」
「うむ、しかし…。どう判断したらよいものか。具体的な部分について考えられんことには…。」
「具体的な方策として考えている部分はあります。少々長くなりますが。」
「ではそれを聞こう。…日を改めてな。」
お、これは解散の流れかしら?やっと帰れる…。
ここまで何か発言する隙もなく、ただ聞いているだけだったし疲れたし…。
「では時間が取れ次第詳細を話し合うことにしましょう。
便利屋の皆さん、それまで城におられたらどうです?また呼びに行くのは面倒ですし。」
「面倒でも何でも、いい加減帰してください!」
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