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計画起案者、戦場へ!
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次の日、私とレイは薬屋「魔女の一撃」の前にいた。
「…どうしても必要なの?
希望箱に関する説明なら、レイでもできるじゃない…。」
「説明なら一応したぞ。
それでもばあさんがお前と話したいってんだから、仕方ないだろ。
…この話何回するつもりなんだ?いい加減腹くくれよ、死ぬわけでもあるまいし。」
「簡単に言うんじゃないわよ!」
もとはと言えば、あんたが勝手に話を進めるからこんなことになったんじゃないの!
確かに、イタズラじゃない要望書が届いたことには、感謝しているけど…。
「もういいだろ、さっさと行こうぜ。おい、ばあさん邪魔するぞ。」
「ちょ、ちょっと!まだ心の準備が…!」
私の返事も待たずに店の入り口のドアをガチャリと開けてしまった。
室内から漂ってくる、あの独特な薬の甘苦いような匂い。
壁や天井に下げられている植物と何かの干物。
棚に並べられている液体が入った瓶。
そして、その部屋の一番奥で大鍋をかき混ぜている老婆が…。
「あ~ん?何じゃ、客かと思ったらクソガキじゃないか。
いくらうちが薬の老舗だからって、バカにつけるような薬は取り扱ってないよ。」
「そんな薬お求めじゃねぇよ!ったく、連れてきたぞ。計画の起案者。」
「ほう。」
「う…。」
ヒッヒッヒと笑いながら、鍋をかき混ぜる姿はまさに魔女…!
子供の頃の苦々しい思い出が戻って来そうで、胃が縮むような感覚がする。
レイに紹介されたことで、おばあさんの視線がこちらに向く。
…うー、自然とレイの後ろに少し下がってしまうわ…。
「クソガキの言う通り、本当にすずらんのお嬢さんかい。
お嬢さん、お前さんがこの箱を置いてやりたいことってのは、皆のお悩み解決、そういうことでいいのかい?」
「そ、そうです、けど…。」
「そうかい、そうかい。ヒッヒッヒ…。」
何!何なの?何が聞きたいのよ~…。
別にやましいことをしているつもりはないけど、握りしめた手にじっとりが汗が…。
「誰かの悩みを聞いて、解決できないか行動することは素晴らしいことさ。
だがね、悩みってのは人様に言えない極めて個人的なものだってある。客商売しているなら分かるだろ?
この箱の問題点は、活動しているお前さん方の真意が見えにくいこと、信頼していいもんか分からないことだ。」
「…。」
確かに、お悩み解決しますって張り出したところで、よく知らない人間に託していいものか分からないわよね。
私はともかく、他の3人は他所から来た得体のしれない人間だし…。
イタズラの紙しか入らなかった一番の問題は、周りの興味関心が引けなかったことじゃなく、私たちが信頼に足らないってことなのね…。
「繰り返すが、この活動自体は悪いことじゃないさ。
誰かの役に立ちたい。いい心がけじゃないか。
心の中でそう思ってても、なかなか行動に移せるもんじゃない。若いのに大したもんさ。」
「あ、ありがとう、ございます…。」
「そこでだ、あたしゃあんたたちの活動を応援したいと思うんだが、どうかね?」
「…へ?」
こ、これはいったいどういう…?頭がついて行かないわ。
え、私たちに信用度が足りないから、この計画の課題になっているってことなのよね?
それを何とか解決しないと、いまいち活動が軌道に乗らない。
そこにこのおばあちゃんが参加してくれるってことは…?
「こう見えて、あたしゃこの街じゃいろんな人から相談されるんだ。
仕事柄色々話を聞かなきゃならないこともあるし、顧客情報の取り扱いには気を配っているつもりだよ。
この活動における信用、その点においてあたしが協力できる部分は多いと思うけどねぇ?」
「…よ、よろしくお願いします!」
「おいおい嬢ちゃん、いけないねぇ。詳しい話を聞かないまま了承しちゃ。
相談事を請け負うには、焦りは禁物さ。まずはじっくり話を聞く、これが第一歩さね。」
「はい、師匠!」
「悪くない響きだね。ま、あたしゃ弟子は取らないんだが、好きに呼んだらいいさ。
手始めに、こないだ届いた手紙。中身を確認したかい?」
「母親の薬のために、薬草が必要ってやつか?」
「そう。あれの内容は本物さ、あたしが保障する。
差出人の詳細情報は伏せるが、薬の調合に必要な薬草が手に入らなくってね。あたしも困ってたんだ。
それ、あんたたちが解決してきておくれ。」
「初仕事ですね、師匠!」
「正確には、仕事を任せられるかテストってとこだね。
今回あたし個人も困っていることだから任せるが、普通何の功績もない輩にいきなり大仕事を回せるかい。
今後協力していくにあたって、あんたたちの力量も見せてもらわにゃ。しっかりやりな。」
「はい!」
「すっかり手懐けられちまってるじゃねぇか。…まぁいいけど。
じゃあばあさん、その薬草について教えてもらおうか。」
今まで怖かった魔女が、味方になってくれるなんて…!しかもなんて頼もしい味方!
ここへきて、着実に前に進めている手ごたえが。
おばあさん、いえ師匠の下で私たちの目標にまた一歩近づけるわ!
「…どうしても必要なの?
希望箱に関する説明なら、レイでもできるじゃない…。」
「説明なら一応したぞ。
それでもばあさんがお前と話したいってんだから、仕方ないだろ。
…この話何回するつもりなんだ?いい加減腹くくれよ、死ぬわけでもあるまいし。」
「簡単に言うんじゃないわよ!」
もとはと言えば、あんたが勝手に話を進めるからこんなことになったんじゃないの!
確かに、イタズラじゃない要望書が届いたことには、感謝しているけど…。
「もういいだろ、さっさと行こうぜ。おい、ばあさん邪魔するぞ。」
「ちょ、ちょっと!まだ心の準備が…!」
私の返事も待たずに店の入り口のドアをガチャリと開けてしまった。
室内から漂ってくる、あの独特な薬の甘苦いような匂い。
壁や天井に下げられている植物と何かの干物。
棚に並べられている液体が入った瓶。
そして、その部屋の一番奥で大鍋をかき混ぜている老婆が…。
「あ~ん?何じゃ、客かと思ったらクソガキじゃないか。
いくらうちが薬の老舗だからって、バカにつけるような薬は取り扱ってないよ。」
「そんな薬お求めじゃねぇよ!ったく、連れてきたぞ。計画の起案者。」
「ほう。」
「う…。」
ヒッヒッヒと笑いながら、鍋をかき混ぜる姿はまさに魔女…!
子供の頃の苦々しい思い出が戻って来そうで、胃が縮むような感覚がする。
レイに紹介されたことで、おばあさんの視線がこちらに向く。
…うー、自然とレイの後ろに少し下がってしまうわ…。
「クソガキの言う通り、本当にすずらんのお嬢さんかい。
お嬢さん、お前さんがこの箱を置いてやりたいことってのは、皆のお悩み解決、そういうことでいいのかい?」
「そ、そうです、けど…。」
「そうかい、そうかい。ヒッヒッヒ…。」
何!何なの?何が聞きたいのよ~…。
別にやましいことをしているつもりはないけど、握りしめた手にじっとりが汗が…。
「誰かの悩みを聞いて、解決できないか行動することは素晴らしいことさ。
だがね、悩みってのは人様に言えない極めて個人的なものだってある。客商売しているなら分かるだろ?
この箱の問題点は、活動しているお前さん方の真意が見えにくいこと、信頼していいもんか分からないことだ。」
「…。」
確かに、お悩み解決しますって張り出したところで、よく知らない人間に託していいものか分からないわよね。
私はともかく、他の3人は他所から来た得体のしれない人間だし…。
イタズラの紙しか入らなかった一番の問題は、周りの興味関心が引けなかったことじゃなく、私たちが信頼に足らないってことなのね…。
「繰り返すが、この活動自体は悪いことじゃないさ。
誰かの役に立ちたい。いい心がけじゃないか。
心の中でそう思ってても、なかなか行動に移せるもんじゃない。若いのに大したもんさ。」
「あ、ありがとう、ございます…。」
「そこでだ、あたしゃあんたたちの活動を応援したいと思うんだが、どうかね?」
「…へ?」
こ、これはいったいどういう…?頭がついて行かないわ。
え、私たちに信用度が足りないから、この計画の課題になっているってことなのよね?
それを何とか解決しないと、いまいち活動が軌道に乗らない。
そこにこのおばあちゃんが参加してくれるってことは…?
「こう見えて、あたしゃこの街じゃいろんな人から相談されるんだ。
仕事柄色々話を聞かなきゃならないこともあるし、顧客情報の取り扱いには気を配っているつもりだよ。
この活動における信用、その点においてあたしが協力できる部分は多いと思うけどねぇ?」
「…よ、よろしくお願いします!」
「おいおい嬢ちゃん、いけないねぇ。詳しい話を聞かないまま了承しちゃ。
相談事を請け負うには、焦りは禁物さ。まずはじっくり話を聞く、これが第一歩さね。」
「はい、師匠!」
「悪くない響きだね。ま、あたしゃ弟子は取らないんだが、好きに呼んだらいいさ。
手始めに、こないだ届いた手紙。中身を確認したかい?」
「母親の薬のために、薬草が必要ってやつか?」
「そう。あれの内容は本物さ、あたしが保障する。
差出人の詳細情報は伏せるが、薬の調合に必要な薬草が手に入らなくってね。あたしも困ってたんだ。
それ、あんたたちが解決してきておくれ。」
「初仕事ですね、師匠!」
「正確には、仕事を任せられるかテストってとこだね。
今回あたし個人も困っていることだから任せるが、普通何の功績もない輩にいきなり大仕事を回せるかい。
今後協力していくにあたって、あんたたちの力量も見せてもらわにゃ。しっかりやりな。」
「はい!」
「すっかり手懐けられちまってるじゃねぇか。…まぁいいけど。
じゃあばあさん、その薬草について教えてもらおうか。」
今まで怖かった魔女が、味方になってくれるなんて…!しかもなんて頼もしい味方!
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