44 / 89
41.お見舞いデートと主張されまして。
しおりを挟む
「ようこそいらっしゃいました、シャルツ国王陛下」
シャルツがドアベルを鳴らすと、中から現れた紳士が恭しく頭を下げた。少々厳格そうな雰囲気の漂う彼は、この屋敷の使用人頭だということだ。名はダウスというその人に、シャルツは気さくに手を挙げた。
「よっ、ダウスじい。そんなに畏まんないでよ、一応お忍びで来てるんだしさ。それでエリアスの様子はどうかな」
「先ほどまでお医者様がいらしていて、風邪をこじらせただけでしょうということでした。しかし、熱が高うございますので、お会いするのは難しいかと」
「そうか。じゃあ、これ土産。あいつが目を覚ましたら、食わせてやってくれ。栄養は取ったほうがいいだろ」
「痛み入ります」
ひょいと渡したフルーツの盛り合わせを、ダウスが恭しく受け取る。それからシャルツは、ぽんとフィアナの背中を押した。
「それと、俺は別として、この子は会わせてやってくれる? この子の顔を見た方が、あいつは元気が出るだろうからさ」
「失礼ですが、こちらは……」
怪訝そうな顔で、ダウスはフィアナを見る。眉間にくっきりと刻まれた皺に若干気後れをしつつ、フィアナはペコリと頭を下げる。
「私、フィアナと言います。エリアスさんが常連で来てくださっている、グレダの酒場という店の娘です」
「で、あいつの大事な子。ダウスじいも聞いているでしょ?」
「ちょ、ちょっと、シャルツ陛下……!」
「なんでよ。隠すようなことじゃないでしょ。それにじいは知っているんじゃない? 毎日店まで迎えの馬車を出しているんだしさ」
確かにシャルツの言う通りではある。これだけ毎夜熱心に店に通い、加えて最近はデートにも出かけている。使用人頭であるダウスなら、事情も知っていそうなものだ。
案の定、ダウスは頷いた。――ただし、眉間の皺はさらに深くなった。
「伺っております。しかし、そうですか。あなたがエリアス様の……」
「は、はい」
「ほお。ほーお。ほお」
何度も頷きつつ、じろじろと値踏みするような目を向けるダウスに、フィアナは身を縮こまらせた。なぜだろう。フィアナがエリアスの彼女だとわかった後の方が、ダウスの目が鋭くなった気がする。
「これはこれは……素敵なお嬢様で」
(表情と言葉がぜんっぜん噛み合っていないんですが!?)
じろりと睨むように顔を覗きこまれ、フィアナはますます竦みあがった。そんな彼女の肩にぽんと手を置いて、シャルツが助け舟を出す。
「ストップ、ストーップ。フィアナちゃんに興味津々なのはわかるけど、怯えさせちゃダメだって。というわけだから、悪いけどこの子を案内してあげてもらえるかな。お願い?」
「大変失礼いたしました」
断るかと思いきや、ダウスはすっと胸に手を置く。――まあ、よく考えれば、見たところ馴染みの仲とはいえ一国の王であるシャルツの「お願い」を、ダウスがよほどの理由もなしに断るわけもないのだが。
ダウスは軽く頭を下げると、屋敷のなかを手で指し示した。
「ご案内いたします、フィアナ様。シャルツ陛下もどうぞ中へ。お茶をご用意いたします」
「悪いね。行くよ、子猫ちゃん」
「は、はい!」
シャルツに促され、フィアナは慌ててダウスの後を追った。
「……あれ? ふぃあなさん?」
扉の開く音で気づいたのだろう。フィアナが部屋に入ると、ベッドの膨らみがもぞもぞと動いて、エリアスが少しだけ顔をのぞかせる。そして、ふにゃりと力なく微笑んだ。
「わぁー。ほんもののふぃあなさんですー」
「わわっ、ダメですって、寝ててください!」
熱のためか、ベッドの中から飛んでくる声には力がなく、舌足らずだ。それでも起き上がろうとする彼を宥めて、フィアナは慌ててベッドに近づいた。
「ダメじゃないですか、ちゃんと寝てなくちゃ。……って、起こしちゃったの私ですよね。すみません」
「ふぃあなさん……ゆめじゃないんですね……。ゆめのなかでも、たーくさんふぃあなさんをぎゅってしましたが……ほんとうに来てくれたんですね……」
「熱出しててもその辺はぶれませんね」
苦笑しつつ、フィアナはベッド横の椅子に座る。ぼんやりとこちらを見上げる顔は熱のため赤く、心なしかジョークのキレもいつもより弱い。さすがの彼も、風邪にダメージを受けて弱っているのだろう。
と思いきや、フィアナが傍らに来た途端、エリアスはベッドの中で目をきらきらと輝かせた。
「これ、おみまいでーと、ですね。つきあったらしてみたいことベスト3の、3番目くらいのやつですよね」
「……自分が病人なの、わかってます? はしゃぐなら帰っちゃいますよ?」
「いやです。しずかにします」
すげなく言うと、すぐにエリアスはふとんを引き上げて、おとなしく寝ていますアピール。けれども、フィアナが近くにいるのが嬉しいのは本当らしく、とろんとした目でフィアナを見上げたまま安心したように目を細めた。
「しゃるつ様ですか? ふぃあなさんを連れてきてくれたのは」
「そうですけど、よくわかりましたね」
「あのかたのやりそうなことです」
ふふっと笑みを漏らし、「かんしゃ、しなければいけませんね」とエリアスは呟いた。その表情はいつもよりほんの少し彼を幼く見せて、フィアナはついドキリと胸を高鳴らせた。
「……そっ、そういえば、エリアスさんが目を覚ましたら教えてほしいって、ダウスさんに言われていたんでした」
かたんと立ち上がったフィアナに、エリアスは首を傾げる。
「だうすにですか?」
「お昼、まだ食べていないんですってね。おかゆを用意してあるんだそうです。声を掛けたら持ってきてくださるようですので、ちょっとダウスさんのところに行ってきますね」
そう言って、フィアナはくるりと扉に足を向けた。――否、向けようとした。
けれども立ち去ろうとしたフィアナの手を、エリアスが掴んだ。
「……あれ?」
彼自身、意識して出た行動ではなかったのだろう。エリアスは不思議そうに、フィアナの手を掴んだ自分の手を見つめている。
なかなか放そうとしないエリアスに、フィアナは宥めるように笑いかけた。
「大丈夫ですよ。ダウスさんを呼んだら戻ってきますから」
「そう、ですよね。すみません、わたしったら」
困ったように笑って、エリアスが手を離す。
さすがのエリアスさんも、風邪で弱気になっているのかな。そんな風に思いながら、フィアナはダウスを呼ぶために小走りで急いだのだった。
シャルツがドアベルを鳴らすと、中から現れた紳士が恭しく頭を下げた。少々厳格そうな雰囲気の漂う彼は、この屋敷の使用人頭だということだ。名はダウスというその人に、シャルツは気さくに手を挙げた。
「よっ、ダウスじい。そんなに畏まんないでよ、一応お忍びで来てるんだしさ。それでエリアスの様子はどうかな」
「先ほどまでお医者様がいらしていて、風邪をこじらせただけでしょうということでした。しかし、熱が高うございますので、お会いするのは難しいかと」
「そうか。じゃあ、これ土産。あいつが目を覚ましたら、食わせてやってくれ。栄養は取ったほうがいいだろ」
「痛み入ります」
ひょいと渡したフルーツの盛り合わせを、ダウスが恭しく受け取る。それからシャルツは、ぽんとフィアナの背中を押した。
「それと、俺は別として、この子は会わせてやってくれる? この子の顔を見た方が、あいつは元気が出るだろうからさ」
「失礼ですが、こちらは……」
怪訝そうな顔で、ダウスはフィアナを見る。眉間にくっきりと刻まれた皺に若干気後れをしつつ、フィアナはペコリと頭を下げる。
「私、フィアナと言います。エリアスさんが常連で来てくださっている、グレダの酒場という店の娘です」
「で、あいつの大事な子。ダウスじいも聞いているでしょ?」
「ちょ、ちょっと、シャルツ陛下……!」
「なんでよ。隠すようなことじゃないでしょ。それにじいは知っているんじゃない? 毎日店まで迎えの馬車を出しているんだしさ」
確かにシャルツの言う通りではある。これだけ毎夜熱心に店に通い、加えて最近はデートにも出かけている。使用人頭であるダウスなら、事情も知っていそうなものだ。
案の定、ダウスは頷いた。――ただし、眉間の皺はさらに深くなった。
「伺っております。しかし、そうですか。あなたがエリアス様の……」
「は、はい」
「ほお。ほーお。ほお」
何度も頷きつつ、じろじろと値踏みするような目を向けるダウスに、フィアナは身を縮こまらせた。なぜだろう。フィアナがエリアスの彼女だとわかった後の方が、ダウスの目が鋭くなった気がする。
「これはこれは……素敵なお嬢様で」
(表情と言葉がぜんっぜん噛み合っていないんですが!?)
じろりと睨むように顔を覗きこまれ、フィアナはますます竦みあがった。そんな彼女の肩にぽんと手を置いて、シャルツが助け舟を出す。
「ストップ、ストーップ。フィアナちゃんに興味津々なのはわかるけど、怯えさせちゃダメだって。というわけだから、悪いけどこの子を案内してあげてもらえるかな。お願い?」
「大変失礼いたしました」
断るかと思いきや、ダウスはすっと胸に手を置く。――まあ、よく考えれば、見たところ馴染みの仲とはいえ一国の王であるシャルツの「お願い」を、ダウスがよほどの理由もなしに断るわけもないのだが。
ダウスは軽く頭を下げると、屋敷のなかを手で指し示した。
「ご案内いたします、フィアナ様。シャルツ陛下もどうぞ中へ。お茶をご用意いたします」
「悪いね。行くよ、子猫ちゃん」
「は、はい!」
シャルツに促され、フィアナは慌ててダウスの後を追った。
「……あれ? ふぃあなさん?」
扉の開く音で気づいたのだろう。フィアナが部屋に入ると、ベッドの膨らみがもぞもぞと動いて、エリアスが少しだけ顔をのぞかせる。そして、ふにゃりと力なく微笑んだ。
「わぁー。ほんもののふぃあなさんですー」
「わわっ、ダメですって、寝ててください!」
熱のためか、ベッドの中から飛んでくる声には力がなく、舌足らずだ。それでも起き上がろうとする彼を宥めて、フィアナは慌ててベッドに近づいた。
「ダメじゃないですか、ちゃんと寝てなくちゃ。……って、起こしちゃったの私ですよね。すみません」
「ふぃあなさん……ゆめじゃないんですね……。ゆめのなかでも、たーくさんふぃあなさんをぎゅってしましたが……ほんとうに来てくれたんですね……」
「熱出しててもその辺はぶれませんね」
苦笑しつつ、フィアナはベッド横の椅子に座る。ぼんやりとこちらを見上げる顔は熱のため赤く、心なしかジョークのキレもいつもより弱い。さすがの彼も、風邪にダメージを受けて弱っているのだろう。
と思いきや、フィアナが傍らに来た途端、エリアスはベッドの中で目をきらきらと輝かせた。
「これ、おみまいでーと、ですね。つきあったらしてみたいことベスト3の、3番目くらいのやつですよね」
「……自分が病人なの、わかってます? はしゃぐなら帰っちゃいますよ?」
「いやです。しずかにします」
すげなく言うと、すぐにエリアスはふとんを引き上げて、おとなしく寝ていますアピール。けれども、フィアナが近くにいるのが嬉しいのは本当らしく、とろんとした目でフィアナを見上げたまま安心したように目を細めた。
「しゃるつ様ですか? ふぃあなさんを連れてきてくれたのは」
「そうですけど、よくわかりましたね」
「あのかたのやりそうなことです」
ふふっと笑みを漏らし、「かんしゃ、しなければいけませんね」とエリアスは呟いた。その表情はいつもよりほんの少し彼を幼く見せて、フィアナはついドキリと胸を高鳴らせた。
「……そっ、そういえば、エリアスさんが目を覚ましたら教えてほしいって、ダウスさんに言われていたんでした」
かたんと立ち上がったフィアナに、エリアスは首を傾げる。
「だうすにですか?」
「お昼、まだ食べていないんですってね。おかゆを用意してあるんだそうです。声を掛けたら持ってきてくださるようですので、ちょっとダウスさんのところに行ってきますね」
そう言って、フィアナはくるりと扉に足を向けた。――否、向けようとした。
けれども立ち去ろうとしたフィアナの手を、エリアスが掴んだ。
「……あれ?」
彼自身、意識して出た行動ではなかったのだろう。エリアスは不思議そうに、フィアナの手を掴んだ自分の手を見つめている。
なかなか放そうとしないエリアスに、フィアナは宥めるように笑いかけた。
「大丈夫ですよ。ダウスさんを呼んだら戻ってきますから」
「そう、ですよね。すみません、わたしったら」
困ったように笑って、エリアスが手を離す。
さすがのエリアスさんも、風邪で弱気になっているのかな。そんな風に思いながら、フィアナはダウスを呼ぶために小走りで急いだのだった。
32
お気に入りに追加
3,374
あなたにおすすめの小説
【完】嫁き遅れの伯爵令嬢は逃げられ公爵に熱愛される
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
リリエラは母を亡くし弟の養育や領地の執務の手伝いをしていて貴族令嬢としての適齢期をやや逃してしまっていた。ところが弟の成人と婚約を機に家を追い出されることになり、住み込みの働き口を探していたところ教会のシスターから公爵との契約婚を勧められた。
お相手は公爵家当主となったばかりで、さらに彼は婚約者に立て続けに逃げられるといういわくつきの物件だったのだ。
少し辛辣なところがあるもののお人好しでお節介なリリエラに公爵も心惹かれていて……。
22.4.7女性向けホットランキングに入っておりました。ありがとうございます 22.4.9.9位,4.10.5位,4.11.3位,4.12.2位
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。

「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜
楠ノ木雫
恋愛
病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。
病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。
元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!
でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?
※他の投稿サイトにも掲載しています。

魔力を持たずに生まれてきた私が帝国一の魔法使いと婚約することになりました
ふうか
恋愛
レティシアは魔力を持つことが当たり前の世界でただ一人、魔力を持たずに生まれてきた公爵令嬢である。
そのために、家族からは冷遇されて育った彼女は10歳のデビュタントで一人の少年と出会った。その少年の名はイサイアス。皇弟の息子で、四大公爵の一つアルハイザー公爵家の嫡男である。そしてイサイアスは周囲に影響を与えてしまうほど多くの魔力を持つ少年だった。
イサイアスとの出会いが少しづつレティシアの運命を変え始める。
これは魔力がないせいで冷遇されて来た少女が幸せを掴むための物語である。
※1章完結※
追記 2020.09.30
2章結婚編を加筆修正しながら更新していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる