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第2章 《継承戦争》
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【場所:ソルヴェール城塞】
アルフォンスは即座に全軍を移動させた。
レテ川の上流にいくと断崖が消え、川底が浅くなっていた。ベルン公国軍1万2千騎は、レテ川を渡河すると、即座にソルヴェール城塞にむかって吶喊した。
ソルヴェール城塞の守将ブラームス伯爵は、城塞に籠もり、城壁から矢を豪雨のようにベルン公国軍にあびせかけた。アルフォンスは全軍を矢の射程距離に入らぬように命じ、ブラームス伯爵に「野戦で堂々と死勇を決せよ」、と挑発した。
さすがにブラームス伯爵は有能な指揮官で、アルフォンスの底の浅い挑発にのって城塞から出撃するような愚は犯さなかった。
午後七時、日没とともにベルン公国軍は後退した。結局、ベルン公国軍は、城壁に近付くことさえ出来なかった。
その姿はブラームス伯爵から見れば、負け犬の群れであった。
「見ろ。ベルン軍どもめ。このソルヴェール城塞が難攻不落であることが、やつらのような無能者にも理解できたようだ」
ブラームスが哄笑すると、城兵達も大笑した。ブラームスとしては、ただ籠城して、ベルン公国軍を足止めすれば良い。その内、援軍が来てベルン公国軍を4方から包囲殲滅するであろう。ベルン人どもの末路は、無惨な死。それのみだ。
「良いか、敵の挑発にのらず、ひたすら守勢に徹しろ! ベルン公国軍が野戦において無敵であっても、城に籠もっている限り手も足も出ぬわ! 我らの勝利は疑いないぞ!」
ブラームスが叫ぶと、城兵達が歓声をあげた。
アルフォンスは即座に全軍を移動させた。
レテ川の上流にいくと断崖が消え、川底が浅くなっていた。ベルン公国軍1万2千騎は、レテ川を渡河すると、即座にソルヴェール城塞にむかって吶喊した。
ソルヴェール城塞の守将ブラームス伯爵は、城塞に籠もり、城壁から矢を豪雨のようにベルン公国軍にあびせかけた。アルフォンスは全軍を矢の射程距離に入らぬように命じ、ブラームス伯爵に「野戦で堂々と死勇を決せよ」、と挑発した。
さすがにブラームス伯爵は有能な指揮官で、アルフォンスの底の浅い挑発にのって城塞から出撃するような愚は犯さなかった。
午後七時、日没とともにベルン公国軍は後退した。結局、ベルン公国軍は、城壁に近付くことさえ出来なかった。
その姿はブラームス伯爵から見れば、負け犬の群れであった。
「見ろ。ベルン軍どもめ。このソルヴェール城塞が難攻不落であることが、やつらのような無能者にも理解できたようだ」
ブラームスが哄笑すると、城兵達も大笑した。ブラームスとしては、ただ籠城して、ベルン公国軍を足止めすれば良い。その内、援軍が来てベルン公国軍を4方から包囲殲滅するであろう。ベルン人どもの末路は、無惨な死。それのみだ。
「良いか、敵の挑発にのらず、ひたすら守勢に徹しろ! ベルン公国軍が野戦において無敵であっても、城に籠もっている限り手も足も出ぬわ! 我らの勝利は疑いないぞ!」
ブラームスが叫ぶと、城兵達が歓声をあげた。
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