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宮警護隊総帥ソフィア

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  この作戦には、親衛隊、近衛騎士団、王国騎士団の三軍の連携が不可欠だった。

 親衛隊は憲兵隊でもある為、警察官のような役割を担う、その為、諜報員も多数所属しており、犯罪捜査の経験が豊富である。

 親衛隊が核となり、その手足として、近衛騎士団と王国騎士団が、動く。

 王都とその周辺の城塞都市群は、近衛騎士団が担当し、それ以外の場所は王国騎士団が担当する。

 近衛騎士団は、全員が職業騎士の集団であるが、王国騎士団は、7割が農民兵であり、統率に苦労する部分が多い。

 だからこそ、トリグラフ老人のような熟練の名将の統帥が必要なのだ。

 エルヴィンは事前に、ヴァリス王国の国境にある関所に通達をして、厳しく国内外の出入りを監視するように関所の役人に命じた。

 犯罪者どもを逃さない為だ。
 親衛隊長官ルイズ、近衛騎士団団長グレーテル、王国騎士団団長トリグラフが各軍団の兵士達を率いて、ヴァリス王国各地に散った。

 宮廷警護隊総帥ソフィアはエルヴィンの警護の為に残った。

「へ、陛下の御身は……、私が護り……ます」

 ソフィアが、目を閉じたまま言う。
 全盲の少女の殊勝な態度にエルヴィンは笑みを誘われた。

「ああ、頼りにしているぞ、ソフィア。お前の剣で私を護ってくれよ」

 エルヴィンは妹のように思っているエルフの少女の頭を撫でた。

 白髪のエルフの少女は嬉しそうにエルヴィンに頭を撫でられたまま、子猫のようにフルフルと気持ちよさそうに全身を震わした。
  その後、ソフィアはエルヴィンに敬礼するとドアの外に立って立番した。


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