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第十一章 ヘタレリゾート
第九話 チーオム(水着回Ⅷ)
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滞在七日目。
今日も今日とてオムレツの列に並ぶ。
もう毎日同じ料理人に作って貰ってるので顔見知りみたいになってしまった。
「チーオムさん、いつものでよろしいでしょうか?」
「チーオムって言うな。あと略すな。でも美味いし、いつものチーズ入りオムレツで頼む」
「かしこまりました」
俺のいつものオーダーを確認した料理人は、脇に置かれたポットから卵液をお玉で掬い、フライパンに広げる。
少しかき混ぜつつ、卵液が固まり始めたところにチーズを投入。
トントンと手首を叩いてチーズオムレツが完成する。素晴らしい手際だな。
何十人ものガキんちょをひとりでさばいてるだけのことはある。
皿に盛って貰ったチーズオムレツをホクホク顔で受け取った俺は自身のテーブルに戻る。
隣のエリナが何か言いたそうにチーズ入りオムレツを見つめている。
「なんだ? エリナも食べたいのか? 今ちょうど並んでる連中が少ないし行ってきたらどうだ?」
「うん、大丈夫……」
なんとなく歯切れの悪いエリナ。なんだろうな、もう腹がいっぱいとか太るのを気にしてるのかね。
周囲を見渡すと、いつものようにガキんちょどもが大量に用意された料理をものすごいスピードで食べまくっている。
今回は招待されて来てるけど、通常料金を払ったとしてもこの朝食バイキングってかなり赤字になるんじゃないか?
前の世界じゃバイキングで元を取るなんて実際は難しいなんて検証動画を見たことあるけど、絶対こいつら元取れてるわ。
こいつらを基準にして正式サービスが始まった時の料金設定をしたらとんでもない金額になりそう。
というかバイキング形式辞めちゃうかもな。
晩飯はお座敷でコース料理だから、少し料理を多めにしてもらってる程度だから金額的にはホテル側の想定内に収まってそうだけど。
あとちわっこの従者も普通に食事をしてるけど、よく見ると俺の従者であるメイドさんも混じってるな。
こういう時くらいは護衛任務を忘れて羽根を伸ばしてほしいくらいだからまあ良いんだけどな。
戦場のような朝食が終わると、ガキんちょどもがそのままビーチに向かう。というかあいつらすでに水着を着てたのかよ。道理で俺が着替えに戻っても誰もいないと思った。
俺も着替えてビーチに出るかと食堂を出ようとすると、職員から声をかけられる。
「チーオムさま、本日のご夕食は屋外でバーベキューなどいかがでしょうか? 趣向も凝らしておりますので是非」
「バーベキューか、いいな。あとチーオムはやめて」
「ではバーベキュー会場を設営しておきますので、いつものお時間になりましたらそちらへお越しください」
「わかった。ありがとう」
夏の浜辺でバーベキューというリア充イベントが開催されると聞いてテンションが上がったが、謂れのないあだ名をつけられていたことに少ししょんぼりしながらさくっと水着に着替えてビーチに出る。
いつものように海の家でタピオカドリンクを購入してデッキチェアに横たわる。
結局いつも買っているタピオカドリンクもタピオカ入りオレンジジュースばかりだったんだけど、海の家の店員に変なあだ名付けられてないだろうか?
「閣下」
タピ男とかタピオレ君なんてあだ名じゃないだろうなと少しビクつきながらタピっていると、白地に青の縦ストライプでシンプルなワンピースの水着を着たエカテリーナが声をかけてくる。
エルフって基本的にはスレンダーな体形をしているという話どおりなその姿はとても美しかった。
「おう、エカテリーナ。楽しんでるか?」
「ええ、とても。お誘いいただきありがとうございます」
「といってもお前たち姉妹はすでにうちに部屋があって一緒に住んでるからな。誘う誘わない関係ないんだけど」
「ふふふっありがとうございます閣下。それで今日の夜は外で食事をするとお伺いしましたが」
「耳が早いな。夕食は外でバーベキューをするから、時間になったら会場に集まってくれ」
「わかりました。その時に少し楽器を演奏したいのですがよろしいでしょうか?」
「おお、いいな。是非お願いしたい」
「かしこまりました。ちょうどこちらで売るためにいくつか楽器を持ってきましたので演奏させて頂きますね」
「エカテリーナというかエルフ族は音楽が好きなんだよな」
「そうですね、音楽やダンスなどは大体のエルフが得意としてますね」
「ふむ、学校の授業に取り入れるとしたら、教えてくれる講師とか希望者がいるかな?」
「それでしたら私と姉さんで講師をさせて頂けますか?」
「ふたりには魔素研究もあるだろ」
「魔素研究だけしているわけでは無いですからね、週に三日程度ならお教えできますし」
「そうか、じゃあその方向で検討しておく」
「はい……きゃっ」
エカテリーナが不意に声を上げる。
「何を話しとるん?」
「ちょっと姉さんやめて。脂肪の塊が当たってるわよ」
「ええやんええやん、柔らかいから痛くないやろ?」
「そういう問題じゃないの」
いきなり現れたマリアがエカテリーナに抱き着くと、そのまま姉妹でいちゃつき合う。エカテリーナは少しめんどくさそうだが。
マリアの水着はエカテリーナと同じストライプ柄だがビキニになっていて、エルフ族では希少なその胸部のサイズをきっちりアピールしている。
本人にはそんな気はなさそうだけど。
それにしてもなんだかんだ仲が良いなこの姉妹も。っていうかこれってキマシ?
「音楽やダンスの授業を学校でやろうと思っててな。エカテリーナが協力してくれることになったんだ」
「センセ! わたしもやります!」
「もう姉さんのことも推薦しておいたわよ」
「流石エカテリーナや!」
「あっ! もう姉さんどこ触ってるの!」
「ええやんええやん!」
またいちゃいちゃしだすエルフ姉妹。
音楽にダンスの授業か。あとは絵とか工作とかかな?
とりあえずガキんちょどもには色々な経験をさせてやりたい。
ちょっと考えておくか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
水着回続きます!
本作は小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
よろしければそちらでも応援いただけますと励みになります。
また、小説家になろう版は、序盤から新規に挿絵を大量に追加したうえで、一話当たりの文字数調整、加筆修正、縦読み対応の改稿版となります。
ファンアート、一部重複もありますが、総数で100枚を超える挿絵を掲載し、九章以降ではほぼ毎話挿絵を掲載しております。
是非挿絵だけでもご覧くださいませ。
特に十一章から連載しております水着回は必見です!絵師様の渾身のヒロインたちの水着絵を是非ご覧ください!
小説家になろう版やカクヨム版ヘタレ転移者の方でもブクマ、評価の方を頂けましたら幸いです。
今日も今日とてオムレツの列に並ぶ。
もう毎日同じ料理人に作って貰ってるので顔見知りみたいになってしまった。
「チーオムさん、いつものでよろしいでしょうか?」
「チーオムって言うな。あと略すな。でも美味いし、いつものチーズ入りオムレツで頼む」
「かしこまりました」
俺のいつものオーダーを確認した料理人は、脇に置かれたポットから卵液をお玉で掬い、フライパンに広げる。
少しかき混ぜつつ、卵液が固まり始めたところにチーズを投入。
トントンと手首を叩いてチーズオムレツが完成する。素晴らしい手際だな。
何十人ものガキんちょをひとりでさばいてるだけのことはある。
皿に盛って貰ったチーズオムレツをホクホク顔で受け取った俺は自身のテーブルに戻る。
隣のエリナが何か言いたそうにチーズ入りオムレツを見つめている。
「なんだ? エリナも食べたいのか? 今ちょうど並んでる連中が少ないし行ってきたらどうだ?」
「うん、大丈夫……」
なんとなく歯切れの悪いエリナ。なんだろうな、もう腹がいっぱいとか太るのを気にしてるのかね。
周囲を見渡すと、いつものようにガキんちょどもが大量に用意された料理をものすごいスピードで食べまくっている。
今回は招待されて来てるけど、通常料金を払ったとしてもこの朝食バイキングってかなり赤字になるんじゃないか?
前の世界じゃバイキングで元を取るなんて実際は難しいなんて検証動画を見たことあるけど、絶対こいつら元取れてるわ。
こいつらを基準にして正式サービスが始まった時の料金設定をしたらとんでもない金額になりそう。
というかバイキング形式辞めちゃうかもな。
晩飯はお座敷でコース料理だから、少し料理を多めにしてもらってる程度だから金額的にはホテル側の想定内に収まってそうだけど。
あとちわっこの従者も普通に食事をしてるけど、よく見ると俺の従者であるメイドさんも混じってるな。
こういう時くらいは護衛任務を忘れて羽根を伸ばしてほしいくらいだからまあ良いんだけどな。
戦場のような朝食が終わると、ガキんちょどもがそのままビーチに向かう。というかあいつらすでに水着を着てたのかよ。道理で俺が着替えに戻っても誰もいないと思った。
俺も着替えてビーチに出るかと食堂を出ようとすると、職員から声をかけられる。
「チーオムさま、本日のご夕食は屋外でバーベキューなどいかがでしょうか? 趣向も凝らしておりますので是非」
「バーベキューか、いいな。あとチーオムはやめて」
「ではバーベキュー会場を設営しておきますので、いつものお時間になりましたらそちらへお越しください」
「わかった。ありがとう」
夏の浜辺でバーベキューというリア充イベントが開催されると聞いてテンションが上がったが、謂れのないあだ名をつけられていたことに少ししょんぼりしながらさくっと水着に着替えてビーチに出る。
いつものように海の家でタピオカドリンクを購入してデッキチェアに横たわる。
結局いつも買っているタピオカドリンクもタピオカ入りオレンジジュースばかりだったんだけど、海の家の店員に変なあだ名付けられてないだろうか?
「閣下」
タピ男とかタピオレ君なんてあだ名じゃないだろうなと少しビクつきながらタピっていると、白地に青の縦ストライプでシンプルなワンピースの水着を着たエカテリーナが声をかけてくる。
エルフって基本的にはスレンダーな体形をしているという話どおりなその姿はとても美しかった。
「おう、エカテリーナ。楽しんでるか?」
「ええ、とても。お誘いいただきありがとうございます」
「といってもお前たち姉妹はすでにうちに部屋があって一緒に住んでるからな。誘う誘わない関係ないんだけど」
「ふふふっありがとうございます閣下。それで今日の夜は外で食事をするとお伺いしましたが」
「耳が早いな。夕食は外でバーベキューをするから、時間になったら会場に集まってくれ」
「わかりました。その時に少し楽器を演奏したいのですがよろしいでしょうか?」
「おお、いいな。是非お願いしたい」
「かしこまりました。ちょうどこちらで売るためにいくつか楽器を持ってきましたので演奏させて頂きますね」
「エカテリーナというかエルフ族は音楽が好きなんだよな」
「そうですね、音楽やダンスなどは大体のエルフが得意としてますね」
「ふむ、学校の授業に取り入れるとしたら、教えてくれる講師とか希望者がいるかな?」
「それでしたら私と姉さんで講師をさせて頂けますか?」
「ふたりには魔素研究もあるだろ」
「魔素研究だけしているわけでは無いですからね、週に三日程度ならお教えできますし」
「そうか、じゃあその方向で検討しておく」
「はい……きゃっ」
エカテリーナが不意に声を上げる。
「何を話しとるん?」
「ちょっと姉さんやめて。脂肪の塊が当たってるわよ」
「ええやんええやん、柔らかいから痛くないやろ?」
「そういう問題じゃないの」
いきなり現れたマリアがエカテリーナに抱き着くと、そのまま姉妹でいちゃつき合う。エカテリーナは少しめんどくさそうだが。
マリアの水着はエカテリーナと同じストライプ柄だがビキニになっていて、エルフ族では希少なその胸部のサイズをきっちりアピールしている。
本人にはそんな気はなさそうだけど。
それにしてもなんだかんだ仲が良いなこの姉妹も。っていうかこれってキマシ?
「音楽やダンスの授業を学校でやろうと思っててな。エカテリーナが協力してくれることになったんだ」
「センセ! わたしもやります!」
「もう姉さんのことも推薦しておいたわよ」
「流石エカテリーナや!」
「あっ! もう姉さんどこ触ってるの!」
「ええやんええやん!」
またいちゃいちゃしだすエルフ姉妹。
音楽にダンスの授業か。あとは絵とか工作とかかな?
とりあえずガキんちょどもには色々な経験をさせてやりたい。
ちょっと考えておくか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
水着回続きます!
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よろしければそちらでも応援いただけますと励みになります。
また、小説家になろう版は、序盤から新規に挿絵を大量に追加したうえで、一話当たりの文字数調整、加筆修正、縦読み対応の改稿版となります。
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是非挿絵だけでもご覧くださいませ。
特に十一章から連載しております水着回は必見です!絵師様の渾身のヒロインたちの水着絵を是非ご覧ください!
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