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第十章 ヘタレ異文化交流
第四話 ネーミングライツ
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エルフ王国と友好関係を結んでから数ヶ月が経過し、今は夏まっさかりだ。
エルフ王国との交易も開始し、亜人国家連合との交易もどんどん規模が大きくなっていったため、珍しいものが大量に出回るようになった。
公共事業によってファルケンブルク領民の購買力が高まったこともあり、両国にとってかなり有力な市場になっているのだ。
なのでけもみみの亜人は以前よりさらに見かけるようになったし、ビリケ、いやエルフ国王の精霊魔法によって常夏のエルフ王国に住むエルフも、過ごしやすい気候のためか家から出てわざわざファルケンブルクまでやってきている。
そのため、ここ最近は民族衣装というかアロハを着たエルフなどを街中でかなり見かけるようになった。
「準備できたよお兄ちゃん!」
「じゃあ行くか。ミコトもエマも準備いいか?」
「「うん!」」
「兄さま、本当にお弁当は持っていかないんですか?」
「クレア、昼飯は屋台で食おう。亜人国家連合やエルフ王国の色んな屋台が出てて盛況らしいから」
「でもお高いんでしょう?」
「いやそんな深夜の通販みたいなセリフ……。大丈夫だよクレア。亜人国家連合とエルフ王国の物価はここより安いから、こっちでは税金分を上乗せしてもファルケンブルクの屋台と変わらない値段なんだってさ」
「そうですか。でも外食はどうしてもお弁当よりコストが高くなりますからね」
「たまに外で食うくらいいいだろ。それにうちだって外食産業に手を出してるんだし、経済を考えたらどんどん金を使うべきだしな」
「それはわかりますが……」
「はいはい、もう行くぞ。今日はそれほど遠くないから歩いていくからな。ミコトとエマはちゃんと手をつないでエリナやクレアからあまり離れないように」
「「はーい!」」
ミコトとクレアが仲良く手をつないで俺たちを先導する。
真っ白な半袖のワンピースに麦わら帽子、小さなポシェットまでお揃いのふたりだ。
今日はじめて着る新しい服と、珍しい食べ物が食べられると聞いてやたらとテンションが高い。
「たのしみだねエマちゃん!」
「うん! みこねー!」
「お兄ちゃん楽しみだねー」
エリナが娘ふたりと同じセリフを言うが、全く違和感がない。もう二十歳なのに。
「亜人国家連合とエルフ王国の屋台って何があるのかね」
「麺類が特に人気みたいですよ兄さま」
「うちでもパスタ弁当は安くてボリュームがあるって人気だしな」
「本場のやきそばも食べられるのかなお兄ちゃん!」
「亜人国家連合の中華麺は美味いらしいしあるんじゃないか? 屋台と焼きそばは最強の組み合わせだし」
「楽しみ!」
「私も楽しみです兄さま!」
「せっかくだから焼きそばじゃなくてもっと良い物食べようぜ」
通り過ぎる人たちに挨拶しながら、きゃっきゃと少し早足で俺たちの前を歩くミコトとエマはもうファルケンブルクの町ではアイドル扱いだ。
「今日も可愛いわねミコトちゃん! エマちゃん! おばちゃん飴を持ってるからふたりにあげるわね」
「ありがとうございます! お姉さん!」
「ありがとーおねーさん!」
「まあ、本当に可愛い!」
明らかにお姉さんじゃないおばちゃんが嬉しそうに飴を渡すと、ミコトとエマはお礼を言いながらそれぞれポシェットの中に飴をしまう。
終始この調子で愛想を振りまいてるので、家に帰るとふたりのポシェットにはいつもお菓子が大量に入っているのだ。
なんて末恐ろしい。
「お世辞でもなんでもなく素で言ってるのがヤバいな」
「おばちゃんって単語を知らないわけじゃないんだけどね」
「うーむ。将来どうなるんだろうな」
ひょっとしてアイドル活動みたいなのもできるかもしれない。
歌とダンスを覚えさせようか、いやまてその前にテレビ局だ。可愛い我が子を全世界に知らしめねば!
そういや歌もダンスも学校の授業にまだ取り入れてないんだよな。
楽師の才能があるかもしれない子どもがいるかもしれないから、楽器は定期的に触らせてるけど、きちんと曲が弾けるようになるとか、歌を歌えるようにするような授業はなかった。
今後は芸術系の授業も増やさないと駄目だな。幸い楽師はファルケンブルクにもいるし。
などとむむむと考えていると
「お兄ちゃんまたアホなこと考えてるでしょ?」
「む。そんなこと無いぞと言いたいがその通りだぞエリナ」
「兄さまはわかりやすいですからね」
「そこまでアホなことじゃないぞ多分。芸術系の授業を増やさないとなって思っただけだし」
「芸術系?」
「歌とかダンスとか。あとは絵を描いたり物語を書いたりとまあ色々だ」
「お歌は家では教えてるけど種類は少ないね」
「どんな才能があるかわからんから、幼いうちに色々やらせてみないとな」
「ミコトちゃん! エマちゃん! お歌を歌いながら歩こうか!」
「「はーい!」」
エリナに促されたふたりは、ららら~と声を合わせ、繋いだ手をぶんぶん振り、歌いながら歩く。
まるで天上の天使が舞っているようなふたりの周りには、いつの間にか買い物客が集まっていた。
「ヤバい可愛い」
「可愛いよね!」
「そうですね兄さま、ねえさま! 可愛すぎです!」
ミコトとエマの可愛さに取りつかれた群衆をモーゼの海割りのように割って突き進み、市場にある屋台ゾーンへ向かう。
はやくテレビ局を開局しないと。
そうするとまず電波塔かな?
城の真上に建てるかなーとミコトとエマから視線を外すと、例の北側、魔導士協会本部の方にいつのまにかまた建造物が建っていることに気づく。
中央に近いここから見えるってことは相当高いのだろう。
横にある緊急時には変形するらしい防御塔と向かい合わせのように一棟の細長い塔が建っていた。
「なあ、エリナ、クレア。魔導士協会の防御塔の横に建ってる細長い塔って見たことあるか?」
「昨日晩ご飯を食べに来たお爺ちゃんから、監視塔を建てたって聞いたよ」
「また未許可でそんなことを」
「スポンサーがついたとかで、急遽建てたって話ですよ兄さま」
「スポンサー?」
「兄さまが前に言ってた、『ねーみんぐらいつ』ですね」
「おお、初めてのネーミングライツだな。これをきっかけにあちこちで契約が取れるようになると財政が潤うんだが」
「『キマシ商会』という所が五年契約で施設名称権を買ったので『キマシタワー』と決まったようですよ兄さま」
「メイドさーーーーーーーん!」
メイドさんを呼び、ネーミングライツ権の販売条件の改正を検討するようにと伝えるが、もう五年間はあの塔に関しては無理だな。
キマシタワーをバックにご機嫌のミコトとエマを眺めつつ、もしそういう関係になったらどうしようか、と思うのだった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
本作は小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
よろしければそちらでも応援いただけますと励みになります。
また、小説家になろう版は、序盤から新規に挿絵を大量に追加したうえで、一話当たりの文字数調整、加筆修正、縦読み対応の改稿版となります。
ファンアート、一部重複もありますが、総数で100枚を超える挿絵を掲載し、九章以降ではほぼ毎話挿絵を掲載しております。
是非挿絵だけでもご覧くださいませ。
エルフ王国との交易も開始し、亜人国家連合との交易もどんどん規模が大きくなっていったため、珍しいものが大量に出回るようになった。
公共事業によってファルケンブルク領民の購買力が高まったこともあり、両国にとってかなり有力な市場になっているのだ。
なのでけもみみの亜人は以前よりさらに見かけるようになったし、ビリケ、いやエルフ国王の精霊魔法によって常夏のエルフ王国に住むエルフも、過ごしやすい気候のためか家から出てわざわざファルケンブルクまでやってきている。
そのため、ここ最近は民族衣装というかアロハを着たエルフなどを街中でかなり見かけるようになった。
「準備できたよお兄ちゃん!」
「じゃあ行くか。ミコトもエマも準備いいか?」
「「うん!」」
「兄さま、本当にお弁当は持っていかないんですか?」
「クレア、昼飯は屋台で食おう。亜人国家連合やエルフ王国の色んな屋台が出てて盛況らしいから」
「でもお高いんでしょう?」
「いやそんな深夜の通販みたいなセリフ……。大丈夫だよクレア。亜人国家連合とエルフ王国の物価はここより安いから、こっちでは税金分を上乗せしてもファルケンブルクの屋台と変わらない値段なんだってさ」
「そうですか。でも外食はどうしてもお弁当よりコストが高くなりますからね」
「たまに外で食うくらいいいだろ。それにうちだって外食産業に手を出してるんだし、経済を考えたらどんどん金を使うべきだしな」
「それはわかりますが……」
「はいはい、もう行くぞ。今日はそれほど遠くないから歩いていくからな。ミコトとエマはちゃんと手をつないでエリナやクレアからあまり離れないように」
「「はーい!」」
ミコトとクレアが仲良く手をつないで俺たちを先導する。
真っ白な半袖のワンピースに麦わら帽子、小さなポシェットまでお揃いのふたりだ。
今日はじめて着る新しい服と、珍しい食べ物が食べられると聞いてやたらとテンションが高い。
「たのしみだねエマちゃん!」
「うん! みこねー!」
「お兄ちゃん楽しみだねー」
エリナが娘ふたりと同じセリフを言うが、全く違和感がない。もう二十歳なのに。
「亜人国家連合とエルフ王国の屋台って何があるのかね」
「麺類が特に人気みたいですよ兄さま」
「うちでもパスタ弁当は安くてボリュームがあるって人気だしな」
「本場のやきそばも食べられるのかなお兄ちゃん!」
「亜人国家連合の中華麺は美味いらしいしあるんじゃないか? 屋台と焼きそばは最強の組み合わせだし」
「楽しみ!」
「私も楽しみです兄さま!」
「せっかくだから焼きそばじゃなくてもっと良い物食べようぜ」
通り過ぎる人たちに挨拶しながら、きゃっきゃと少し早足で俺たちの前を歩くミコトとエマはもうファルケンブルクの町ではアイドル扱いだ。
「今日も可愛いわねミコトちゃん! エマちゃん! おばちゃん飴を持ってるからふたりにあげるわね」
「ありがとうございます! お姉さん!」
「ありがとーおねーさん!」
「まあ、本当に可愛い!」
明らかにお姉さんじゃないおばちゃんが嬉しそうに飴を渡すと、ミコトとエマはお礼を言いながらそれぞれポシェットの中に飴をしまう。
終始この調子で愛想を振りまいてるので、家に帰るとふたりのポシェットにはいつもお菓子が大量に入っているのだ。
なんて末恐ろしい。
「お世辞でもなんでもなく素で言ってるのがヤバいな」
「おばちゃんって単語を知らないわけじゃないんだけどね」
「うーむ。将来どうなるんだろうな」
ひょっとしてアイドル活動みたいなのもできるかもしれない。
歌とダンスを覚えさせようか、いやまてその前にテレビ局だ。可愛い我が子を全世界に知らしめねば!
そういや歌もダンスも学校の授業にまだ取り入れてないんだよな。
楽師の才能があるかもしれない子どもがいるかもしれないから、楽器は定期的に触らせてるけど、きちんと曲が弾けるようになるとか、歌を歌えるようにするような授業はなかった。
今後は芸術系の授業も増やさないと駄目だな。幸い楽師はファルケンブルクにもいるし。
などとむむむと考えていると
「お兄ちゃんまたアホなこと考えてるでしょ?」
「む。そんなこと無いぞと言いたいがその通りだぞエリナ」
「兄さまはわかりやすいですからね」
「そこまでアホなことじゃないぞ多分。芸術系の授業を増やさないとなって思っただけだし」
「芸術系?」
「歌とかダンスとか。あとは絵を描いたり物語を書いたりとまあ色々だ」
「お歌は家では教えてるけど種類は少ないね」
「どんな才能があるかわからんから、幼いうちに色々やらせてみないとな」
「ミコトちゃん! エマちゃん! お歌を歌いながら歩こうか!」
「「はーい!」」
エリナに促されたふたりは、ららら~と声を合わせ、繋いだ手をぶんぶん振り、歌いながら歩く。
まるで天上の天使が舞っているようなふたりの周りには、いつの間にか買い物客が集まっていた。
「ヤバい可愛い」
「可愛いよね!」
「そうですね兄さま、ねえさま! 可愛すぎです!」
ミコトとエマの可愛さに取りつかれた群衆をモーゼの海割りのように割って突き進み、市場にある屋台ゾーンへ向かう。
はやくテレビ局を開局しないと。
そうするとまず電波塔かな?
城の真上に建てるかなーとミコトとエマから視線を外すと、例の北側、魔導士協会本部の方にいつのまにかまた建造物が建っていることに気づく。
中央に近いここから見えるってことは相当高いのだろう。
横にある緊急時には変形するらしい防御塔と向かい合わせのように一棟の細長い塔が建っていた。
「なあ、エリナ、クレア。魔導士協会の防御塔の横に建ってる細長い塔って見たことあるか?」
「昨日晩ご飯を食べに来たお爺ちゃんから、監視塔を建てたって聞いたよ」
「また未許可でそんなことを」
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