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第六章 ヘタレ領主の領地改革
第二十四話 本当の家族
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無事年も明け、皆それぞれ一歳年齢が上がる。
俺は二十歳になり、エリナは十七歳、クレアは十一歳、クリスは二十三歳、シルは十九歳だ。婆さんは知らん。
普段はとっくに寝ている時間まではしゃいで、更に年越しうどんまで食ってたガキんちょどもは次々と寝室へと向かう。
婆さんは、ミコトに一緒に寝ると駄々をこねられて、にこにこしながら女子チームの寝室に向かっていった。
「はいはい、みなさんもう休みましょうね」
普段着にエプロンを着けた保母さんモードのクリスが、未だリビングに残るガキんちょに声をかけて、寝室へと促す。
男子だけじゃなく、女子もクリスの言うことには素直に従うんだよな。
「兄さま、片付けを始めちゃいますね」
「今日は疲れただろ、明日で良いから早く休め」
「うーん、<治癒>」
具合が悪そうなエリナが、また自分で治癒魔法を使っている。
「エリナ、まだ体調悪いのか?」
「うん……今までならすぐ治ってたんだけど……風邪かなあ。治癒魔法の効きにくい風邪かも……」
「治癒魔法の効きにくい病気って、亜人国家連合の疫病かもしれん。おい」
俺がそう声を掛けると、メイドさんがいつの間にか横に控えているので、「大至急医者を頼む、それと亜人国家連合で流行った疫病を熟知した人間もだ」と言うと、「かしこまりました、すぐに」と声を残して消えた。
大丈夫かな、亜人国家連合の方は有効な治療法が見つかったって話だから問題はないだろうけど、辛そうなエリナを見てると少し焦ってしまう。
「姉上、エリナちゃんを診てくださいませ」
シルが心配そうにエリナを抱き締めると、丁度ガキんちょどもを寝室に送ってきたクリスに声を掛ける。
「ええ、すぐに。旦那様、お医者様は呼ばれましたか?」
速足でエリナに駆け寄り、シルに代わってエリナを抱きしめるクリス。
「ああ、今メイドさんに頼んだ。亜人国家連合で流行った疫病を熟知してる人間と一緒にな」
「かしこまりました。では、それまではわたくしがエリナちゃんを診ますわね」
そういうと、クリスは正座した自分の膝にエリナの頭を乗せて横にする。クレアが手早く毛布を持ってきてエリナに掛けてやる。
「えへへ、クリスお姉ちゃんいい匂い」
「ふふふっ、ありがとう存じますエリナちゃん。治癒魔法を使いますね<治癒>」
クリスがエリナの頭を優しく撫でながら治癒魔法を行使する。おや? という反応をしたクリスは、もう一度治癒魔法を行使するが、同じような反応だ。治癒魔法を使って効果が合ったか無かったって、上位の術者になると手応えでわかるんだっけ。
「どうしたクリス」
「いえ……。エリナちゃん、気持ちが悪い以外にどこか具合の悪いところはありますか?」
「ちょっと胸が苦しくて、熱っぽいかなあ」
「月のものはどうですか?」
「……そう言えば……」
「なるほど。旦那様、心配ございませんわ。ただ一応お医者様に診ていただきましょう」
クリスはエリナの髪を梳かすように撫でる。エリナは「お姉ちゃん、そうなのかなあ? だったら嬉しいなあ」「ええ、多分。でも一応お医者様に診ていただきましょうね、エリナちゃん」「うん」などと仲睦まじくやり取りしている。
「なあクリス、疫病じゃないのか?」
「ええ、その心配はございませんわ。亜人国家連合で流行った疫病に関してはわたくしも存じておりますし、症状が違いますから」
「そうか、なら治癒魔法が効きにくい風邪かもな。医者が来る前に片付けちゃうか。クレア、シル」
「はい兄さま」
「お任せ下さいませお兄様!」
ガチャガチャとガキんちょどもが食べ終わった食器やら玩具やらを片付けていく。普段はちゃんと玩具とか絵本を仕舞うのに、本当に眠くなるギリギリまで遊んでたんだなと考えながら厨房で食器を洗っていると、ふと思い付く。
「クレア、消毒魔法とかあったっけ? アルコールやら次亜塩素酸水を散布しないと駄目なんだっけ?」
「何言ってるんですか兄さま。姉さまは病気じゃないですよ。あ、でも湿度には気を付けないといけないですから、あとで水蒸気の魔法を使っておきますね」
「まあ食べ過ぎか風邪っぽいって感じだから病人扱いは可哀想か、とは言え風邪予防は大事だからな。空気が乾燥していると良くないんだっけ」
「お兄様って……」
「シル姉さま、放っておきましょう」
「ええクレアちゃん」
クレアとシルが俺を憐れむように視線を向ける。なんだよ、風邪予防に消毒するのはそれほどおかしくはないだろ 。あれ? あまり無菌状態にしてもかえって病気に対して良くないんだっけ?
などと脳内で反論していると、クレアが「お医者様ですかね?」と防御魔法に反応があったことを知らせる。「クレアちゃん、深夜ですしわたくしが対応します」とシルが飛び出すように玄関に向かう。敵対心持ってたらクレアが弾くから平気だと思うんだけどな、と思いつつ、ある程度片付いたので厨房を出てエリナのもとへ向かう。
クリスに膝枕されているエリナの側に胡座をかいて座る。クレアは俺の横にちょこんと正座だ。顔色は良くなったのかな? クリスとやたらと楽しそうに話をしているし、大分良くなったっぽいな。クリスの魔法も効果あったんだろうか。
「お兄様! エリナちゃん! お医者様がきましたよ!」
落ち着きのないシルが医者を連れてくる。四十歳くらいの女医だ。
この領地一番の名医のモンドとかいう医者は亜人国家連合に行ってるので、この領地で二番目の名医が女性だって話だから、ひょっとしたらその名医かも。
早速女医はエリナに問診し、脈を測ったり口の中を診たりしている。
お腹に手を当て、なんらかの魔法まで行使してる念の入りようだ。
一通り診察が終わったらしく、エリナにボソボソと女医が話をしている。
「じゃあ!」
「はい。おめでとうございます」
「お兄ちゃん!」
エリナがガバッと跳ね起き、俺に抱きついてくる。
「エリナ、大人しくしてろって」
「お兄ちゃん! お兄ちゃんの赤ちゃん!」
「待て待て、赤ちゃんプレイの件はトップシークレットだろ」
「違うの! お兄ちゃんの性癖の話じゃなくて! お兄ちゃんの赤ちゃんが出来たの!」
「性癖って……へ?」
「お兄ちゃんの赤ちゃんが出来たの!」
「おお! マジか!」
「うん! お兄ちゃんの赤ちゃんだよ!」
「でかしたエリナ!」
ぎゅっとエリナを抱きしめる。
「私……お兄ちゃんに家族を……本当の家族を……」
エリナが嗚咽を堪えながら声を絞り出す。
「ありがとうエリナ。でも俺にはもう本当の家族はいるんだから。俺はな、ただただ俺とエリナの子供が出来たのが本当に嬉しいんだ」
「うん……うん」
「だから、ありがとうエリナ。愛してるぞ」
「うん! 私も愛してる!」
年明け早々に嬉しいニュースが飛び込んでくる。俺たちは血の繋がった家族というものを知らない。エリナはそれを俺に与えられると喜んでくれたのだ。
でもなエリナ。血なんか繋がってなくったっていくらでもそれ以上の繋がりを作る事は出来るんだよ。
クリスやシルは血の繋がった父親と兄とは縁を切って俺たちの本当の家族になってくれた。
本当の家族はな、血なんか繋がってなくたって良いんだよ。
だってそれを俺に教えてくれたのはエリナなんだから。
――ありがとう。エリナ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
今回で第六章は終了です。
次回更新より第七章が始まります。
七章は亜人国家連合から新ヒロインが登場して更に改革を進めていく流れになります!
また、ヘタレなトーマ君は無事にパパになれるのでしょうか?
「ヘタレ転移者」を引き続き応援よろしくお願い致します!
本作は小説家になろう、カクヨムでも掲載しております。
よろしければそちらでも応援いただけますと励みになります。
また、小説家になろう版は、序盤から新規に挿絵を大量に追加したうえで、一話当たりの文字数調整、加筆修正、縦読み対応の改稿版となります。
ファンアート、一部重複もありますが、総数で100枚を超える挿絵を掲載し、九章以降ではほぼ毎話挿絵を掲載しております。
是非挿絵だけでもご覧くださいませ。
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具合が悪そうなエリナが、また自分で治癒魔法を使っている。
「エリナ、まだ体調悪いのか?」
「うん……今までならすぐ治ってたんだけど……風邪かなあ。治癒魔法の効きにくい風邪かも……」
「治癒魔法の効きにくい病気って、亜人国家連合の疫病かもしれん。おい」
俺がそう声を掛けると、メイドさんがいつの間にか横に控えているので、「大至急医者を頼む、それと亜人国家連合で流行った疫病を熟知した人間もだ」と言うと、「かしこまりました、すぐに」と声を残して消えた。
大丈夫かな、亜人国家連合の方は有効な治療法が見つかったって話だから問題はないだろうけど、辛そうなエリナを見てると少し焦ってしまう。
「姉上、エリナちゃんを診てくださいませ」
シルが心配そうにエリナを抱き締めると、丁度ガキんちょどもを寝室に送ってきたクリスに声を掛ける。
「ええ、すぐに。旦那様、お医者様は呼ばれましたか?」
速足でエリナに駆け寄り、シルに代わってエリナを抱きしめるクリス。
「ああ、今メイドさんに頼んだ。亜人国家連合で流行った疫病を熟知してる人間と一緒にな」
「かしこまりました。では、それまではわたくしがエリナちゃんを診ますわね」
そういうと、クリスは正座した自分の膝にエリナの頭を乗せて横にする。クレアが手早く毛布を持ってきてエリナに掛けてやる。
「えへへ、クリスお姉ちゃんいい匂い」
「ふふふっ、ありがとう存じますエリナちゃん。治癒魔法を使いますね<治癒>」
クリスがエリナの頭を優しく撫でながら治癒魔法を行使する。おや? という反応をしたクリスは、もう一度治癒魔法を行使するが、同じような反応だ。治癒魔法を使って効果が合ったか無かったって、上位の術者になると手応えでわかるんだっけ。
「どうしたクリス」
「いえ……。エリナちゃん、気持ちが悪い以外にどこか具合の悪いところはありますか?」
「ちょっと胸が苦しくて、熱っぽいかなあ」
「月のものはどうですか?」
「……そう言えば……」
「なるほど。旦那様、心配ございませんわ。ただ一応お医者様に診ていただきましょう」
クリスはエリナの髪を梳かすように撫でる。エリナは「お姉ちゃん、そうなのかなあ? だったら嬉しいなあ」「ええ、多分。でも一応お医者様に診ていただきましょうね、エリナちゃん」「うん」などと仲睦まじくやり取りしている。
「なあクリス、疫病じゃないのか?」
「ええ、その心配はございませんわ。亜人国家連合で流行った疫病に関してはわたくしも存じておりますし、症状が違いますから」
「そうか、なら治癒魔法が効きにくい風邪かもな。医者が来る前に片付けちゃうか。クレア、シル」
「はい兄さま」
「お任せ下さいませお兄様!」
ガチャガチャとガキんちょどもが食べ終わった食器やら玩具やらを片付けていく。普段はちゃんと玩具とか絵本を仕舞うのに、本当に眠くなるギリギリまで遊んでたんだなと考えながら厨房で食器を洗っていると、ふと思い付く。
「クレア、消毒魔法とかあったっけ? アルコールやら次亜塩素酸水を散布しないと駄目なんだっけ?」
「何言ってるんですか兄さま。姉さまは病気じゃないですよ。あ、でも湿度には気を付けないといけないですから、あとで水蒸気の魔法を使っておきますね」
「まあ食べ過ぎか風邪っぽいって感じだから病人扱いは可哀想か、とは言え風邪予防は大事だからな。空気が乾燥していると良くないんだっけ」
「お兄様って……」
「シル姉さま、放っておきましょう」
「ええクレアちゃん」
クレアとシルが俺を憐れむように視線を向ける。なんだよ、風邪予防に消毒するのはそれほどおかしくはないだろ 。あれ? あまり無菌状態にしてもかえって病気に対して良くないんだっけ?
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「待て待て、赤ちゃんプレイの件はトップシークレットだろ」
「違うの! お兄ちゃんの性癖の話じゃなくて! お兄ちゃんの赤ちゃんが出来たの!」
「性癖って……へ?」
「お兄ちゃんの赤ちゃんが出来たの!」
「おお! マジか!」
「うん! お兄ちゃんの赤ちゃんだよ!」
「でかしたエリナ!」
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「私……お兄ちゃんに家族を……本当の家族を……」
エリナが嗚咽を堪えながら声を絞り出す。
「ありがとうエリナ。でも俺にはもう本当の家族はいるんだから。俺はな、ただただ俺とエリナの子供が出来たのが本当に嬉しいんだ」
「うん……うん」
「だから、ありがとうエリナ。愛してるぞ」
「うん! 私も愛してる!」
年明け早々に嬉しいニュースが飛び込んでくる。俺たちは血の繋がった家族というものを知らない。エリナはそれを俺に与えられると喜んでくれたのだ。
でもなエリナ。血なんか繋がってなくったっていくらでもそれ以上の繋がりを作る事は出来るんだよ。
クリスやシルは血の繋がった父親と兄とは縁を切って俺たちの本当の家族になってくれた。
本当の家族はな、血なんか繋がってなくたって良いんだよ。
だってそれを俺に教えてくれたのはエリナなんだから。
――ありがとう。エリナ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
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