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第一章 新しい世界
第七話 子供はいつも身綺麗に
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とぼとぼと防具屋を出る。
塩対応ならまだ良かったけどクズ扱いは結構ダメージ受けるな。
ヘタレだからあれ以上言い返せない。悔しい。
「もうお兄ちゃん! くよくよしたってしょうがないでしょ! 待ち時間の間に買い物しちゃおうよ!」
「そうだな、気を取り直してガキんちょ共の飯を買いに行くか」
「うん!」
「その前にシャンプー買うぞシャンプー。案内してくれ」
「えっでも勿体ないよ? 私たち使ったことも無いし」
「勿体ないのは、せっかく綺麗な髪をしてるのにシャンプーを使わないエリナの方だろ」
「えっ」
手櫛でエリナの髪を梳きながら言う。
「少し傷んでるじゃないか。手櫛でも少し引っかかるし。俺が嫌なんだよ。子供たちが身綺麗にしていないのを見るだけでもな」
「お兄ちゃん......」
「孤児院にある風呂を見たが石造りだろ? あれなら俺が頑張って毎日水を運んで、火魔法で薪を使わずに適温にできるかもしれない。火魔法で何とかならなくても薪代くらいは俺が何とかしてやる。毎日風呂に入って清潔にすれば病気になる確率も下げられるし、健康にも良いんだぞ。それにこれからもっと汗をかく季節になるんだしさ」
「うん......ありがとうお兄ちゃん」
あぁつい熱弁してしまった。
実際孤児院の建物はボロいけど、室内は毎日頑張って掃除してるのか清潔に保たれている。
着てる物もあて布とか繕いが多いけど、毎日洗濯してるのか頑張って綺麗にしようとしてる。
だったら風呂にだって毎日入れてやりたいじゃないか。
「というわけでシャンプー売ってるところへ連れてってくれるか?」
「うん! ありがとうねお兄ちゃん!」
「俺の金じゃないんだし気を遣う事は無いんだぞ」
「それでもありがとうだよお兄ちゃん!」
「あーはいはい、早く連れてってくれ」
ぎゅっと俺の腕にしがみついてくるエリナ。
見上げる目は「照れてるんでしょお兄ちゃん」と言っている目だ。
エリナは、んふふーと上機嫌なまま、俺と腕を組んで歩いていく。
この腕に伝わる感触じゃさっきの予想以上に胸甲の緩衝材は目いっぱい詰めないと駄目だろうな。
「ここだよ多分!」
「多分って」
「買ったことないからね。いつも石鹸を買う店にはシャンプーは置いてなかったけど、このお店なら多分あるよ」
「じゃあ入るか」
ここも武器屋と同じような一軒家の建物の店だ。
ただし入口の装飾やらが立派だし、鎧戸じゃなくガラス窓がはまってるところを見ると、たしかにエリナたち孤児には少し入りにくい高級感がある。
「シャンプーを買いに来たんだが」
店に入り、明らかに今までの店とは違う店員の仕立ての良い服装に軽くビビりながらも、手早く迅速に要件を伝える。
ヘタレゆえに高級っぽい店に入ってすぐに「冷やかしじゃないですよ、買い物客ですよ」とアピールをしたわけではない。
「いらっしゃいませ。シャンプーでしたらこちらです」
品の良い中年女性に言われたガラスケースの中にシャンプーが並んでる。
やっぱ高いのか? と思って見ると手のひらサイズの梅干しの壺みたいな入れ物に入って銅貨三百枚だ。
たしかに高めだとは思うが、日本の高級シャンプーと変わらん位だな。
「この子の髪に合う物を探してるんだが」
腕にしがみついてるエリナを剥がして背中を押す。
エリナだよといつもの台詞は言わない。
高級店っぽい雰囲気にのまれてるのかこいつ。
ヘタレ認定してやろう。
「長くて綺麗な髪のお嬢様ですね、大変可愛らしいです。でしたら少しお高くなりますがこちらがお勧めですよ。髪の艶が良く出ると、大変好評を頂いております」
綺麗な髪のお嬢様と言われて顔が真っ赤になったエリナ。
俺の顔を見てめっちゃ笑顔だ。
多分お嬢様だって! 私お嬢様に見える!? と言いたいんだろう。
今日のエリナは外出するという事で一番綺麗な服を着てきたらしく、継ぎ接ぎは無いし汚れてもいないが、明らかに庶民の平服だ。お嬢様は流石に盛り過ぎだろう。
店員がピンク色の陶器っぽい壺を出す。
値札は銅貨五百枚。
これなら全然余裕だ。
ケースの中には同じようなサイズで銀貨数枚の超高級品もある。
金の無さそうな庶民相手でも馬鹿にせず、ちゃんと客の要望を見極めてる感じがする。
この町の商売人は当たりばかりだな。
防具屋もアレだったけどサービスは素晴らしかったし。
それと比較すると初見で絡んできたあの冒険者はほんとクズだったな。
そりゃあんなのばかりなら冒険者ってだけでクズ扱いされるのも納得できる。
「この子の髪でどれくらい持つ?」
「お嬢様の髪の長さなら指三本くらいで掬って一回分ですので、毎日使っても一ヶ月以上は持つと思いますよ」
「じゃあ俺くらいの長さなら指二本で良いのか?」
「そうですね、それでも少し多いかもしれませんので、指一本につけてお湯で延ばせば十分かと思いますよ。上手く洗えてないようでしたらもう一回指につけてという感じで適量を試していただければ」
「ならそれを一つと一番安い物を一つ頼む。安い物でも使う量は変わらないのか?」
「一緒でございます」
カウンター付近を見渡すとヘアブラシが置いてある。
一本銅貨百枚だ。安いしこれも買うか。
「エリナ、お前と婆さん含めて女性陣は何人いる?」
「六人だよ。というか覚えてないの?」
「ちっちゃいのは男女の区別がつかん。じゃあこのヘアブラシも六本頼む」
「ありがとうございます。銀貨一枚と銅貨四百枚になります。あとこちら試供品です。お持ちください」
「石鹸か?」
「はい、肌に優しくてより綺麗になる新商品です。これも好評頂いてるんですよ。可愛らしいお嬢様に是非」
「ありがとう、使ってみて合うようならまた買いに来る」
「ありがとうございます。試供品二個にしておきますね」
「悪いな」
「いえ、また是非お立ち寄りください」
商品を受け取る時に、エリナが店員から使用方法の説明を受けている。
最初は緊張していたエリナだが、ふんふんと一生懸命説明を聞いている。
説明が終わり、エリナが「ありがとうございます!」とお礼を言うと、店員もしっかり頭を下げて、是非またおいでくださいねと言っている。
なんとなく気分が良くなり、銀貨一枚と銅貨四百枚を払って店を出る。
ギルドで貰った地図にはこの店は特に印がついてなかったし、登録証で割引は効かないだろうと思って見せてすらいない。
あの高級店で自分はクズの一員ですと自己主張するのを避けた訳じゃない。
決してヘタレだからでは無い。
サービスに満足したから割引の必要性を感じなかっただけなのだ。
店から出た途端、予想通りエリナが聞いてくる。
「ねぇねぇお兄ちゃん! 私お嬢様だって! お嬢様に見える!?」
「シャンプーを使って髪を綺麗にしたらお嬢様に見えるんじゃないか?」
エリナは、んふふー! と超ご機嫌だ。
また俺の腕にしがみついてくる。
「お兄ちゃん、わざわざ高いシャンプーを買ってよかったの? あとブラシも」
「女の子連中はピンクの壺のシャンプーを使うんだぞ。男連中は安い茶色の壺に入った奴で十分だ。あとエリナが毎日女の子連中の髪を梳かしてやるんだぞ」
「うん!」
「あの店員わざわざ六本のヘアブラシの柄の色を変えてくれたから、それぞれ一本ずつ自分の物にして良いからな」
「ありがとうお兄ちゃん!」
「男どもにはどうすっかなー。エリナなんか良いアイデア無いか?」
「んー、遊び道具が少ないから玩具とか?」
「それだ、よし玩具屋へ連れてってくれ」
「玩具屋かー、どこだっけ」
二人で地図を見ながらうろうろしてそれっぽい店を見つけた。
ボールやら小さな木彫りの馬に車輪がついたものなど色々買った。
「ケンカにならないか?」
「良い子達だから大丈夫だよ。結局みんなで遊ぶようになるんじゃないかな? 女の子にも遊ばせてあげると思うよ」
「ほー、そりゃ良い子達だ」
「ほとんど手がかからないし、アランも男の子の年長で頑張ってるしね」
「そっか、ガキんちょ一号は確かに素直だったな」
「一号じゃないよ、アランだよ」
「じゃあ良い子にお留守番してるアラン達が喜ぶような飯を作ってやるか」
「うん!」
昼に食べた屋台の本業の肉屋でソーセージとベーコンを多めに買う。
丁度屋台を閉めたのか、昼に会った親父が対応してくれて、またおまけしてもらった。
他にも野菜やら小麦粉やら油などを買い足す。
あとトマトソースがあったのはありがたい、値段も安かったし。
肉屋の親父に聞いたパン屋でふくらし粉ってものもあったけどちょっと高いな。
でもパンと一緒に購入する。
買い物を終えてチ〇カシを見るとすでに防具屋を出てから三十分をとっくに過ぎていた。
またあそこに戻るのか......。
でも良い店ではあるんだよな。
「時間過ぎたから防具屋に行くか。ちょっと嫌だけど」
「じゃあこっちだね! ヘタレなお兄ちゃん!」
ご機嫌なエリナが腕を組んできて先導する。
「ク、トーマ様、防具の調整終わっておりますよ」
「ねえ、またクズって言おうとしたよね」
「こちらになります。お手入れの道具などもサービスでお付けしましたのでお持ちください」
「サービス満点の超優良店じゃねぇか。悔しいけどまた来ちゃう」
「またお待ちしております」
凄くにこやかな笑顔でそういわれた俺は、またとぼとぼと防具屋を出る。
背負い籠にはもう入らないので、防具等が包まれている布を両手で抱える。
ちゃんと持ちやすいように頑丈な布で包んでくれた気遣いが嬉しくて悔しい。
最高の店だけど最低の店だったな。また来るけど。
「じゃあ帰るか」
「うん!」
俺の両手が塞がっているのを見て、先程と同じようにエリナが腕を組んでくる。
ふんふんふーんとご機嫌なエリナと一緒に帰り道を急ぐ。
段々周囲の雰囲気が悪くなっていくのももう慣れた。
一応注意は怠らないが。
そうだ、魔法を使ってみるか。
探査魔法は薄く伸ばしたバリアだったよな?
ならば
「<ウインディシールド>!」
「お、出た」
「お兄ちゃんなんの魔法を使ったの?」
「防御魔法だけど探査魔法っていうか、ま、用心のためだな。俺の魔力じゃ防御力は期待できないだろうけど、不意に近づこうとする奴くらいはわかるかもしれないし」
「じゃあ私も使ってみて良い?」
「いや、エリナは魔力回復が十分じゃないからやめておこう。あとで風呂を沸かすときにお願いするかもしれないし」
「わかった!」
「なぁエリナ」
「なあに? お兄ちゃん」
「まだ魔法は一人の時に使っちゃ駄目だぞ。俺が返事できない状態だったりする緊急時には仕方が無いけど、緊急時以外に使う時は俺に確認する事」
「はい!」
「あと一人で孤児院から勝手に出たりするなよ。ガキんちょ共にもちゃんと言っておいてくれ」
「院長先生から言われてるし大丈夫だよ」
「あと扉も不用意に開けるなよ。俺が初めて孤児院に来た時はガキんちょ共が扉を開けた途端群がってきたぞ」
「あれは院長先生が魔法で戸締りしてたからね。あの子たちは扉が開いた時点で院長先生が帰ってきたってわかったんじゃないかな?」
「そんな魔法もあるのか」
「だから孤児院の中は安心なんだって院長先生が言ってたよ。一応敷地全部に防御魔法張ってあるみたいだし」
「そうか、じゃあ病気を治す治癒魔法はそれだけ魔力を使うのか」
「傷を治すよりかなり魔力が必要みたいだからね」
「確かに病原菌を除去するなり弱った内蔵なんかを治すのって複雑そうだしな。だからこそ薬草に価値があるんだろうけど」
二人でそんな事を話しながら歩いていると孤児院にたどり着く。
エリナが「院長先生戻りました」と声を掛けると、ガチャリと小さな音がする。
たしかにこれなら安心かな。
そういやガキんちょ一号も挨拶してたな。
俺の腕からするりと自分の腕を抜いたエリナが扉を開けてくれ、中に入るとガキんちょ共が群がって迎えに来る。
婆さんも一緒だ。
酔っ払いのおっさんに絡まれなくて良かったな。
てっきり帰り道にでも襲われるんじゃないかと思ったけど、冒険者ギルドの手際が良いのかも知れない。
「婆さんもう大丈夫なのか?」
「ええ、もうだいぶ痛みは無くなりました」
「なんだ、まだ少しでも痛むのなら横になっててくれ。あとは俺がガキんちょ共の世話をするから」
「ありがとうございます。ではそうさせて頂きますね。エリナ、トーマさんのお手伝いをよろしくね」
「はい! 院長先生!」
「じゃあ荷物を降ろしたらエリナはガキんちょ共にお土産を渡してくれるか? あ、婆さんにはこれね」
「うん!」
婆さんにはガキんちょ共には一番不人気であろう紫色をチョイスして渡す。
「まぁ、お婆ちゃんにこんな素敵なものを」
「高い物じゃないから気にしないでくれ」
「トーマさんありがとうございます」
「あとスマン、婆さんに相談無くエリナを冒険者ギルドに所属させてしまった。でも一人で勝手な事はさせないし面倒は俺が見るから許可してやってくれないか? 魔法の才能がかなり高いんだよ。俺としても採取などの作業を手伝って貰うと助かるんだが」
「エリナが望んだことなら構いませんよ」
「院長先生ありがとうございます!」
「トーマさんのいう事を良く聞くのですよ」
「はい!」
「トーマさん、エリナをよろしくお願いいたします。あといつも色々とありがとうございます」
「ああ、任せてくれ。じゃあ話も済んだし、台所に行くぞエリナ」
「お兄ちゃん照れてるよね?」
「はいはい、行くぞ」
「ヘタレだねお兄ちゃん」
「うっさい」
台所に行き食材を置くと、リビングに背負い籠と防具を持っていく。
本と玩具とヘアブラシとシャンプー、試供品の石鹸をエリナに渡し、ガキんちょ共に使い方を説明させる。
男連中は新しい玩具に声を上げて喜んでるし、女連中は自分のブラシを持てて嬉しいのか、いっちょ前に早速髪を梳かしだした。
そういえば頭皮マッサージも良いんだよな。
俺はハゲてないけど。
好評なら男連中のブラシも買ってくるか。ハゲてないよ?
「じゃあちょっと晩飯の仕込みをしちゃうからエリナはガキんちょ共を見ててくれ」
「お兄ちゃん私も手伝うよ!」
「パン生地を仕込むだけだから一人で大丈夫だよ」
「わかった!」
台所に戻り早速パン生地を仕込む。
強力粉と薄力粉の区別がつかなかったが、パン用の小麦で買ってきたから大丈夫かな。
季節も<転移>前と同じ初夏だ。
一時間くらい発酵させれば十分だろ。
そういえば昼飯は足りたんだろうか? 食べた後の食器やシチューの入った鍋などは全て綺麗に洗われていた。
本当に良く出来たガキんちょ共だな。
つい笑顔が出てしまうが今は俺一人だ。
気持ち悪がられることも無い。
さあ、次は良く出来たガキんちょ共の為に風呂の準備をしてやるか。
俺はんーと腕を上げて伸びをすると、台所を出てリビングに向かう。
塩対応ならまだ良かったけどクズ扱いは結構ダメージ受けるな。
ヘタレだからあれ以上言い返せない。悔しい。
「もうお兄ちゃん! くよくよしたってしょうがないでしょ! 待ち時間の間に買い物しちゃおうよ!」
「そうだな、気を取り直してガキんちょ共の飯を買いに行くか」
「うん!」
「その前にシャンプー買うぞシャンプー。案内してくれ」
「えっでも勿体ないよ? 私たち使ったことも無いし」
「勿体ないのは、せっかく綺麗な髪をしてるのにシャンプーを使わないエリナの方だろ」
「えっ」
手櫛でエリナの髪を梳きながら言う。
「少し傷んでるじゃないか。手櫛でも少し引っかかるし。俺が嫌なんだよ。子供たちが身綺麗にしていないのを見るだけでもな」
「お兄ちゃん......」
「孤児院にある風呂を見たが石造りだろ? あれなら俺が頑張って毎日水を運んで、火魔法で薪を使わずに適温にできるかもしれない。火魔法で何とかならなくても薪代くらいは俺が何とかしてやる。毎日風呂に入って清潔にすれば病気になる確率も下げられるし、健康にも良いんだぞ。それにこれからもっと汗をかく季節になるんだしさ」
「うん......ありがとうお兄ちゃん」
あぁつい熱弁してしまった。
実際孤児院の建物はボロいけど、室内は毎日頑張って掃除してるのか清潔に保たれている。
着てる物もあて布とか繕いが多いけど、毎日洗濯してるのか頑張って綺麗にしようとしてる。
だったら風呂にだって毎日入れてやりたいじゃないか。
「というわけでシャンプー売ってるところへ連れてってくれるか?」
「うん! ありがとうねお兄ちゃん!」
「俺の金じゃないんだし気を遣う事は無いんだぞ」
「それでもありがとうだよお兄ちゃん!」
「あーはいはい、早く連れてってくれ」
ぎゅっと俺の腕にしがみついてくるエリナ。
見上げる目は「照れてるんでしょお兄ちゃん」と言っている目だ。
エリナは、んふふーと上機嫌なまま、俺と腕を組んで歩いていく。
この腕に伝わる感触じゃさっきの予想以上に胸甲の緩衝材は目いっぱい詰めないと駄目だろうな。
「ここだよ多分!」
「多分って」
「買ったことないからね。いつも石鹸を買う店にはシャンプーは置いてなかったけど、このお店なら多分あるよ」
「じゃあ入るか」
ここも武器屋と同じような一軒家の建物の店だ。
ただし入口の装飾やらが立派だし、鎧戸じゃなくガラス窓がはまってるところを見ると、たしかにエリナたち孤児には少し入りにくい高級感がある。
「シャンプーを買いに来たんだが」
店に入り、明らかに今までの店とは違う店員の仕立ての良い服装に軽くビビりながらも、手早く迅速に要件を伝える。
ヘタレゆえに高級っぽい店に入ってすぐに「冷やかしじゃないですよ、買い物客ですよ」とアピールをしたわけではない。
「いらっしゃいませ。シャンプーでしたらこちらです」
品の良い中年女性に言われたガラスケースの中にシャンプーが並んでる。
やっぱ高いのか? と思って見ると手のひらサイズの梅干しの壺みたいな入れ物に入って銅貨三百枚だ。
たしかに高めだとは思うが、日本の高級シャンプーと変わらん位だな。
「この子の髪に合う物を探してるんだが」
腕にしがみついてるエリナを剥がして背中を押す。
エリナだよといつもの台詞は言わない。
高級店っぽい雰囲気にのまれてるのかこいつ。
ヘタレ認定してやろう。
「長くて綺麗な髪のお嬢様ですね、大変可愛らしいです。でしたら少しお高くなりますがこちらがお勧めですよ。髪の艶が良く出ると、大変好評を頂いております」
綺麗な髪のお嬢様と言われて顔が真っ赤になったエリナ。
俺の顔を見てめっちゃ笑顔だ。
多分お嬢様だって! 私お嬢様に見える!? と言いたいんだろう。
今日のエリナは外出するという事で一番綺麗な服を着てきたらしく、継ぎ接ぎは無いし汚れてもいないが、明らかに庶民の平服だ。お嬢様は流石に盛り過ぎだろう。
店員がピンク色の陶器っぽい壺を出す。
値札は銅貨五百枚。
これなら全然余裕だ。
ケースの中には同じようなサイズで銀貨数枚の超高級品もある。
金の無さそうな庶民相手でも馬鹿にせず、ちゃんと客の要望を見極めてる感じがする。
この町の商売人は当たりばかりだな。
防具屋もアレだったけどサービスは素晴らしかったし。
それと比較すると初見で絡んできたあの冒険者はほんとクズだったな。
そりゃあんなのばかりなら冒険者ってだけでクズ扱いされるのも納得できる。
「この子の髪でどれくらい持つ?」
「お嬢様の髪の長さなら指三本くらいで掬って一回分ですので、毎日使っても一ヶ月以上は持つと思いますよ」
「じゃあ俺くらいの長さなら指二本で良いのか?」
「そうですね、それでも少し多いかもしれませんので、指一本につけてお湯で延ばせば十分かと思いますよ。上手く洗えてないようでしたらもう一回指につけてという感じで適量を試していただければ」
「ならそれを一つと一番安い物を一つ頼む。安い物でも使う量は変わらないのか?」
「一緒でございます」
カウンター付近を見渡すとヘアブラシが置いてある。
一本銅貨百枚だ。安いしこれも買うか。
「エリナ、お前と婆さん含めて女性陣は何人いる?」
「六人だよ。というか覚えてないの?」
「ちっちゃいのは男女の区別がつかん。じゃあこのヘアブラシも六本頼む」
「ありがとうございます。銀貨一枚と銅貨四百枚になります。あとこちら試供品です。お持ちください」
「石鹸か?」
「はい、肌に優しくてより綺麗になる新商品です。これも好評頂いてるんですよ。可愛らしいお嬢様に是非」
「ありがとう、使ってみて合うようならまた買いに来る」
「ありがとうございます。試供品二個にしておきますね」
「悪いな」
「いえ、また是非お立ち寄りください」
商品を受け取る時に、エリナが店員から使用方法の説明を受けている。
最初は緊張していたエリナだが、ふんふんと一生懸命説明を聞いている。
説明が終わり、エリナが「ありがとうございます!」とお礼を言うと、店員もしっかり頭を下げて、是非またおいでくださいねと言っている。
なんとなく気分が良くなり、銀貨一枚と銅貨四百枚を払って店を出る。
ギルドで貰った地図にはこの店は特に印がついてなかったし、登録証で割引は効かないだろうと思って見せてすらいない。
あの高級店で自分はクズの一員ですと自己主張するのを避けた訳じゃない。
決してヘタレだからでは無い。
サービスに満足したから割引の必要性を感じなかっただけなのだ。
店から出た途端、予想通りエリナが聞いてくる。
「ねぇねぇお兄ちゃん! 私お嬢様だって! お嬢様に見える!?」
「シャンプーを使って髪を綺麗にしたらお嬢様に見えるんじゃないか?」
エリナは、んふふー! と超ご機嫌だ。
また俺の腕にしがみついてくる。
「お兄ちゃん、わざわざ高いシャンプーを買ってよかったの? あとブラシも」
「女の子連中はピンクの壺のシャンプーを使うんだぞ。男連中は安い茶色の壺に入った奴で十分だ。あとエリナが毎日女の子連中の髪を梳かしてやるんだぞ」
「うん!」
「あの店員わざわざ六本のヘアブラシの柄の色を変えてくれたから、それぞれ一本ずつ自分の物にして良いからな」
「ありがとうお兄ちゃん!」
「男どもにはどうすっかなー。エリナなんか良いアイデア無いか?」
「んー、遊び道具が少ないから玩具とか?」
「それだ、よし玩具屋へ連れてってくれ」
「玩具屋かー、どこだっけ」
二人で地図を見ながらうろうろしてそれっぽい店を見つけた。
ボールやら小さな木彫りの馬に車輪がついたものなど色々買った。
「ケンカにならないか?」
「良い子達だから大丈夫だよ。結局みんなで遊ぶようになるんじゃないかな? 女の子にも遊ばせてあげると思うよ」
「ほー、そりゃ良い子達だ」
「ほとんど手がかからないし、アランも男の子の年長で頑張ってるしね」
「そっか、ガキんちょ一号は確かに素直だったな」
「一号じゃないよ、アランだよ」
「じゃあ良い子にお留守番してるアラン達が喜ぶような飯を作ってやるか」
「うん!」
昼に食べた屋台の本業の肉屋でソーセージとベーコンを多めに買う。
丁度屋台を閉めたのか、昼に会った親父が対応してくれて、またおまけしてもらった。
他にも野菜やら小麦粉やら油などを買い足す。
あとトマトソースがあったのはありがたい、値段も安かったし。
肉屋の親父に聞いたパン屋でふくらし粉ってものもあったけどちょっと高いな。
でもパンと一緒に購入する。
買い物を終えてチ〇カシを見るとすでに防具屋を出てから三十分をとっくに過ぎていた。
またあそこに戻るのか......。
でも良い店ではあるんだよな。
「時間過ぎたから防具屋に行くか。ちょっと嫌だけど」
「じゃあこっちだね! ヘタレなお兄ちゃん!」
ご機嫌なエリナが腕を組んできて先導する。
「ク、トーマ様、防具の調整終わっておりますよ」
「ねえ、またクズって言おうとしたよね」
「こちらになります。お手入れの道具などもサービスでお付けしましたのでお持ちください」
「サービス満点の超優良店じゃねぇか。悔しいけどまた来ちゃう」
「またお待ちしております」
凄くにこやかな笑顔でそういわれた俺は、またとぼとぼと防具屋を出る。
背負い籠にはもう入らないので、防具等が包まれている布を両手で抱える。
ちゃんと持ちやすいように頑丈な布で包んでくれた気遣いが嬉しくて悔しい。
最高の店だけど最低の店だったな。また来るけど。
「じゃあ帰るか」
「うん!」
俺の両手が塞がっているのを見て、先程と同じようにエリナが腕を組んでくる。
ふんふんふーんとご機嫌なエリナと一緒に帰り道を急ぐ。
段々周囲の雰囲気が悪くなっていくのももう慣れた。
一応注意は怠らないが。
そうだ、魔法を使ってみるか。
探査魔法は薄く伸ばしたバリアだったよな?
ならば
「<ウインディシールド>!」
「お、出た」
「お兄ちゃんなんの魔法を使ったの?」
「防御魔法だけど探査魔法っていうか、ま、用心のためだな。俺の魔力じゃ防御力は期待できないだろうけど、不意に近づこうとする奴くらいはわかるかもしれないし」
「じゃあ私も使ってみて良い?」
「いや、エリナは魔力回復が十分じゃないからやめておこう。あとで風呂を沸かすときにお願いするかもしれないし」
「わかった!」
「なぁエリナ」
「なあに? お兄ちゃん」
「まだ魔法は一人の時に使っちゃ駄目だぞ。俺が返事できない状態だったりする緊急時には仕方が無いけど、緊急時以外に使う時は俺に確認する事」
「はい!」
「あと一人で孤児院から勝手に出たりするなよ。ガキんちょ共にもちゃんと言っておいてくれ」
「院長先生から言われてるし大丈夫だよ」
「あと扉も不用意に開けるなよ。俺が初めて孤児院に来た時はガキんちょ共が扉を開けた途端群がってきたぞ」
「あれは院長先生が魔法で戸締りしてたからね。あの子たちは扉が開いた時点で院長先生が帰ってきたってわかったんじゃないかな?」
「そんな魔法もあるのか」
「だから孤児院の中は安心なんだって院長先生が言ってたよ。一応敷地全部に防御魔法張ってあるみたいだし」
「そうか、じゃあ病気を治す治癒魔法はそれだけ魔力を使うのか」
「傷を治すよりかなり魔力が必要みたいだからね」
「確かに病原菌を除去するなり弱った内蔵なんかを治すのって複雑そうだしな。だからこそ薬草に価値があるんだろうけど」
二人でそんな事を話しながら歩いていると孤児院にたどり着く。
エリナが「院長先生戻りました」と声を掛けると、ガチャリと小さな音がする。
たしかにこれなら安心かな。
そういやガキんちょ一号も挨拶してたな。
俺の腕からするりと自分の腕を抜いたエリナが扉を開けてくれ、中に入るとガキんちょ共が群がって迎えに来る。
婆さんも一緒だ。
酔っ払いのおっさんに絡まれなくて良かったな。
てっきり帰り道にでも襲われるんじゃないかと思ったけど、冒険者ギルドの手際が良いのかも知れない。
「婆さんもう大丈夫なのか?」
「ええ、もうだいぶ痛みは無くなりました」
「なんだ、まだ少しでも痛むのなら横になっててくれ。あとは俺がガキんちょ共の世話をするから」
「ありがとうございます。ではそうさせて頂きますね。エリナ、トーマさんのお手伝いをよろしくね」
「はい! 院長先生!」
「じゃあ荷物を降ろしたらエリナはガキんちょ共にお土産を渡してくれるか? あ、婆さんにはこれね」
「うん!」
婆さんにはガキんちょ共には一番不人気であろう紫色をチョイスして渡す。
「まぁ、お婆ちゃんにこんな素敵なものを」
「高い物じゃないから気にしないでくれ」
「トーマさんありがとうございます」
「あとスマン、婆さんに相談無くエリナを冒険者ギルドに所属させてしまった。でも一人で勝手な事はさせないし面倒は俺が見るから許可してやってくれないか? 魔法の才能がかなり高いんだよ。俺としても採取などの作業を手伝って貰うと助かるんだが」
「エリナが望んだことなら構いませんよ」
「院長先生ありがとうございます!」
「トーマさんのいう事を良く聞くのですよ」
「はい!」
「トーマさん、エリナをよろしくお願いいたします。あといつも色々とありがとうございます」
「ああ、任せてくれ。じゃあ話も済んだし、台所に行くぞエリナ」
「お兄ちゃん照れてるよね?」
「はいはい、行くぞ」
「ヘタレだねお兄ちゃん」
「うっさい」
台所に行き食材を置くと、リビングに背負い籠と防具を持っていく。
本と玩具とヘアブラシとシャンプー、試供品の石鹸をエリナに渡し、ガキんちょ共に使い方を説明させる。
男連中は新しい玩具に声を上げて喜んでるし、女連中は自分のブラシを持てて嬉しいのか、いっちょ前に早速髪を梳かしだした。
そういえば頭皮マッサージも良いんだよな。
俺はハゲてないけど。
好評なら男連中のブラシも買ってくるか。ハゲてないよ?
「じゃあちょっと晩飯の仕込みをしちゃうからエリナはガキんちょ共を見ててくれ」
「お兄ちゃん私も手伝うよ!」
「パン生地を仕込むだけだから一人で大丈夫だよ」
「わかった!」
台所に戻り早速パン生地を仕込む。
強力粉と薄力粉の区別がつかなかったが、パン用の小麦で買ってきたから大丈夫かな。
季節も<転移>前と同じ初夏だ。
一時間くらい発酵させれば十分だろ。
そういえば昼飯は足りたんだろうか? 食べた後の食器やシチューの入った鍋などは全て綺麗に洗われていた。
本当に良く出来たガキんちょ共だな。
つい笑顔が出てしまうが今は俺一人だ。
気持ち悪がられることも無い。
さあ、次は良く出来たガキんちょ共の為に風呂の準備をしてやるか。
俺はんーと腕を上げて伸びをすると、台所を出てリビングに向かう。
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そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
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【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
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「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
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彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
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彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
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この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
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