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3.これからの住まいです
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結婚が決まってからは結構バタバタした。
あちらの御両親への挨拶に始まり、結婚式の準備。
親族やご来賓、当日の食事や衣装合わせ等々。
決めることは結構あった。
でも、公爵家の使用人の人達は優秀なので段取りよくやってくれた。
私はただ頷いて言われるがままに、されているだけだったけれど。
もちろん、思うところはある。
私の両親にも本当に結婚していいのかと心配された。
だけれど今は見事に努めを果たしたい気持ちでいっぱいです。
あっという間に結婚式も終わり家路につく。
「今日からここが君の家だ」
「す、凄いお屋敷ですね」
流石は公爵様の家ともなると大きい。
貧乏貴族のうちとは大違いだ。
私の家だと言われてもお客様感が半端ないです。
「執事と侍女をつけるので分からない事は聞いてくれ」
「ありがとうございます。旦那様」
「わたしは別宅に行くので後は頼む」
おっと、さっそくの鬼畜モードですね。
私もにこやかに対応する。
「気を付けて、いってらっしゃいませ旦那様」
夫を送り出す新妻としては正しいセリフを選択したと思う。
まあ、意味合いは全く違うのですけれど。
笑顔で夫を愛人の所におくりだすなんて普通は無いよね。
そんな心の声を感じ取ったのか旦那様は苦笑いを浮かべる。
「……ああ、行ってくる」
嫌味や他意はありませんので安心してください旦那様。
旦那様は足早に去って行った。
「奥様、もう今日は遅いので寝室にご案内いたします」
奥様呼びですね。
そう私、奥様になったのでした。
遅い時間に新妻を残して何処かに行ってしまう旦那様。
うーん、世間が知ったらどう思うのかしら。
いいえ、嫌味は止めましょう。
私は自由を手に入れたのです。
楽しまないと損ですよ。
「ふん、まさか本当に結婚なさるとは。貴女やっぱり変わっていますわね」
それだけを言うと去っていく美しい少女。
彼女は旦那様の妹君だ。
まだ学生である彼女は旦那様に顔立ちの似た美少女で成績も優秀らしい。
私たちの結婚式に参加してくれた。
普段は学生なので学園で寮生活をしている。
通っている学園がこちらの家の方が近いので、ここに泊まってから戻るみたい。
もちろん旦那様の女癖も知っている。
だから結婚した私を不審に思うのも無理はない。
だれがお飾りの妻などになりたいものなのかと。
あの言い方だと私に良い感情は持っていないらしい。
私の事は金に目のくらんだ打算的な女ぐらいにしか思っていないのかも。
親しくはしてくれない。
かなり特殊なケースだから困惑しているといった方が正しいのかな。
そう言う私も自分の立ち位置が掴めずにいる。
もう結婚してしまったので、なる様にしかならない。
「奥様、湯あみと就寝の準備をさせていただきます」
「はい、お願いします」
これからは奥様として自由を満喫させてもらおうと思う。
あちらの御両親への挨拶に始まり、結婚式の準備。
親族やご来賓、当日の食事や衣装合わせ等々。
決めることは結構あった。
でも、公爵家の使用人の人達は優秀なので段取りよくやってくれた。
私はただ頷いて言われるがままに、されているだけだったけれど。
もちろん、思うところはある。
私の両親にも本当に結婚していいのかと心配された。
だけれど今は見事に努めを果たしたい気持ちでいっぱいです。
あっという間に結婚式も終わり家路につく。
「今日からここが君の家だ」
「す、凄いお屋敷ですね」
流石は公爵様の家ともなると大きい。
貧乏貴族のうちとは大違いだ。
私の家だと言われてもお客様感が半端ないです。
「執事と侍女をつけるので分からない事は聞いてくれ」
「ありがとうございます。旦那様」
「わたしは別宅に行くので後は頼む」
おっと、さっそくの鬼畜モードですね。
私もにこやかに対応する。
「気を付けて、いってらっしゃいませ旦那様」
夫を送り出す新妻としては正しいセリフを選択したと思う。
まあ、意味合いは全く違うのですけれど。
笑顔で夫を愛人の所におくりだすなんて普通は無いよね。
そんな心の声を感じ取ったのか旦那様は苦笑いを浮かべる。
「……ああ、行ってくる」
嫌味や他意はありませんので安心してください旦那様。
旦那様は足早に去って行った。
「奥様、もう今日は遅いので寝室にご案内いたします」
奥様呼びですね。
そう私、奥様になったのでした。
遅い時間に新妻を残して何処かに行ってしまう旦那様。
うーん、世間が知ったらどう思うのかしら。
いいえ、嫌味は止めましょう。
私は自由を手に入れたのです。
楽しまないと損ですよ。
「ふん、まさか本当に結婚なさるとは。貴女やっぱり変わっていますわね」
それだけを言うと去っていく美しい少女。
彼女は旦那様の妹君だ。
まだ学生である彼女は旦那様に顔立ちの似た美少女で成績も優秀らしい。
私たちの結婚式に参加してくれた。
普段は学生なので学園で寮生活をしている。
通っている学園がこちらの家の方が近いので、ここに泊まってから戻るみたい。
もちろん旦那様の女癖も知っている。
だから結婚した私を不審に思うのも無理はない。
だれがお飾りの妻などになりたいものなのかと。
あの言い方だと私に良い感情は持っていないらしい。
私の事は金に目のくらんだ打算的な女ぐらいにしか思っていないのかも。
親しくはしてくれない。
かなり特殊なケースだから困惑しているといった方が正しいのかな。
そう言う私も自分の立ち位置が掴めずにいる。
もう結婚してしまったので、なる様にしかならない。
「奥様、湯あみと就寝の準備をさせていただきます」
「はい、お願いします」
これからは奥様として自由を満喫させてもらおうと思う。
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