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「本当に意味が分からないんだけど」
情報が多いのか少ないのか。
「大体、ルキッシュって国が、なんでわざわざ私なんかを呼ぼうとしているの?」
ルキッシュなんて、この間テスト勉強していて初めて知った場所だ。
キーラは国外に出たことはないし、国外に友達もいない。
キーラの記憶に、ルキッシュにつながるようなものもない。
「それが一番の謎だな。……キーラはルキッシュと何かつながりがあるのか?」
「ないよ」
あるわけがない。私の方が、何の関係があるのか知りたいよ。
「私もだけど、リーナとルキッシュはどこでつながってるの?」
「歓談中悪いが、私も混ぜてもらっていいかな?」
私の疑問にかぶせるように、そう誰かがガゼボに近付いてきた。
声の方を見ると、カークに良く似たあの人だった。
「陛下……」
「陛下だなんて、おじ様って呼んでよ」
なんて言いながら、私の隣の椅子に腰かける。
カークを見ると、凄く嫌そうな顔をしていた。
お茶を、と思って立ち上がりかけたら、笑顔で制された。
「カークからはある程度聞いた?」
「……はい」
「よく分からないって顔してるね」
「……はい」
全く分かりません。
「うん、だからちょっと補足にきたんだ。まずリーナだけど、彼女はキーラがここから出てこないのが気にくわないんだよ」
「気にくわない?」
何ですかその理由。
「リーナは、何度もキーラに会おうとしていただろう?」
「そう、ですね」
「彼女は予言通りの行動をキーラにしてもらいたかったみたいなんだ」
予言……ゲーム通り、ってことですか?
「でも、もう予言とは大分違ってしまった」
「……」
「リーナは、カークがキーラを選び、その上、自分が追い出されそうになっていることに気がついた。そこへルキッシュからリーナに接触があった。これはリーナが考えたんじゃなく、ルキッシュからの誘いにリーナが乗ったんだよ」
「……」
ますます分かりません。
首を傾げると、陛下はフフフと笑って続けた。
「それでね、リーナ達は最初、ミランダを使ってキーラをおびき出すつもりだったみたいだ」
「おびき出す……」
「そう、説得するつもりだったのか、攫うつもりだったのかまでは分からないけど。でも、ミランダがちょっと焦ってしまったんだね、カークに接触を知られてしまった。それでキーラをおびき出す作戦は難しいと考えたのだろう。急遽ルキッシュからの要請に変わったんだ。流石に驚いたよ。急にあんな手紙が来るんだから」
陛下はそう肩をすくめた。
私はちらりとカークを見た。カークは、眉間にしわを寄せてムッとしている。
カークもこのことは知らなかったのか……。
「……どうしてそこまでして私を?」
「ルキッシュでは今ちょっと問題を抱えていてね、それが、キーラにすごく関係があることなんだ」
「関係、あるんですか?」
「ある。契約があって内容は言えないけれど、いずれキーラはルキッシュに行くことになっていた」
「行かないっていう選択肢はないんです、よね?」
「強制はしないよ。どうしても行かないって言うならこの件はこちらでなんとかするけど、私は行った方がいいと思う」
陛下は、何故かそこで私の頭をなでた。
「このやり方はすこし乱暴だけど、ルキッシュは絶対にキーラに害を与えないし、行った方がキーラのこれからのためになると思う」
「……少し、考えさせて下さい」
なんだか頭が痛くなってきて、私はとりあえずそう言った。
――――作者より一言―――――
ここまで読んでくださりありがとうございます。
明日・明後日の更新はお休みします。
次回更新は9月11日になります。
次回もよろしくお願いします。
情報が多いのか少ないのか。
「大体、ルキッシュって国が、なんでわざわざ私なんかを呼ぼうとしているの?」
ルキッシュなんて、この間テスト勉強していて初めて知った場所だ。
キーラは国外に出たことはないし、国外に友達もいない。
キーラの記憶に、ルキッシュにつながるようなものもない。
「それが一番の謎だな。……キーラはルキッシュと何かつながりがあるのか?」
「ないよ」
あるわけがない。私の方が、何の関係があるのか知りたいよ。
「私もだけど、リーナとルキッシュはどこでつながってるの?」
「歓談中悪いが、私も混ぜてもらっていいかな?」
私の疑問にかぶせるように、そう誰かがガゼボに近付いてきた。
声の方を見ると、カークに良く似たあの人だった。
「陛下……」
「陛下だなんて、おじ様って呼んでよ」
なんて言いながら、私の隣の椅子に腰かける。
カークを見ると、凄く嫌そうな顔をしていた。
お茶を、と思って立ち上がりかけたら、笑顔で制された。
「カークからはある程度聞いた?」
「……はい」
「よく分からないって顔してるね」
「……はい」
全く分かりません。
「うん、だからちょっと補足にきたんだ。まずリーナだけど、彼女はキーラがここから出てこないのが気にくわないんだよ」
「気にくわない?」
何ですかその理由。
「リーナは、何度もキーラに会おうとしていただろう?」
「そう、ですね」
「彼女は予言通りの行動をキーラにしてもらいたかったみたいなんだ」
予言……ゲーム通り、ってことですか?
「でも、もう予言とは大分違ってしまった」
「……」
「リーナは、カークがキーラを選び、その上、自分が追い出されそうになっていることに気がついた。そこへルキッシュからリーナに接触があった。これはリーナが考えたんじゃなく、ルキッシュからの誘いにリーナが乗ったんだよ」
「……」
ますます分かりません。
首を傾げると、陛下はフフフと笑って続けた。
「それでね、リーナ達は最初、ミランダを使ってキーラをおびき出すつもりだったみたいだ」
「おびき出す……」
「そう、説得するつもりだったのか、攫うつもりだったのかまでは分からないけど。でも、ミランダがちょっと焦ってしまったんだね、カークに接触を知られてしまった。それでキーラをおびき出す作戦は難しいと考えたのだろう。急遽ルキッシュからの要請に変わったんだ。流石に驚いたよ。急にあんな手紙が来るんだから」
陛下はそう肩をすくめた。
私はちらりとカークを見た。カークは、眉間にしわを寄せてムッとしている。
カークもこのことは知らなかったのか……。
「……どうしてそこまでして私を?」
「ルキッシュでは今ちょっと問題を抱えていてね、それが、キーラにすごく関係があることなんだ」
「関係、あるんですか?」
「ある。契約があって内容は言えないけれど、いずれキーラはルキッシュに行くことになっていた」
「行かないっていう選択肢はないんです、よね?」
「強制はしないよ。どうしても行かないって言うならこの件はこちらでなんとかするけど、私は行った方がいいと思う」
陛下は、何故かそこで私の頭をなでた。
「このやり方はすこし乱暴だけど、ルキッシュは絶対にキーラに害を与えないし、行った方がキーラのこれからのためになると思う」
「……少し、考えさせて下さい」
なんだか頭が痛くなってきて、私はとりあえずそう言った。
――――作者より一言―――――
ここまで読んでくださりありがとうございます。
明日・明後日の更新はお休みします。
次回更新は9月11日になります。
次回もよろしくお願いします。
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