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ページをめくり、新たなニコちゃんマークに触れる。
が、文字が現れなかった。
ここから先のページはまだ見ることが出来ないようだ。
ふう、とため息をついて、ノートを閉じた。
腕を組んで考える。
内容は多少見解の相違的なところもあるが、ほぼカークから聞いたことと同じだ。
でもどれも、お母様がキーラに話していれば特に問題になるようなものでもないと思う。
契約内容とかは良く分からないけれど。
お母様は、忘れたかったと書いていたけど、確かに妊娠して、夫となる筈の人が亡くなって、そして驚くような額の借金。その上、急に前世なんて思い出し、それがゲームの世界で、自分の娘が悪役で殺されるなんて知ったら、パニックもなるし忘れたくもなるだろう。
でも、もともとの婚約者がキーラの父と言うことは、アーサーもマリーも知っていたはずだ。何故それがキーラに伝わっていないのか。
それに、借金返済のための結婚も、結婚したことは間違いないなら、契約だろうが政略だろうが、この世界の常識的にはそんなにおかしいとではないし、生活の苦しい状態が続いていれば、それもアリだろう。
それどころか、たかが名前のためにお金を出す、そんなに都合のいい人間がいたことの方が驚きだし、賃借料以外の義務を負っていないのも不思議だ。
でも、別に隠すようなことではない。
忘れていた、と言うには、少しおかしすぎる。
キーラはあの人を父親だと思っていた。それは間違いない。
アーサーたちもそれを否定していない。
それとも、キーラは知っていたけど忘れた、とか?
お母様が忘れていたことを思い出すまで、結構時間がかかっていたみたいだ。
もし大事なことを忘れているとして、キーラの記憶の抜けている部分を私が思い出すのにも時間がかかるのだろう。
――――ゲームには関係なさそうなのに、こんなことに強制力が働くとか?
もしそうなら、私がキーラになるのが一番おかしいんじゃないだろうか?
そここそ容赦ない強制力が必要でしょうよ……
そしたら私がこんなに悩まなくたっていいのに。
だんだん頭が痛くなってきた。全く意味が分からない。
「もう、寝よう。また、明日考えよう」
頭を振って立ち上がり、鞄にノートを戻すためベッドまで移動する。
しっかりとしまったのを確認したところで、ドアが開く音がした。
アリーダさんは呼ばない限りもう今日は来ない筈だ。
そしたら、来る人は決まっている。
小さくため息をついて、扉の方を見ると、やっぱりカークが立っていた。
「来るのは明日の午後の筈ですよね?」
扉が閉まるのを待って、そう声をかける。
まだ、これからどうするか決めていない。だから、会いたくなかったのに。
「もう寝ていると思ったから、様子を見に来たんだ」
心配してくれているのだろうけど、女性の部屋に勝手に入るのはどうなの? それも寝ている間に入るなんて。
あぁ、カークと言えば、『あの子』ってカークのことだよね。
隙があったら狙ってくる、ってこのことか。
―――――これも、全然、間にあってない。
「大丈夫なので、また明日来てもらってもいいですか?」
言い方がきつくなるのは許してほしい。
私だってどうしたらいいか分からない。
本物のキーラ、ゲームのキーラ、そして、私。
皆、私なのか、違うのか。
カークの見ている私が誰なのか。
「少し話をしたいんだ」
カークにしては、弱々しい口調だ。
仕方がない。この部屋の持ち主はカークだ。
「少しだけですよ。テーブルへどうぞ」
私はそう言ってベッドから離れた。
が、文字が現れなかった。
ここから先のページはまだ見ることが出来ないようだ。
ふう、とため息をついて、ノートを閉じた。
腕を組んで考える。
内容は多少見解の相違的なところもあるが、ほぼカークから聞いたことと同じだ。
でもどれも、お母様がキーラに話していれば特に問題になるようなものでもないと思う。
契約内容とかは良く分からないけれど。
お母様は、忘れたかったと書いていたけど、確かに妊娠して、夫となる筈の人が亡くなって、そして驚くような額の借金。その上、急に前世なんて思い出し、それがゲームの世界で、自分の娘が悪役で殺されるなんて知ったら、パニックもなるし忘れたくもなるだろう。
でも、もともとの婚約者がキーラの父と言うことは、アーサーもマリーも知っていたはずだ。何故それがキーラに伝わっていないのか。
それに、借金返済のための結婚も、結婚したことは間違いないなら、契約だろうが政略だろうが、この世界の常識的にはそんなにおかしいとではないし、生活の苦しい状態が続いていれば、それもアリだろう。
それどころか、たかが名前のためにお金を出す、そんなに都合のいい人間がいたことの方が驚きだし、賃借料以外の義務を負っていないのも不思議だ。
でも、別に隠すようなことではない。
忘れていた、と言うには、少しおかしすぎる。
キーラはあの人を父親だと思っていた。それは間違いない。
アーサーたちもそれを否定していない。
それとも、キーラは知っていたけど忘れた、とか?
お母様が忘れていたことを思い出すまで、結構時間がかかっていたみたいだ。
もし大事なことを忘れているとして、キーラの記憶の抜けている部分を私が思い出すのにも時間がかかるのだろう。
――――ゲームには関係なさそうなのに、こんなことに強制力が働くとか?
もしそうなら、私がキーラになるのが一番おかしいんじゃないだろうか?
そここそ容赦ない強制力が必要でしょうよ……
そしたら私がこんなに悩まなくたっていいのに。
だんだん頭が痛くなってきた。全く意味が分からない。
「もう、寝よう。また、明日考えよう」
頭を振って立ち上がり、鞄にノートを戻すためベッドまで移動する。
しっかりとしまったのを確認したところで、ドアが開く音がした。
アリーダさんは呼ばない限りもう今日は来ない筈だ。
そしたら、来る人は決まっている。
小さくため息をついて、扉の方を見ると、やっぱりカークが立っていた。
「来るのは明日の午後の筈ですよね?」
扉が閉まるのを待って、そう声をかける。
まだ、これからどうするか決めていない。だから、会いたくなかったのに。
「もう寝ていると思ったから、様子を見に来たんだ」
心配してくれているのだろうけど、女性の部屋に勝手に入るのはどうなの? それも寝ている間に入るなんて。
あぁ、カークと言えば、『あの子』ってカークのことだよね。
隙があったら狙ってくる、ってこのことか。
―――――これも、全然、間にあってない。
「大丈夫なので、また明日来てもらってもいいですか?」
言い方がきつくなるのは許してほしい。
私だってどうしたらいいか分からない。
本物のキーラ、ゲームのキーラ、そして、私。
皆、私なのか、違うのか。
カークの見ている私が誰なのか。
「少し話をしたいんだ」
カークにしては、弱々しい口調だ。
仕方がない。この部屋の持ち主はカークだ。
「少しだけですよ。テーブルへどうぞ」
私はそう言ってベッドから離れた。
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