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目を覚ましました。
なんと、なんとなく全身を動かせるようになりました!
まだ微妙な感じな動きだけれど、掛け布団から手を出して、グーパーさせたり足をパタパタさせたり、首を左右に動かせると言うことはとても素敵です!
我慢した“かい”がありました……
チューはいただけませんが、カークには感謝しかありません。
いや、カークだって嫌だと思います。
好きでもない女に、治療行為とはいえ、キスするなんて!
でも、中身はともかく、外側のキーラはかわいくて綺麗なので、見た目的な点はあまり心配していません。
出来ればされるより、こっそり見ていたい派ですが、仕方ありません。
何の間違いか今は私がキーラなのですから。
お母様は異世界転生を目が覚めたと言ってましたが、私はまだなんとなく他人な気持ちです。キスされても私がキスされていると言うより、ゲームで顔が近づいてくるシーンがあるじゃないですか。アレみたいな感じです。
かつての自分だった外側を思い出すと、キーラの外見とは違いすぎて自分がされていると思うと辛くなるのです。きっとそう言う気持ちが、このキス地獄を他人事のようにうけとめさせているのでしょう。
そう言えば、まだ聞いていませんでしたが、カークに婚約者や好きな人がいたら、一体どうしたらいいでしょう。
治療とはいえ、必要以上の接触です。土下座と切腹でも間に合わないと思います。
私なら許せません。
あ、でも婚約者のふりと言っていたので、婚約者はまだいないのかもしれません。
王太子が婚約していれば、いくら世間にうといキーラでも覚えていた筈です。
恋人くらいはいるかもしれませんから、もし会うことがあったら、あれは治療です。ノーカウントです。ピーちゃんに噛まれたようなもの、です。
私だって、拒否できるものなら拒否したかったのです、と誠心誠意謝りたいと思います。
それに、寝ている間なら(よくないけど)まだしも、目覚めている間のチューは、精神的に削られるんです。
カークは流石攻略対象者だけあって、とても恰好いいです。おかげで毎回ドキドキしています。(好きと言う感情はありません。あまりにいい男過ぎて、さっきも言いましたがまったく現実とは思えないのです)
それでも、この世界は貴族社会。きっと政略結婚と言う制度があるので、前世喪だった私ですが、このまま侯爵家の娘・キーラとして生きるなら、必ず誰かと結婚することになるでしょう。
ぶっちゃけあんなにいい男とチューしていて、普通の人を好きになれるのかとても不安です。相手の人は全く悪くないので、出会ってもいない今から罪悪感でいっぱいになります。
あ、もしかしたら、王太子の婚約者を騙った罪で、このまま修道院ということもあるのでしょうか。それはそれでいいと思うのですが……
どちらにしろ、なるべく早くこの状態が治ることを期待するしかありません。
と、ですます調で考えていますが、ただ単に、昨日に引き続き暇なだけです。
昨日は気が付かなかったけれど、この部屋には窓がないのです。
なので、今が昼なのか夜なのかも分かりません。
誰かを呼ぶにしても、どうやって呼べばいいのかも不明なのです。
…………もう考えることも無くなってきました。
せっかく動けるようになったので、ちょっと体を動かしてみましょう。
「おー!」
と言うわけで、とりあえず体を起してみたいと思います。
……無理でした。腕の力が足りませんでした。
では次に、寝返りを打ってみましょう。
……横向きにはなれました!
ではさらに、ベッドの縁まで進んでみましょう。
……ちょっと時間がかかりそうです。このベッド、キングサイズなんです。シングルの約二倍。縦横は多分ほぼ長さが同じ正方形。キーラは意外に小さいので、このベッドは無駄に大きいです。うにょうにょしながら、ベッドの端まで行くだけで、体力が削られまくりましたが、ようやく端まで移動できました!
凄い私!
では、今日のメインイベントです。
横座りになってみましょう!
……確か足を降ろして、腕を使って……あれ?
ずるっと腰がベッドから滑り落ちてしまいました。
動けますが、力があまり入りません。このままでは床に寝ころんでしまいます。
―――さて、どうしましょう?
「何をやっている」
「あ」
いつの間にか、目の前にカークが立っていました。
目が、顔がとてつもなく怖いです。
まさに、魔王降臨!
誰かが言っていましたが、いい男が本気で怒ると怖い、って言うのはどうやら本当のようです。
なんと、なんとなく全身を動かせるようになりました!
まだ微妙な感じな動きだけれど、掛け布団から手を出して、グーパーさせたり足をパタパタさせたり、首を左右に動かせると言うことはとても素敵です!
我慢した“かい”がありました……
チューはいただけませんが、カークには感謝しかありません。
いや、カークだって嫌だと思います。
好きでもない女に、治療行為とはいえ、キスするなんて!
でも、中身はともかく、外側のキーラはかわいくて綺麗なので、見た目的な点はあまり心配していません。
出来ればされるより、こっそり見ていたい派ですが、仕方ありません。
何の間違いか今は私がキーラなのですから。
お母様は異世界転生を目が覚めたと言ってましたが、私はまだなんとなく他人な気持ちです。キスされても私がキスされていると言うより、ゲームで顔が近づいてくるシーンがあるじゃないですか。アレみたいな感じです。
かつての自分だった外側を思い出すと、キーラの外見とは違いすぎて自分がされていると思うと辛くなるのです。きっとそう言う気持ちが、このキス地獄を他人事のようにうけとめさせているのでしょう。
そう言えば、まだ聞いていませんでしたが、カークに婚約者や好きな人がいたら、一体どうしたらいいでしょう。
治療とはいえ、必要以上の接触です。土下座と切腹でも間に合わないと思います。
私なら許せません。
あ、でも婚約者のふりと言っていたので、婚約者はまだいないのかもしれません。
王太子が婚約していれば、いくら世間にうといキーラでも覚えていた筈です。
恋人くらいはいるかもしれませんから、もし会うことがあったら、あれは治療です。ノーカウントです。ピーちゃんに噛まれたようなもの、です。
私だって、拒否できるものなら拒否したかったのです、と誠心誠意謝りたいと思います。
それに、寝ている間なら(よくないけど)まだしも、目覚めている間のチューは、精神的に削られるんです。
カークは流石攻略対象者だけあって、とても恰好いいです。おかげで毎回ドキドキしています。(好きと言う感情はありません。あまりにいい男過ぎて、さっきも言いましたがまったく現実とは思えないのです)
それでも、この世界は貴族社会。きっと政略結婚と言う制度があるので、前世喪だった私ですが、このまま侯爵家の娘・キーラとして生きるなら、必ず誰かと結婚することになるでしょう。
ぶっちゃけあんなにいい男とチューしていて、普通の人を好きになれるのかとても不安です。相手の人は全く悪くないので、出会ってもいない今から罪悪感でいっぱいになります。
あ、もしかしたら、王太子の婚約者を騙った罪で、このまま修道院ということもあるのでしょうか。それはそれでいいと思うのですが……
どちらにしろ、なるべく早くこの状態が治ることを期待するしかありません。
と、ですます調で考えていますが、ただ単に、昨日に引き続き暇なだけです。
昨日は気が付かなかったけれど、この部屋には窓がないのです。
なので、今が昼なのか夜なのかも分かりません。
誰かを呼ぶにしても、どうやって呼べばいいのかも不明なのです。
…………もう考えることも無くなってきました。
せっかく動けるようになったので、ちょっと体を動かしてみましょう。
「おー!」
と言うわけで、とりあえず体を起してみたいと思います。
……無理でした。腕の力が足りませんでした。
では次に、寝返りを打ってみましょう。
……横向きにはなれました!
ではさらに、ベッドの縁まで進んでみましょう。
……ちょっと時間がかかりそうです。このベッド、キングサイズなんです。シングルの約二倍。縦横は多分ほぼ長さが同じ正方形。キーラは意外に小さいので、このベッドは無駄に大きいです。うにょうにょしながら、ベッドの端まで行くだけで、体力が削られまくりましたが、ようやく端まで移動できました!
凄い私!
では、今日のメインイベントです。
横座りになってみましょう!
……確か足を降ろして、腕を使って……あれ?
ずるっと腰がベッドから滑り落ちてしまいました。
動けますが、力があまり入りません。このままでは床に寝ころんでしまいます。
―――さて、どうしましょう?
「何をやっている」
「あ」
いつの間にか、目の前にカークが立っていました。
目が、顔がとてつもなく怖いです。
まさに、魔王降臨!
誰かが言っていましたが、いい男が本気で怒ると怖い、って言うのはどうやら本当のようです。
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