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しおりを挟む私はこの国の第二王子で、名をリオンと言う。
第二王子と言えば本来なら王太子のスペアになる筈だが、王太子である兄とは十歳離れていて、兄にはすでに妻と二人の男の子がいる。
そのため私は、兄の長男が産まれた時に自分の結婚と同時に王位継承権を放棄し、婚約者の家へ婿入りすると決めていた。
その婚約者の名はミア・ステイリー侯爵令嬢だ。同じ年に生まれ、産まれると同時に婚約者になった。
幼馴染で、友達で、この間までは愛する人だと思っていた。
思っていたと言うのは、私は今年になって“真実の愛”を見つけてしまったのだ。
私が彼女に出会ったのは、学園最終学年の始まりの日だった。
何もないところで躓いた彼女に手を貸し、目が合った瞬間私は彼女に恋をした。
彼女の名前は、カレン・フレイア男爵令嬢。フレイア男爵の庶子だ。
去年の夏、男爵の唯一の後継ぎが病で亡くなったことから、愛人の娘であったカレンを後継ぎとして男爵家に迎え入れたと言う。
半年の準備期間を得て、今年の春から学園に通い出し、私と出会ったのだ。
これを“運命”と言わずして何と言おう!
私は事あるごとにカレンへと接触していた。
カレンもまんざらではないらしく、優しい笑顔と言葉で私を癒してくれた。
それは人目もある場所で、節度ある交友だった。他の女生徒とだって声をかけられれば同じように接しただろう。
しかし、それがミアには面白くなかったらしい。
きつく、苦言を呈された。
しかし、私はどうしても諦めきれなかった。
私とカレンは人目を避けて逢瀬を重ねるようになった。
私が悪いのは十分承知しているが、この気持ちは押さえきれなかった。
しかし人の口に戸は立てられない。
知らぬ間に噂になっていたようだ。
ある日、カレンが一人泣いているところを見つけて話を聞くと、生徒たちに嫌がらせを受けていて、そのいじめの筆頭が私の婚約者のミアだと言うのだ。
私はそれを聞いてすぐにミアを呼び出した。
―――作者より―――
読んでくださりありがとうございます。
全9話で字数はかなり短いです。
一応、完結済みです。
最終話まで毎日0時で投稿設定しています。
テンプレですが、次話もよろしくお願いします。
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