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プロローグ
番外編 召喚された勇者は その1
しおりを挟むSaid:勇気
「こちらです。勇者様方」
王女らしき人の言われるがままに着いていくと、そこには大きな玉座(?)のような物に座り、ぶくぶくとからだ全体に贅肉を纏わせていて、王冠を被っている人(多分王様と思う。)と、その回りに、槍や剣などの武器を持ち、鎧を着ている人が沢山いる部屋にたどり着いた。
着いたとたん、王様らしき人がいきなり言った。
「面を上げよ」
・・・・・はぁっ?俺達は誰も顔を下げていないのに何を言っているんだろう?そう心の中で呟いたが、そういえば前に雪が俺にオタク知識を増やすためにとかいって話してたな。・・・確か雪の話では
「大体のライトノベルに出てくる王様は「面をあげよ」とかっていってくるんだ。大体王と会う場合は基本的に下の立場の人しか会わないから、皆顔を下げてるんだよ。だから面をあげよ言うんだと思う」
と言ってたな。でもその後にボソッとこんなことを呟いていたな。確か
「・・・・・まぁ、ライトノベルの世界の王様だけだとおもうよ。」
だったっけな?まぁ、今はそんなことはいいか。それよりも皆が驚きすぎたからか何も喋れないみたいだな。なら俺が聞きますか。
「「あの・・・・ すいません・・・・・えっ?」」
王様に聞こうとすると春野さんと被ってしまって驚いてしまった。まぁ俺と同じで皆固まってたからか?そんなことを考えていたら
「貴様! 無礼だぞ!」
といいながら騎士(多分)の内の一人が一瞬で俺の真横に近づいて武器で脅してきた。 何この人、こわ!?
「止めんか!」
王様が一喝すると、騎士(多分・・・もう騎士でいいか。めんどいし)が渋々ながらに武器を下ろした。 その後に王様が
「何を聞きたかったのかいえ」
と命令口調で聞いてきたからイラっとした気持ちを押さえてからとりあえず
「なぜ私たちが呼ばれたのでしょうか」
一応敬語を意識しながら聞いてみた。まぁ、あれか?とライトノベルのパターンだとあれだけどあれだけはやめてくれよ~と祈ってみたが意味もなく、
「勇者様方にはこの世界を救って欲しいのじゃ」
そう言われたのだった。そして話が始まった。短く纏めると
・ この世界は人族と魔族がいる。
・ 魔族には魔王がいて人族の領地を奪おうとしている。
・ 現在は領地が人族と魔族の半分辺り。
・ 人族は魔族になにもしていないが、魔族が人族を襲ってくる。
・ なので、戦争をしている。
そう言う話らしい。それを聞いて皆が衝撃を受けていた。俺はテンプレパターンか・・・と悩んでいた。なんか王道パターンぽいけど人側が悪いパターンも最近多いからな・・・・・何て考えている間にも皆のざわめきが大きくなってきたその瞬間
「皆! 人々を助けよう!」と言う声が聞こえた。
そう言い放ったやつは、城野 龍輝 。俺達がいるクラスの人気者でイケメンだ。俺達がいた学校でモテる人ランキングの一位らしい。まぁ俺には関係ない。だけどめんどくさいこといいやがったな。
〈本人は気がついていないが本人も同率一位の事を雪は知っている。本人が気ずいていないだけで・・・・・〉
閑話休題
その声に皆は賛同しはじめた。
「まぁ龍輝が言うんならやるか!」
「私も頑張るよ!」
「あっ! 私も私も!」
「俺もやるか!」
皆が次々に賛同しはじめた。その後龍輝は春野さんに言った。
「俺と一緒に魔王を倒してくれないか?」
と聞いている。春野さんは少し悩んでから
「分かった」と賛同した。
その後春野さんは辺りを見回してから喋った。
「ねぇ皆、雪君知らない?」と、
そういえば気にして無かったが雪がいない!
大変だ!探しにいかないと!と思っていると、皆が「さぁ?」
「あいつは一体何してんだよ!」
と口々に言い、その後に王が言った。
「その雪と言うものはだれだ?・・・まぁよい。おい!セリス、勇者様方をあの部屋に連れていってくれ!」
あの部屋ってどこだ? まぁいいか、そう思い皆がセリスと呼ばれていた王女様に着いていこうとしたが、春野さんが着いていっていないことに気づいて春野さんを呼んだ。
「おーい春野さん。行くって」
と言うと、何かを考えるそぶりをした後に分かった。と言ってついてきたのであった。
自分はこの時気が付いてなかった。雪の話をしたはずなのに最初から話がなかったかのようになっていることを・・・・・
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