神に呼ばれたのでちょっと神を殴って来ます

プロローグ

頼まれ事とは・・・

　僕は、盗賊のアジトから出て直ぐに、シンラさんの娘さんを助けたことを伝えにギルドに向かった。そしてギルドに着くとそこには、顔がやつれているシンラさんがいた。 シンラさんに娘さんを助けたことを伝えると、

「本当か！」と聞きながら首を絞めてきたので、

「本当ですぅ・・・・」

　顔を青くしながら絞り出すように答えた。その後直ぐに、娘さんとハイエルフの子と獣人族の人達が待っている場所に連れていくと、シンラさんは

「何でこんなところに王族がいるんだ！？」

　今日一番驚いていた。その言葉を聞いて思った事を聞いてみた。

 「王族がいる？それはどういう事ですか？」

「あぁ。 君は知らないのか。まぁ仕方がない。普通は知らない人の方が多いからな」

　と言って話してくれた。その話を分かりやすく纏めるとこう言うことだった。

　今日から一ヶ月前にハイエルフの王様と王妃が来るはずだった。それに会わせて、獣人族の王様と王妃も来るはずであり、その事は人族の王様と、その時に王様の護衛をしていたシンラさんだけでありその情報は交易を邪魔するものが現れないとも限らないため、機密事項として秘匿されていた。 なのに何故か情報がどこからか漏れていたらしく、ハイエルフの王様と王妃と獣人族の王様と王妃を迎えにいくと、そこには、大量の血しぶきが残っており確実に争った形跡と、重症をおったハイエルフの王様と獣人族の王様がいた。それに気が付いたシンラさんは、傷ついた王様二人を王城に運んで、傷を治してもらってからから事情を聞くと、急に現れた多くの人族が魔法を獣人の王様達にうち放ち、ハイエルフの王様達には剣で攻撃した。そのまま事情を聞いたあと、その事を知っているのは、王様とシンラさんしかいなかったために、シンラさんは、王様の命令を違反したと思われたらしく犯人として扱われ死刑になりかけた。が、獣人族とハイエルフの王二人にかばわれた結果、貴族の人にシンラさんを王の護衛係を止めさせた。

　なので今は王都から離れたこの都市エリックで下級騎士をやっているらしい。その話を聞いたあとに一番ビックリしたことは、

「シンラさん、王様の護衛をしていたんですか！」 

「もう昔の話だけどね」

と照れて頭をかきながらそういった。

「それよりも頼み事がある。このアイテムを王都にいるハリスと言う男に届けてくれないか？」

 　そう言われて渡されたのは、深い青色の水晶と手紙だった。

「これをですか？」

「あぁ。この手紙と一緒に水晶を渡せば、あいつは気が付くはずだからな」

「分かりました。では今から行ってきます」

　そう伝えて直ぐさま向かおうとすると、

「ちょっと待ってくれ」

「何でですか？」

　と聞くと、

「今日は疲れているから、明日も疲れを取るために休んでくれ。だから行くのは明後日にしてくれ」

「分かりました。ではエマを連れてきてから帰ります」

 「あっ！少し待ってくれないか？」

　そうハイエルフの王様に言われた。

「何でですか？」 

「できれば一緒に連れていって欲しい者がいるんだ」

と言われたので、

「どなたですか？」

と聞くと、

「・・・・・私」

と言って現れたのは、盗賊のアジトの中で僕の事をジーーっと見つめていたハイエルフの女の子だったのである。