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プロローグ
エマの話
しおりを挟むそして、できた料理をリビングに持っていくと、あの子はソファーにじっと何もせずに座っていた。
ん?・・・・このパターンはもしかして、待っててねって言ったのが命令になっていたりして・・・・
その考えにいたって
「君の自由にしていいよ」
といってから考えはじめた。別に命令何てしたくないからこの契約って解除出来ないかなぁ。そう思い解除する方法を探していると腕輪を鑑定したときに偶然見つけることが出来た。 その首輪にはこのようなことが書いてあった。
============================================
従属の腕輪
つけたものを絶対服従させるために作られた指輪。高位闇魔法で作られていることによりほとんどの人は壊すことなど出来ないようになっている。つけた指輪は血をつけ、所有者を確認できない場合、一週間で死にいたるように設計されている
設定変更可能
意思剥奪 現在 OFF 行動強制停止 現在OFF
自殺不可 現在 ON 命令強制実行 現在 ON
============================================
と言う事が書いてあった。なのですぐそれを解除して、どうやって壊すのかを考えていた。するとやっとソファーから動いたから考えるのをやめた。これでやっと会話が出来るなと思いながらリビングに行き、机に作った料理を並べていると
「なぜ、私に何もしないんですか!?私を気の済むまで痛め付けてぼろ布のように扱わないんですか!?」
「うわぁ!?・・・・えっ?一体何の事?」
「何の事ではないでしょう!貴方たち人間はいつもひどいことをするって言ってましたよ!」
と怒ってきた。けど僕にはなんの事かさっぱりわからないため
「いや、本当に何の事か分からないんだ」
素直に言うと
「えっ!?まさか私のステータスを見ていないんですか!?」
「勝手に見たら悪いと思ってたから見てないよ」
「貴方の所有物ですから悪いもなにもありません」と言われた。
「えっ?個人のステータスは、普通見たら駄目でしょ?」
「普通は見ないでしょうが私は貴方の奴隷なんですよ?普通は見ても何も言われないどころか、見ない方が可笑しいですよ」
と嘲笑うように言われた。普通なら怒るけどその表情に陰があることに気がついて怒る気がなくなった。
そう言われてしまった。そうなのか・・・と考えていると
「これを見てください」
そう言われたので見てみると・・・・・
============================================
エマ HP64/64 MP30/30
レベル1 種族金狼族 性別 女
ステータス
筋力???
体力???
耐性???
俊敏???
魔力???
魔耐100
スキル
{封印}※レベル10で解除 現在隠蔽中
称号
{獣人の勇者 最後の金狼族の生き残り}
※高位隠蔽中 本人検索不可能
加護
{獣神の加護}※高位隠蔽中 本人検索不可能
======================
「ふぁ!!!???」
「見ましたか?」
「えっ!何これ!?凄いね!」
と僕がはしゃいでいると
「私は金狼族なんです」
暗い雰囲気で言った。
「それがどうしたの?」
そんなことにははしゃいでいて気づかないでいると
「それがどうしたではないでしょう!」
その子は怒りながら言った
「私の一族は獣人族の中でも唯一獣神を信教しているんです。獣人族でも信教している神は、現在の唯一神である神様なんです。ですが昔は神様が五柱いたのですが、今の神である唯一神が自分だけが信教されようとして他の神様達を悪い神様として扱い信教されなくして潰そうとしたと金狼族には伝えられていたのです。でも他の獣人族では唯一神が他の神様を悪い神様の様に伝えたらしく私達以外は神様を信教しなくなりました。そして私達は唯一神を信教していないという理由で人族からは嫌われて、しかも同族である獣人族にも嫌われているんです。そして私は同族の獣人族に襲われていてすごく遠くに来たらしく、私の事を知らない場所に生き延びたのですが、そのあとハリスさんに売られて今はここにいます。私は神を憎んでいます。殺したい!!殺したい!!殺したい!!この思いはどんどん強くなっています。こんな私など捨ててもいいのですよ。そのときは世界や貴方たちを怨みながら死んでいきますから」
この子は笑顔で言った。まるで捨てられることが確定しているかのように
「そうだったんだ・・・・・」
そう思いながら僕はこの子にそんな顔をさせる神が更に憎くなった。そしてふと考えついた。この子なら僕がこの世界に来た理由を教えてもいいんじゃないか?そう考えて、僕は理由を話すことにした。
僕はなぜ自分がこの世界に来た理由を素直に話した。
「実は僕は異世界から召喚された勇者で、唯一神が僕の事を召喚したんだけど自分の親が先代の勇者だったらしくて、しかも自分の親を唯一神が召喚したのに殺したらしいから自分が神が倒そうと思っていて、今はレベルを上げるためにこの町に来たんだ」
「・・・・そうなのですか。信じたりはしませんが」
「今はそれでいいよ。でも僕と一緒に旅をしてくれない?僕は種族がどんなものだって構わないし。それにエマはかわいいと思っているから」
「・・・・・・・・・本当に一緒にいてもいいですか?」
かわいいと言われなれていないからか少し頬を赤くしながら言うエマに
「うん。僕は君にいてほしいんだ」
と、素直に言った。これは本当に自分の心からの本心だ。それにエマのレベルを上げて、封印を解いた常態を見たいしね。そう思っていると、エマがゆっくりと口を開いた。
「はい。これからよろしくお願い致します」
「こちらこそよろしくお願いするね」
僕はそう言ってエマと握手をしたのだった。
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