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プロローグ
最後の日常は呆気もなく崩れる
しおりを挟む僕は深い暗闇のなかにいる。でも見えるわけではない。眠っている状態であり、脳がそう思っている状態である。なぜわかるかと言うと、朝はぼーっとしていて体が動かないからしばらくボーッとしていると
「お~い、早く起きろ~」
「早く起きろ~」
そんな声が聞こえて僕は目を覚ました。
「早く起きろ~早く起きろ~」
どうやら下から呼んでいるらしく起きたことに気がついてないみたいだ。
「早く起きないと遅刻するぞ~」
と心配している声を聞いて
「もう起きてるよ。着替えるからちょっと待って」
なんとか覚醒し出した頭で声を振り絞って答えると
「あいよ~」
と聞こえてきた声をBGMに服を脱いで制服に着替えてからリビングに降りていった。
ちなみに僕の名前は竹内 雪。女子みたいな名前だけどちゃんと男であり、見た目は黒目黒髪の167cm一般的な、強いて言えば親がいないだけの普通の男子高校生である。
「はぁ、学校に行きたくないなぁ」
と言う声は聞こえたらしく、
「そんなこと言ってないで早く降りてこいよ」
僕をとがめるような声が聴こえたので僕は急いで階段を下りようとしたがふと思い出した。
勉強道具をいれてあるカバンをとってこないと行けなかったなと。そう思って直ぐに部屋に戻りカバンを取ってきてから急いで階段を下りたのだった。
まだ覚醒したくないと言っているように体をふらふらさせながらもなんとか洗面台にたどり着いて、制服を濡らさないようにしながらも勢いよく冷たい水でバシャバシャと顔を洗って脳を覚醒させながら急いで玄関に行って靴を履き急いで家を出た。
「おい、急がないと遅刻するぞ~」
「そのくらい分かってるよ。だからそんなに言わなくてもいいでしょ勇気」
「だが昨日はそれで来なくて遅刻しかけただろうが。本当にギリギリだったぞ」
昨日は昨日今日は今日だからね、と心の中で呟きながら改めて勇気の姿を見る。僕の事を、待っていてくれていたのは紺野 勇気。黒目黒髪の171cm、成績優秀でスポーツ万能で優秀な、僕が一番信頼している、心からの親友だ。勇気とは小学校からの縁があり今も親友である。
まぁクラスや学校を含めての友達がこいつしかいないんだけどね。いや、いないのではなく近くの誰かさんととある人物のせいでもあるが(せいとは言いたくないけど言う。)本人は百パーセント知らないのだろう。知らないと言うより気がついていないのであるが・・・・・・・そう考えていると、
「おい雪、早く行かないとマジで遅刻するぞ。さすがに入ってすぐの30日目って所で遅刻はヤバいだろ」
「三十日だとそこまで問題ないような気がするけどね・・・でもまぁ確かに遅刻は不味いもんね。じゃあ先を急ぎますか」
「そうだな。じゃ、お先に~」と言って、走っていってしまった。
ちょっと酷くない?、流石にと言おうとしたが言う前に勇気は行ってしまった。ってそんなことよりも自分も急がないと。
学校に間に合うように少し急ぎ目で自分も走ったのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・やっと着いた・・・・・・」
この学校は僕の家から歩いて10分ほどで走れば5分で着くくらいの距離にあるのだが時間がギリギリだった為間に合うかどうかわからなかったのだがどうやら賭けに勝ったらしくギリギリ間に合ったみたいだ。
「おー、間に合ったみたいだな」
「うんギリギリだけどね」
「そんなことがあったんだ~・・・・・・あっ! おはよう!雪君!もう少し早く来ようよ・・・・ボソッ(そしたらもっと話せるのに・・・・・・」
そんな声が聴こえてきた。すると周りの男子からの視線が人を百回殺してもお釣りが来るレベルで強くなった。
何でこんな視線を貰っているかというと、つい先程声をかけてくれた 春野さんがその理由である。
春野澪。黒目黒髪の154cmで、ものすごい美人なのである。そこらへんのアイドルが裸足で逃げ出すくらい、美人である。だから、そんな人に冴えない普通の高校生でしかもオタクのやつである僕が笑顔で挨拶されているわけである。なんでこいつが?春野さんに喋りかけられているんだ!?すごいかっこいいわけでもない、運動ができる訳じゃない普通のやつなのに!?と言う嫉妬や妬みからの視線は当たり前だけど・・・・・
さすがに毎日だと心が折れそうだなぁ・・・・・でも挨拶しないともっと視線が強くなるし(前にしたら視線が千回くらい殺されてもお釣りが来るレベルになったからだ。)
「おはよう春野さん」
「おはよう!今日はなんでこんなに遅くなったの?ボソッ(私が起こしに行こうかな?」
こんな挨拶をしただけで周りからの視線が強くなった。僕なにもしてないのに!でも春野さんたま~に最後の言葉が聞こえなくなるんだよな~なんでだろ?
はぁ~~。
「朝から辛いな、雪」
「まぁ仕方がないけどね」
しかも勇気と喋っていると今度は女子からの視線が強くなった。こちらも視線で人を殺せるくらいに・・・・
はぁ~~~。どっちと喋っても視線が来るのか・・・・
「これは俺のせいもあるなすまん」
「別にいいよもうなれたし」
春野さんは気づいてないみたいだけど勇気は気づくらしく、いつも小声で謝られる。気にしてないけど。気にしてないけど!
こんなことを喋っていると先生がきて。
「お~い授業始めるぞ。お前ら早く席につけ」
そう先生が言うとやっと視線から解放された。が、じゃあまたね。と言う声が聴こえてきたのでまた視線が強くなったが、もう諦めた。そして皆が机についたそのとき、教室の床が光輝いた。
そして、辺りが閃光に支配されたその後この教室から誰もいなくなった・・・・・・
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