234 / 239
最終章 打倒! 四天王
第234話 ゼビルの最後
しおりを挟む
シャロルばかりを狙うゼビルに対して、キーファーは怒りを爆発させて、巨大なシャチ、スプラッシュを召喚した。
そのシャチは滝のような水を放出させる。
ゼビルは、男の子を呼び出し、強風で水に対抗しようとした。
しかし、一歩遅かった。
召喚する寸前に、滝のような水がゼビルを流し込んだ。
「くっそ……!!」
ゼビルは滝のような水に飲まれ、何もできない。
滝のような水が消えた時には、膝をついて血を吐き出していた。
「……おかしい……何故なんだ!? こんな力、残っているはずが……」
ゼビルは、キーファーを睨みながら、言い訳をしていた。
「そんなに自分を認めたくないのか?」
キーファーは呆れた。
「ふざけんな! 俺は一番強い!! 誰よりも強いんだよ!! そう、世界一強い! だから負けるわけないんだよ!!」
ゼビルは、よろよろしながらも大剣を振って、キーファーのお腹を斬ろうとしている。
「往生際が悪いな」
キーファーは大剣で素早くお腹を守る。
キーン
剣が重なり合う音が鳴り響く。
「俺は絶対に勝つ! 絶対に負けない!!」
ゼビルは、大剣では無理だと感じて、男の子を召喚する。
剣での勝負がダメなら、召喚魔法を頼りにしようと考えた。
召喚された男の子は、キーファーに向けて突風を起こしていく。
その突風は、キーファーの大きな身体でも耐え切れなくて、豆粒にしか見えないくらいまで吹き飛ばされた。
そして、高く上がったキーファーの身体は、そのまま、スピードに乗って落下していく。
「キーファー!」
シャロルは、本来ならば負傷して動けない状態だ。
それでも、キーファーを心配して、ゆっくりとした動作でキーファーのほうへと向かう。
その瞬間をゼビルが見逃すはずがない。
ゼビルは、シャロルの腕を掴む。
ゼビルの大剣が、シャロルに突き刺さろうとしている。
「ハヤテ!!」
シャロルは、大剣が刺さる寸前に、ハヤテという鷹を召喚した。
ハヤテは強風で竜巻を起こし、ゼビルを巻き込んだ。
「なんでだ……!! ふざけん……な……!!」
ゼビルはうつ伏せに倒れたまま、まだ、何か仕掛けようとしている。
「ふざけてるのはあなたでしょう! あなたは一番大切なものが何かもわかってない!!」
シャロルは怒鳴った。
シャロルにしては珍しい。
シャロルの怒鳴ったところをあまり見たことがないキーファーは、恐ろしさを感じた。
「一番大切なもの……? そんなのは強くなって一番上に立つ!」
ゼビルはそう言うと、勢いよく立ち上がって、シャロルに大剣を振り下ろす。
キーファーは、先ほど、ゼビルの召喚魔法でのダメージが大きかったが、なんとか反応して、シャロルを抱きしめて、大剣から逃れた。
「……ありがとう、キーファーは大丈夫なの?」
シャロルは心配そうに、キーファーの顔を覗き込む。
「あぁ、大丈夫だよ」
キーファーはニヤッと笑ってみせる。
シャロルとキーファーのやりとりを見て、ゼビルは苛立った。
「なんなんだよ!! おまえらを見てるとイライラするんだよ! そんなに心配なのかよ!!」
ゼビルは、キーファーとシャロルに大剣を振るう。
ところが、ゼビルには、攻撃する力も残っていなかった。
大剣は地面を斬った。
「……俺は弱かったのか……!! そんなはずじゃ……それなら、死んだほうが良い」
ゼビルは拳を握り締めた。
「あなたは強さと権力が一番大切だと思っている。でも違う! 本当に大切なのは、思いやる気持ちなのよ。あなたは思いやる気持ちが足りなかった」
シャロルが口を開く。
「うるさいっ! 力がなければ、やられるだけなんだよ! この世の中は弱肉強食だからな!」
ゼビルは大剣で、自らの首を斬った。
「やめろ!!」
キーファーが止めに入ろうとしたが、すでに遅し。
ゼビルは大量出血して、そのまま帰らぬ人となった。
「なんで、そんな考え方しかできないんだよ! やり直すことはいくらでもできただろ!! たとえ、造られた人間だとしても、与えられた命を無駄にしていいわけないだろ!!!!」
キーファーは、ゼビルを助けられなかったことが悔しくて、涙が出てきた。
「キーファー……」
シャロルは、キーファーと同じ気持ちだった。
悔しい。
何故、ゼビルを助けることができなかったのか。
キーファーを抱きしめながら、自問自答した。
そのシャチは滝のような水を放出させる。
ゼビルは、男の子を呼び出し、強風で水に対抗しようとした。
しかし、一歩遅かった。
召喚する寸前に、滝のような水がゼビルを流し込んだ。
「くっそ……!!」
ゼビルは滝のような水に飲まれ、何もできない。
滝のような水が消えた時には、膝をついて血を吐き出していた。
「……おかしい……何故なんだ!? こんな力、残っているはずが……」
ゼビルは、キーファーを睨みながら、言い訳をしていた。
「そんなに自分を認めたくないのか?」
キーファーは呆れた。
「ふざけんな! 俺は一番強い!! 誰よりも強いんだよ!! そう、世界一強い! だから負けるわけないんだよ!!」
ゼビルは、よろよろしながらも大剣を振って、キーファーのお腹を斬ろうとしている。
「往生際が悪いな」
キーファーは大剣で素早くお腹を守る。
キーン
剣が重なり合う音が鳴り響く。
「俺は絶対に勝つ! 絶対に負けない!!」
ゼビルは、大剣では無理だと感じて、男の子を召喚する。
剣での勝負がダメなら、召喚魔法を頼りにしようと考えた。
召喚された男の子は、キーファーに向けて突風を起こしていく。
その突風は、キーファーの大きな身体でも耐え切れなくて、豆粒にしか見えないくらいまで吹き飛ばされた。
そして、高く上がったキーファーの身体は、そのまま、スピードに乗って落下していく。
「キーファー!」
シャロルは、本来ならば負傷して動けない状態だ。
それでも、キーファーを心配して、ゆっくりとした動作でキーファーのほうへと向かう。
その瞬間をゼビルが見逃すはずがない。
ゼビルは、シャロルの腕を掴む。
ゼビルの大剣が、シャロルに突き刺さろうとしている。
「ハヤテ!!」
シャロルは、大剣が刺さる寸前に、ハヤテという鷹を召喚した。
ハヤテは強風で竜巻を起こし、ゼビルを巻き込んだ。
「なんでだ……!! ふざけん……な……!!」
ゼビルはうつ伏せに倒れたまま、まだ、何か仕掛けようとしている。
「ふざけてるのはあなたでしょう! あなたは一番大切なものが何かもわかってない!!」
シャロルは怒鳴った。
シャロルにしては珍しい。
シャロルの怒鳴ったところをあまり見たことがないキーファーは、恐ろしさを感じた。
「一番大切なもの……? そんなのは強くなって一番上に立つ!」
ゼビルはそう言うと、勢いよく立ち上がって、シャロルに大剣を振り下ろす。
キーファーは、先ほど、ゼビルの召喚魔法でのダメージが大きかったが、なんとか反応して、シャロルを抱きしめて、大剣から逃れた。
「……ありがとう、キーファーは大丈夫なの?」
シャロルは心配そうに、キーファーの顔を覗き込む。
「あぁ、大丈夫だよ」
キーファーはニヤッと笑ってみせる。
シャロルとキーファーのやりとりを見て、ゼビルは苛立った。
「なんなんだよ!! おまえらを見てるとイライラするんだよ! そんなに心配なのかよ!!」
ゼビルは、キーファーとシャロルに大剣を振るう。
ところが、ゼビルには、攻撃する力も残っていなかった。
大剣は地面を斬った。
「……俺は弱かったのか……!! そんなはずじゃ……それなら、死んだほうが良い」
ゼビルは拳を握り締めた。
「あなたは強さと権力が一番大切だと思っている。でも違う! 本当に大切なのは、思いやる気持ちなのよ。あなたは思いやる気持ちが足りなかった」
シャロルが口を開く。
「うるさいっ! 力がなければ、やられるだけなんだよ! この世の中は弱肉強食だからな!」
ゼビルは大剣で、自らの首を斬った。
「やめろ!!」
キーファーが止めに入ろうとしたが、すでに遅し。
ゼビルは大量出血して、そのまま帰らぬ人となった。
「なんで、そんな考え方しかできないんだよ! やり直すことはいくらでもできただろ!! たとえ、造られた人間だとしても、与えられた命を無駄にしていいわけないだろ!!!!」
キーファーは、ゼビルを助けられなかったことが悔しくて、涙が出てきた。
「キーファー……」
シャロルは、キーファーと同じ気持ちだった。
悔しい。
何故、ゼビルを助けることができなかったのか。
キーファーを抱きしめながら、自問自答した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
魔符屋の倅・・・・・魔力は無いけど、オーラで頑張る
切粉立方体
ファンタジー
魔符工房の息子のユーリは魔力が無く、14歳で成人すると、鬼籍に入れられ聖都フェリシアから追放される宿命だった。
だが、偶然魔法都市に繋がる路地を発見し、人生が変わっていく。
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
浅葱色の桜
初音
歴史・時代
新選組の局長、近藤勇がその剣術の腕を磨いた道場・試衛館。
近藤勇は、子宝にめぐまれなかった道場主・周助によって養子に迎えられる…というのが史実ですが、もしその周助に娘がいたら?というIfから始まる物語。
「女のくせに」そんな呪いのような言葉と向き合いながら、剣術の鍛錬に励む主人公・さくらの成長記です。
時代小説の雰囲気を味わっていただくため、縦書読みを推奨しています。縦書きで読みやすいよう、行間を詰めています。
小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも載せてます。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
異世界複利! 【1000万PV突破感謝致します】 ~日利1%で始める追放生活~
蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。
中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。
役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる