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最終章 打倒! 四天王

第228話 最後

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 ジュンは、ケガを負ったヴィンセントに回復薬を飲ませようとしたが、それよりも先に、アッシュのキックを受けた。

 そのため、ジュンは、ヴィンセントに覆いかぶさるようにして倒れてしまう。

「ジュン!」

 ヴィンセントはすぐにジュンを抱きしめながら、横に転がる。

 アッシュが拳を振り上げ、狙っていたからだ。

「チッ……」

 アッシュは舌打ちすると、素早くヴィンセントの前に姿を現す。

 目の前に現れて、数秒も経たないうちに、ポニーテールの女性を召喚させた。その女性は、光の球を作り、おもいっきり投げる。

 それは綺麗な投げ方で、まるで投手のようだ。

「っっ!」

 ヴィンセントは、咄嗟にブラッドソードで、光の球を受けたものの、威力は凄まじくブラッドソードを落としてしまう。

「俺の召喚は、もの凄いパワーがあるだろう? 剣で受けたとしても耐え切れないんだよ」

 アッシュは、ヴィンセントを睨みつけながら、不敵に笑って、ヴィンセントの顔面をめがけて、ストレートでパンチする。

 ヴィンセントはしゃがみ込み、パンチを躱すと、アッシュの背後に回り込んだ。

 角の生えた原始人、サンダーを召喚させ、雷を起こした。

 その雷がアッシュの背中に直撃する。

 ゴロゴロゴロ

 大きな雷鳴も聞こえてくる。

 アッシュは、息を荒くしながら、ヴィンセントへとポニーテールの女性を召喚し、光の球を投げつける。

 ヴィンセントは高く跳躍して、光の球を避けた。だが、その光の球は追いかけてくる。

 木にぶつけるように仕向ければ、光の球は追いかけてこないと考えたヴィンセントは、あえて、光の球を誘導する。

 ビュンッ

 光の球は、ヴィンセントの思惑通り、木にぶつかり消えていったと思ったのも束の間。

 アッシュは、すぐにポニーテールの女性を呼び出し、光の球を発動させていた。

 新たな光の球に気がついたときには、もう遅い。ヴィンセントは、間に合わないと思いながらも、身体を捻って、急所を外すことを考えた。

「スピード!!」

 ジュンが、妖狐、スピードを呼び出し、鞭のように柔らかい、グニャグニャした光の筋が光の球を打ち返した。

 アッシュは打ち返された光の球に当たりそうになり、咄嗟に右へと転がった。一度は躱したが、光の球はアッシュへと向かっていく。

「チッ……」

 アッシュは、自分の召喚した魔法でダメージをくらってしまった。そのことに腹を立てて、ジュンの鳩尾にパンチを食らわせた。

「きゃぁ!!」

 ジュンは力のあるパンチに吹き飛ばされてしまった。

 アッシュは、更に、ジュンの服を掴んで、お腹にアッパーでパンチをした。

「ウッ……」

 ジュンは血を吐き出した。

 そんなジュンを見て、ニヤリと笑って、放り投げるアッシュ。

 ジュンは木に背中を強打して、意識を失った。

「……ジュン……!」

 ヴィンセントは、ジュンのほうに歩み寄る。

 それを阻止したのは、アッシュだ。

 ヴィンセントに足払いをして、バランスを崩させる。

 ヴィンセントは身体を反るような形になり、倒れそうになる。

 その隙をアッシュは見逃さなかった。

 ポニーテールの女性を召喚させ、光の球を放つ。

「っっ……!!」

 ヴィンセントは光の球を受けて、吹き飛ばされた。

「終わりだな、死ね!!」

 また、光の球がヴィンセントを狙っている。光の球は200キロくらい出ているのではと思うくらい速い。

 ヴィンセントは目を見開いた。

 アッシュは、ヴィンセントのことをもう終わりだと覚悟したなと感じて、勝利を確信した。
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