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最終章 打倒! 四天王

第221話 それぞれ、分かれて探そう

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 キングアジトへ行くために、船を借りるため、ガイナー港へやってきたセルティスたち。

 船を借りる手続きをして、まずは、キングアジトに近いヴィンセントの故郷を目指す。

 今回も船を操作するのはヴィンセントだ。

 ゆっくりと船が動き出す。少しずつ、船はスピードを上げていく。

 本来なら風を切って気持ちいいはずだが、数分でセルティスは船酔いしてしまった。

「酔い止め、飲まなかったのか?」

 ホークは呆れた顔で、セルティスを見つめる。

「飲んだけど、効かない……」

 セルティスは、バタっとホークの膝に倒れ込んだ。

 「大丈夫か?」

 ホークは、セルティスの背中を優しく撫でながら、声をかけていた。

 スピードは出ているものの、ヴィンセントの故郷までは遠い。

 6時間かけて、ようやくヴィンセントの故郷へ辿り着いた。

 相変わらず、セルティスはしんどそうだ。

「ほらっ」

 セルティスは、ホークに背負われて船を降りる。

 恥ずかしさはあるが、そんなこと言っていられなかった。

 ひとりで歩くのもきつい。

 ヴィンセントはため息をつく。

 故郷だというのに、何も残っておらず、破壊されたままだ。

 ヴィンセントの見た光景は全く残っていなかった。

 ジュンは、そんなヴィンセントに気を遣っている。

「大丈夫? 無理しなくていいんだよ」

 ヴィンセントは、ジュンの気遣いにびっくりしていたが、フッとたまに見せる笑みを向けた。

「ありがとう。でも、大丈夫だ」

感謝の気持ちを表すと、キングアジトが、どの位置なのか、周りの景色を見ながら考える。

「たしか、こっち方面だったような……」

 ヴィンセントは聞いた話を思い出しながら、少しずつ向かっていった。

 海から離れていく。

 知らない間に波の音が消えていた。

 しばらく歩いていると、妙な建物を発見する。

「あれか?」

 キーファーが聞く。

「いや、あんな感じじゃなかった気がする」

「見て。これ……」

 シャロルが指差す。

 そこには、血液らしきものが点々と地面に付着している。

 まるで、この血液を辿れといっているようだ。

 ここで、ようやく調子を戻してきたセルティスが、ホークの背中越しに声をかけた。

「あのさ……あたし、もう大丈夫だから降ろしてもらってもいい?」

 ホークはキョトンとしていた。

「あぁ……大丈夫なのか?」

「うん」

セルティスは顔を真っ赤にしている。

「……顔赤いけど……?」

「いや……それは……」

 ホークはセルティスを降ろす。

「今さら照れてどうする……」

 と言う、ホークのツッコミを、セルティスはスルーした。

「それにしても、この血液……どこまで続いているんだろう」

 ジュンはずっと繋がっている結家気を目で追う。

 ヴィンセントは怪しいと感じて、この血液の跡を追っていたほうが良いと判断する。

「なんか、嫌な予感がする。絶対、何か示しているはず。この血液、追ってみよう」

 セルティスは、ヴィンセントの意見を受け入れる。確かに、この血液が気になる。

 ホーク、ジュン、キーファー、シャロルも頷く。

 ミラトは、キーファーの言っていた建物も気になった。

「あの建物は何? 全く使っていないように見えるけど……」

 ヴィンセントもわからなかったので、両手を広げてわからないと合図した。

「やっぱり気になるなぁ……」

 ミラトはじっと、あの建物を見つめる。

「じゃあ、確かめてみるか。ミラトひとりだと危ないから、俺も行く」

 レビーが言うと、ミラトは、セルティスに同意を求めた。

 セルティスは、目を丸くしている。

「いや、あたしに同意を求められても……でも、まぁ、気になるけれど……」

 戸惑っているセルティスに、ホークが案を出す。

「じゃあ、レビーとミラトはその建物を探索してくれ。俺たちはこの血液を追う。もしかしたら、四天王がいるかもしれない」

「そうだね。それに四天王はどこにいるか、わからない。4つのグループに分かれよう」

 シャロルがホークの案に賛成する。

 セルティスは仲間の案に頷く。

「なら、ヴィンセントとジュンはこの血液を追って」

「わかったよ」

 ジュンは了解した。

 キーファーは辺りを見回す。

「俺はこっちから、キングアジトっていうのを探してみるよ」

「なら、私も行くわ」

 シャロルがキーファーと一緒に行くことにする。

 セルティスは必然的にホークと一緒にキングアジトを探すことに。

 ヴィンセントの故郷のある地域に、キングアジトがあるのかも確かではないが、ここで、キングアジトのことを聞いたのは、間違いないようだ。

 それぞれが各グループに分かれて、キングアジトを探し、四天王の行方を追うことになった。
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