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12章 離島 ダリ島
第198話 シャロルの過去
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キーファーは、倒れそうになるシャロルの身体を抱えた。
キーファーの行動を見て、すぐに駆けつけたのは、セルティスだった。
「シャロル、大丈夫か?」
セルティスは、シャロルを心配そうに見つめている。
セルティスに続いて、ホーク、ヴィンセント、ジュンがシャロルに寄ってきた。
普段、シャロルの悲しそうな顔を見ることがないホークは驚愕した。
いや、悲しそうな顔はする。
だが、いつもシャロルは、その中に凛としている顔がある。
今はそれがない。
「どうしたんだ、シャロル」
ヴィンセントは、フーッと息を吐いた。何かを悟った。
「シャロル、ジュンのことを守るために、ずっと自分の中にある背負っているものを誰にも打ち明けなかった。だけど、もう、限界がきているんじゃないのか」
ヴィンセントの言葉に、ジュンはハッとして、シャロルに声をかける。
「シャロル、ずっと強くいるなんて思わなくていいよ。たまには弱音吐いて。あたし、いつも、助けられているから、シャロルのことを助けたい」
シャロルは、目を丸くした。
ジュンからそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
心をあまり開いてくれなかったから。
自分では、ジュンの心を開くことは無理だとずっとショックだった。
だが、セルティスたちと出会い、ヴィンセントに心を開いていくジュン。
安心したと同時に今まで隠れていた弱さが、心に表れるようになった。
騎士として弱いところを見せられないと、凛とした態度を心がけていたが、ひとりで抱え込むことも限界にきた。
ジュンは、シャロルの姿を見ていられなくて、そっと抱きしめる。
「シャロル、いつも、あたしを守ってくれてありがとうね。シャロルのおかげで人の優しさに触れることができた。今はシャロルだけじゃない。セルティスやホーク、キーファーがいる」
その後、少し、ジュンは照れながら自分の心を打ち明けた。
「それと……あたし……ヴィンセントに会って、今までにない気持ちも出てきた。今まで、あたしも弱音吐けなかったし、弱音を吐いたら、弱い人間だと思われて怖いと思っていた。だけど、違うんだって気づけた。弱音を吐くのも、強さだって教えてくれた」
シャロルは、ジュンの言葉が胸に突き刺さる。
目が潤んできていることを感じる。
「あれ……おかしいな……」
ジュンは強くシャロルを抱きしめた。
「シャロル、あたしたち仲間がいるんだよ。大丈夫、あたしたちが受け止めるから、弱音吐きだして。甘えていいんだよ」
シャロルの目からは涙が流れていた。
「ありがとう、ジュン、私、ジュンが悲しい顔しないように守ろうとして必死だった。ジュンがどうしたら心を開くのかなって。でも、自分を追い込んだみたいね」
シャロルはジュンを離すと、涙を拭った。
「私自身が心開いてなかったね。ごめん。幸せな日になるはずだったのに、結婚式当日、四天王に婚約者を殺された。その時からずっと後悔していて。私が殺したようなものよ。守ることができなかったから。それから怖くなった。私が騎士でいる以上、私に関わる大切な人を危険にさらすことになるから」
ジュンは、シャロルの過去を初めて聞いて驚いた。
「婚約者を殺された……?」
セルティスは、シャロルの話を聞いて口を開いた。
「その気持ち、わかるよ。あたしも似たようなことがあったから。剣士なのに守れないんだって責められてたから。でも、仲間と会って弱音を吐けるようになったら、肩の荷が下りたというか凄く楽になった。仲間をもっと頼ろうっていう気持ちにもなったし、仲間の気持ちに寄り添うこともできるようになった。人間はお互いに弱音を吐き出して助け合って生きていくんだと思うよ」
シャロルは、セルティスの話を聞いて、再び、涙が出てくる。
「無理しなくていいんだよ」
ホークが言うと、ヴィンセントも頷く。
「そうだな、シャロルはひとりじゃない。ひとりで抱え込むな」
キーファーはため息をつく。
「シャロル、俺らだって、皆、辛い過去背負ってるんだぜ」
間をおいてから、キーファーは自分のことを話す。
キーファーの行動を見て、すぐに駆けつけたのは、セルティスだった。
「シャロル、大丈夫か?」
セルティスは、シャロルを心配そうに見つめている。
セルティスに続いて、ホーク、ヴィンセント、ジュンがシャロルに寄ってきた。
普段、シャロルの悲しそうな顔を見ることがないホークは驚愕した。
いや、悲しそうな顔はする。
だが、いつもシャロルは、その中に凛としている顔がある。
今はそれがない。
「どうしたんだ、シャロル」
ヴィンセントは、フーッと息を吐いた。何かを悟った。
「シャロル、ジュンのことを守るために、ずっと自分の中にある背負っているものを誰にも打ち明けなかった。だけど、もう、限界がきているんじゃないのか」
ヴィンセントの言葉に、ジュンはハッとして、シャロルに声をかける。
「シャロル、ずっと強くいるなんて思わなくていいよ。たまには弱音吐いて。あたし、いつも、助けられているから、シャロルのことを助けたい」
シャロルは、目を丸くした。
ジュンからそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
心をあまり開いてくれなかったから。
自分では、ジュンの心を開くことは無理だとずっとショックだった。
だが、セルティスたちと出会い、ヴィンセントに心を開いていくジュン。
安心したと同時に今まで隠れていた弱さが、心に表れるようになった。
騎士として弱いところを見せられないと、凛とした態度を心がけていたが、ひとりで抱え込むことも限界にきた。
ジュンは、シャロルの姿を見ていられなくて、そっと抱きしめる。
「シャロル、いつも、あたしを守ってくれてありがとうね。シャロルのおかげで人の優しさに触れることができた。今はシャロルだけじゃない。セルティスやホーク、キーファーがいる」
その後、少し、ジュンは照れながら自分の心を打ち明けた。
「それと……あたし……ヴィンセントに会って、今までにない気持ちも出てきた。今まで、あたしも弱音吐けなかったし、弱音を吐いたら、弱い人間だと思われて怖いと思っていた。だけど、違うんだって気づけた。弱音を吐くのも、強さだって教えてくれた」
シャロルは、ジュンの言葉が胸に突き刺さる。
目が潤んできていることを感じる。
「あれ……おかしいな……」
ジュンは強くシャロルを抱きしめた。
「シャロル、あたしたち仲間がいるんだよ。大丈夫、あたしたちが受け止めるから、弱音吐きだして。甘えていいんだよ」
シャロルの目からは涙が流れていた。
「ありがとう、ジュン、私、ジュンが悲しい顔しないように守ろうとして必死だった。ジュンがどうしたら心を開くのかなって。でも、自分を追い込んだみたいね」
シャロルはジュンを離すと、涙を拭った。
「私自身が心開いてなかったね。ごめん。幸せな日になるはずだったのに、結婚式当日、四天王に婚約者を殺された。その時からずっと後悔していて。私が殺したようなものよ。守ることができなかったから。それから怖くなった。私が騎士でいる以上、私に関わる大切な人を危険にさらすことになるから」
ジュンは、シャロルの過去を初めて聞いて驚いた。
「婚約者を殺された……?」
セルティスは、シャロルの話を聞いて口を開いた。
「その気持ち、わかるよ。あたしも似たようなことがあったから。剣士なのに守れないんだって責められてたから。でも、仲間と会って弱音を吐けるようになったら、肩の荷が下りたというか凄く楽になった。仲間をもっと頼ろうっていう気持ちにもなったし、仲間の気持ちに寄り添うこともできるようになった。人間はお互いに弱音を吐き出して助け合って生きていくんだと思うよ」
シャロルは、セルティスの話を聞いて、再び、涙が出てくる。
「無理しなくていいんだよ」
ホークが言うと、ヴィンセントも頷く。
「そうだな、シャロルはひとりじゃない。ひとりで抱え込むな」
キーファーはため息をつく。
「シャロル、俺らだって、皆、辛い過去背負ってるんだぜ」
間をおいてから、キーファーは自分のことを話す。
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