193 / 239
12章 離島 ダリ島
第193話 ロボット型モンスター現る
しおりを挟む
セルティスたちは、警戒心を強めながら歩いていく。
ピピの情報によれば、この先ではダリ島の戦士や騎士が四天王の手下と戦っている。
セルティスたちが来るまで、戦士や騎士が凌いでくれていることを信じながら、ゆっくりと進む。
戦士や騎士が無事であるようにとセルティスは願った。
ここまではモンスターの姿もない。それでも、いつ、どこから現れるかわからないため、警戒心は持ったままだ。
突然、シャロルが叫ぶ。
「キャッ!」
その声にシャロル以外の全員が振り返った。
シャロルは何かにつまずき、よろめいた身体を咄嗟にキーファーが受け止めていた。
「大丈夫か? 何があった?」
キーファーはさりげなくシャロルの身体を支えて、声をかけた。
シャロルは周囲を見回しながら、キーファーに返答した。
「ええ、ありがとう」
そして、間をおいてからシャロルは、躓いた何かを見つけた。
「躓いたのは……人の腕……?」
人の腕だけが木の根っこに紛れて落ちていた。
「うわっ」
ジュンは両手で口を覆った。
ヴィンセントは、人の腕を見て恐怖を覚えたジュンに気が付く。
「大丈夫か?」
声をかけられたジュンは、ヴィンセントに抱きついた。
「ごめん、ちょっと怖くなった」
ヴィンセントは、抱きついてきたジュンの背中を優しく撫でた。
「俺がついててやる。離れるな」
ジュンは、ヴィンセントを抱きしめたまま頷いた。
「ありがとう」
シャロルは、ジュンの様子を見て安堵する。
ヴィンセントに頼れるようになったのだ。
セルティスもジュンの様子を見て、ホッとしている。
それは、セルティスもジュンと同じような気持ちだったから、人を頼れるようになっていくことが嬉しさもあったかもしれない。
セルティスの表情を見て、ホークは不思議そうにしている。
穏やかだ。
今までは、ものすごく恐怖に追われていたのに、最近は恐怖に打ち勝つことができるようになった。
強くなったなと感じると同時に寂しさも感じた。
恐怖を感じて抱きしめてくるセルティスも可愛い。それがなくなるのは寂しい。
セルティスはホークのほうを見て目をぱちくりしている。
ホークにじっと見られて、ちょっと恥ずかしい。
「え? あたしの顔に何かついてる?」
思わず聞いてしまった。
ホークは、セルティスに聞かれて焦る。笑顔でごまかした。
「なんでもないよ」
見惚れてしまうほど可愛く思ったが、それは簡単に言葉にすることは恥ずかしくてできない。
セルティスは不思議そうな顔をしたが、再び、警戒心を強めて目をそらしてくれたから、ありがたい。
セルティスたちは進んでいくたびに、騎士や戦士たちのバラバラになった遺体を見て悲しくなる。
この世の中は残酷すぎる。
誰もが遺体を見るたびにそう感じるのであった。
ガサガサ
静かなダリ島に音が響いた。
その音にセルティスたちは戦闘モードに入る。
「誰かいる」
セルティスは、穏やかだった表情から目を鋭くし、戦うときの姿勢に切り替えた。
ギィィィィィィン
音を立てて、キーファーの真上から棍棒を振り下ろしてきたのは、ロボット型モンスターだ。
キーファーはラプターソードで棍棒を受け止めた。
キーン
甲高い音を立てて、ラプターソードと棍棒の重なり合う音が響く。
「このロボットの持っている棍棒も機械で作られているのか」
音を聞いて、キーファーは普通の棍棒ではないことを確認する。
これが合図になったが、この1体の他にも、5体ほどのロボット型モンスターが姿を現した。
ピピの情報によれば、この先ではダリ島の戦士や騎士が四天王の手下と戦っている。
セルティスたちが来るまで、戦士や騎士が凌いでくれていることを信じながら、ゆっくりと進む。
戦士や騎士が無事であるようにとセルティスは願った。
ここまではモンスターの姿もない。それでも、いつ、どこから現れるかわからないため、警戒心は持ったままだ。
突然、シャロルが叫ぶ。
「キャッ!」
その声にシャロル以外の全員が振り返った。
シャロルは何かにつまずき、よろめいた身体を咄嗟にキーファーが受け止めていた。
「大丈夫か? 何があった?」
キーファーはさりげなくシャロルの身体を支えて、声をかけた。
シャロルは周囲を見回しながら、キーファーに返答した。
「ええ、ありがとう」
そして、間をおいてからシャロルは、躓いた何かを見つけた。
「躓いたのは……人の腕……?」
人の腕だけが木の根っこに紛れて落ちていた。
「うわっ」
ジュンは両手で口を覆った。
ヴィンセントは、人の腕を見て恐怖を覚えたジュンに気が付く。
「大丈夫か?」
声をかけられたジュンは、ヴィンセントに抱きついた。
「ごめん、ちょっと怖くなった」
ヴィンセントは、抱きついてきたジュンの背中を優しく撫でた。
「俺がついててやる。離れるな」
ジュンは、ヴィンセントを抱きしめたまま頷いた。
「ありがとう」
シャロルは、ジュンの様子を見て安堵する。
ヴィンセントに頼れるようになったのだ。
セルティスもジュンの様子を見て、ホッとしている。
それは、セルティスもジュンと同じような気持ちだったから、人を頼れるようになっていくことが嬉しさもあったかもしれない。
セルティスの表情を見て、ホークは不思議そうにしている。
穏やかだ。
今までは、ものすごく恐怖に追われていたのに、最近は恐怖に打ち勝つことができるようになった。
強くなったなと感じると同時に寂しさも感じた。
恐怖を感じて抱きしめてくるセルティスも可愛い。それがなくなるのは寂しい。
セルティスはホークのほうを見て目をぱちくりしている。
ホークにじっと見られて、ちょっと恥ずかしい。
「え? あたしの顔に何かついてる?」
思わず聞いてしまった。
ホークは、セルティスに聞かれて焦る。笑顔でごまかした。
「なんでもないよ」
見惚れてしまうほど可愛く思ったが、それは簡単に言葉にすることは恥ずかしくてできない。
セルティスは不思議そうな顔をしたが、再び、警戒心を強めて目をそらしてくれたから、ありがたい。
セルティスたちは進んでいくたびに、騎士や戦士たちのバラバラになった遺体を見て悲しくなる。
この世の中は残酷すぎる。
誰もが遺体を見るたびにそう感じるのであった。
ガサガサ
静かなダリ島に音が響いた。
その音にセルティスたちは戦闘モードに入る。
「誰かいる」
セルティスは、穏やかだった表情から目を鋭くし、戦うときの姿勢に切り替えた。
ギィィィィィィン
音を立てて、キーファーの真上から棍棒を振り下ろしてきたのは、ロボット型モンスターだ。
キーファーはラプターソードで棍棒を受け止めた。
キーン
甲高い音を立てて、ラプターソードと棍棒の重なり合う音が響く。
「このロボットの持っている棍棒も機械で作られているのか」
音を聞いて、キーファーは普通の棍棒ではないことを確認する。
これが合図になったが、この1体の他にも、5体ほどのロボット型モンスターが姿を現した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
魔王の娘に花束を~落ちこぼれ剣士と世界を変える小さな約束~
結葉 天樹
ファンタジー
それは、人と魔族が対立する世界の話。
豊富な魔力で行使する破壊の力「魔法」を用いる魔族。
わずかな魔力を効率的に運用する技法「魔術」と剣技を組み合わせて戦う人間。
長い間続いていた戦いは遂に魔族の長、「魔王」との決戦までたどり着いていた。
まもなく始まる魔王討伐戦。それを前にとある女性に騎士団への招集がかかる。
彼女の名はトウカ=フロスファミリア。王国屈指の騎士の家の出身でありながら家を追われた存在。
対して姉のオウカは王国騎士団の実力者。
共に歩んだ道はいつしか分かれ、修復不能なほどに壊れた仲のまま二人は討伐戦へ突入していく。
そこで出会うものが二人と世界を変える存在と知らずに。
転生幼児は夢いっぱい
meimei
ファンタジー
日本に生まれてかれこれ27年大学も出て希望の職業にもつき順風満帆なはずだった男は、
ある日親友だと思っていた男に手柄を横取りされ左遷されてしまう。左遷された所はとても忙しい部署で。ほぼ不眠不休…の生活の末、気がつくとどうやら亡くなったらしい??
らしいというのも……前世を思い出したのは
転生して5年経ってから。そう…5歳の誕生日の日にだった。
これは秘匿された出自を知らないまま、
チートしつつ異世界を楽しむ男の話である!
☆これは作者の妄想によるフィクションであり、登場するもの全てが架空の産物です。
誤字脱字には優しく軽く流していただけると嬉しいです。
☆ファンタジーカップありがとうございました!!(*^^*)
今後ともよろしくお願い致します🍀
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる