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12章 離島 ダリ島

第193話 ロボット型モンスター現る

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 セルティスたちは、警戒心を強めながら歩いていく。

 ピピの情報によれば、この先ではダリ島の戦士や騎士が四天王の手下と戦っている。

 セルティスたちが来るまで、戦士や騎士が凌いでくれていることを信じながら、ゆっくりと進む。

 戦士や騎士が無事であるようにとセルティスは願った。

 ここまではモンスターの姿もない。それでも、いつ、どこから現れるかわからないため、警戒心は持ったままだ。

 突然、シャロルが叫ぶ。

「キャッ!」

 その声にシャロル以外の全員が振り返った。

 シャロルは何かにつまずき躓き、よろめいた身体を咄嗟にキーファーが受け止めていた。

「大丈夫か? 何があった?」

 キーファーはさりげなくシャロルの身体を支えて、声をかけた。

 シャロルは周囲を見回しながら、キーファーに返答した。

「ええ、ありがとう」

 そして、間をおいてからシャロルは、躓いた何かを見つけた。

「躓いたのは……人の腕……?」

 人の腕だけが木の根っこに紛れて落ちていた。

「うわっ」

 ジュンは両手で口を覆った。

 ヴィンセントは、人の腕を見て恐怖を覚えたジュンに気が付く。

「大丈夫か?」

 声をかけられたジュンは、ヴィンセントに抱きついた。

「ごめん、ちょっと怖くなった」

 ヴィンセントは、抱きついてきたジュンの背中を優しく撫でた。

「俺がついててやる。離れるな」

 ジュンは、ヴィンセントを抱きしめたまま頷いた。

「ありがとう」

 シャロルは、ジュンの様子を見て安堵する。

 ヴィンセントに頼れるようになったのだ。

 セルティスもジュンの様子を見て、ホッとしている。

 それは、セルティスもジュンと同じような気持ちだったから、人を頼れるようになっていくことが嬉しさもあったかもしれない。

 セルティスの表情を見て、ホークは不思議そうにしている。

 穏やかだ。

 今までは、ものすごく恐怖に追われていたのに、最近は恐怖に打ち勝つことができるようになった。

 強くなったなと感じると同時に寂しさも感じた。

 恐怖を感じて抱きしめてくるセルティスも可愛い。それがなくなるのは寂しい。

 セルティスはホークのほうを見て目をぱちくりしている。

 ホークにじっと見られて、ちょっと恥ずかしい。

「え? あたしの顔に何かついてる?」

 思わず聞いてしまった。

 ホークは、セルティスに聞かれて焦る。笑顔でごまかした。

「なんでもないよ」

 見惚れてしまうほど可愛く思ったが、それは簡単に言葉にすることは恥ずかしくてできない。

 セルティスは不思議そうな顔をしたが、再び、警戒心を強めて目をそらしてくれたから、ありがたい。

 セルティスたちは進んでいくたびに、騎士や戦士たちのバラバラになった遺体を見て悲しくなる。

 この世の中は残酷すぎる。

 誰もが遺体を見るたびにそう感じるのであった。

 ガサガサ

 静かなダリ島に音が響いた。

 その音にセルティスたちは戦闘モードに入る。

「誰かいる」

 セルティスは、穏やかだった表情から目を鋭くし、戦うときの姿勢に切り替えた。

 ギィィィィィィン

 音を立てて、キーファーの真上から棍棒を振り下ろしてきたのは、ロボット型モンスターだ。

 キーファーはラプターソードで棍棒を受け止めた。

 キーン

 甲高い音を立てて、ラプターソードと棍棒の重なり合う音が響く。

「このロボットの持っている棍棒も機械で作られているのか」

 音を聞いて、キーファーは普通の棍棒ではないことを確認する。

 これが合図になったが、この1体の他にも、5体ほどのロボット型モンスターが姿を現した。
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