71 / 239
4章 生き返らせることができる秘宝
第71話 暴走
しおりを挟む
何度も斬りつけ、炎で焼き尽くそうとするセルティスを見て、リックは目を見開いた。
ホークが命を落として、暴走している。
「人の命を何だと思ってるんだ!! 仲間の命を簡単に奪って、おまえらはいつも笑ってやがる!! あたしたちはその度に悲しくて辛くて悔しくて強くなろうと決意する。でも強くなれなくて、また犠牲になって……!!!! 絶対に許さない!!!! 殺してやる!!!!!」
セルティスは叫びながら、ダンを何回も斬りつけた。
どれだけ斬ったのかわからない。魔石も制御できず、炎が関係ないところまで燃やしている。
ダンは目を開けたまま倒れる。
きっと、もう死んでいる。
それでもセルティスは斬り続けている。
セルティスの目は赤くなってしまうほど、怒りが爆発していた。
「やめろ……!!」
リックはセルティスに声をかける。
ダメージが大きすぎて、セルティスを止めるにも身体が言うことを聞かない。
(もう少し、休めば回復できそうだ……ただ、あれ以上、暴走させたらまずい……)
リックは痺れそうなくらい身体が痛くて動けない。
セルティスの気持ちもわからないでもない。
リックは傭兵仲間のことを思い出す。
あのときも怒りだけがこみ上げてきていた。
仲間の死が受け入れられなくて、頭の中が真っ白だった。
でも、何故、助けられなかったのか、もの凄く悔やんだ。
自分も死のうと思ったくらいだった。
仲間でもこんなに辛い気持ちになる。
恋心があったなら、なおさらだ。
セルティスはただ、泣きながらダンにラグナロクを突き刺す。
何度も、何度も。
「なんで、ホークが死ななきゃいけないんだよ!! おまえらが死ねばいい!!!!!」
既にダンは姿がなくなるくらい、炎が焼いている。
セルティスの怒りが魔石に伝わり、コントロールできなくなっていた。
「死ねぇぇぇぇぇ!!!!!」
ラグナロクでまだダンを突き刺そうしたとき、セルティスの腕が止まった。
リックはセルティスの腕を掴んで、ラグナロクを手から離す。
「もういい。そいつは死んでる」
セルティスは腕を振り払おうとした。
「離せ!!!!! 許せるわけないだろ!!!!! ホークがっ!!!!! ホークがっ!!!!!」
セルティスは泣き叫んで、リックに蹴りを入れた。
リックはセルティスの掴んでいる腕を緩めてしまった。
「ふざけんな!!!!!!!!!」
セルティスは大量の涙と怒りで、拳を地面に突きつけた。
「殺してやる!!!!!!」
殺意を持った目で、リックを睨み付けると、ラグナロクを拾う。
ラグナロクはリックに向けられた。
リックは息をゆっくり吐いた。
傷が痛み、顔を歪める。
「悪いな」
リックは痛みをこらえながら、セルティスの鳩尾にパンチした。
きっと、気絶させないとセルティスは大暴れしたままになるだろう。
リックはパンチを食らって倒れてくるセルティスを支えて、背中に背負った。
(……っ)
身体にはかなりの負担がかかる。
思わず、片目を閉じた。
リックはひたすら歩いて休めるところを探す。
(……あのときの俺と同じだな……)
リックは歩きながら、傭兵仲間のことを考えていた。
セルティスの気持ちも痛いほどわかる。
今でも傭兵仲間のことを思い出すだけで怒りがこみ上げてくる自分もいる。
証拠に手に力がこもっている。
リックはようやく休めるところを探して、セルティスをベッドの上に寝かせた。
「いて……」
傷がズキズキと痛む。リックは、壁に、もたれかかって座り込んだ。
ホークが命を落として、暴走している。
「人の命を何だと思ってるんだ!! 仲間の命を簡単に奪って、おまえらはいつも笑ってやがる!! あたしたちはその度に悲しくて辛くて悔しくて強くなろうと決意する。でも強くなれなくて、また犠牲になって……!!!! 絶対に許さない!!!! 殺してやる!!!!!」
セルティスは叫びながら、ダンを何回も斬りつけた。
どれだけ斬ったのかわからない。魔石も制御できず、炎が関係ないところまで燃やしている。
ダンは目を開けたまま倒れる。
きっと、もう死んでいる。
それでもセルティスは斬り続けている。
セルティスの目は赤くなってしまうほど、怒りが爆発していた。
「やめろ……!!」
リックはセルティスに声をかける。
ダメージが大きすぎて、セルティスを止めるにも身体が言うことを聞かない。
(もう少し、休めば回復できそうだ……ただ、あれ以上、暴走させたらまずい……)
リックは痺れそうなくらい身体が痛くて動けない。
セルティスの気持ちもわからないでもない。
リックは傭兵仲間のことを思い出す。
あのときも怒りだけがこみ上げてきていた。
仲間の死が受け入れられなくて、頭の中が真っ白だった。
でも、何故、助けられなかったのか、もの凄く悔やんだ。
自分も死のうと思ったくらいだった。
仲間でもこんなに辛い気持ちになる。
恋心があったなら、なおさらだ。
セルティスはただ、泣きながらダンにラグナロクを突き刺す。
何度も、何度も。
「なんで、ホークが死ななきゃいけないんだよ!! おまえらが死ねばいい!!!!!」
既にダンは姿がなくなるくらい、炎が焼いている。
セルティスの怒りが魔石に伝わり、コントロールできなくなっていた。
「死ねぇぇぇぇぇ!!!!!」
ラグナロクでまだダンを突き刺そうしたとき、セルティスの腕が止まった。
リックはセルティスの腕を掴んで、ラグナロクを手から離す。
「もういい。そいつは死んでる」
セルティスは腕を振り払おうとした。
「離せ!!!!! 許せるわけないだろ!!!!! ホークがっ!!!!! ホークがっ!!!!!」
セルティスは泣き叫んで、リックに蹴りを入れた。
リックはセルティスの掴んでいる腕を緩めてしまった。
「ふざけんな!!!!!!!!!」
セルティスは大量の涙と怒りで、拳を地面に突きつけた。
「殺してやる!!!!!!」
殺意を持った目で、リックを睨み付けると、ラグナロクを拾う。
ラグナロクはリックに向けられた。
リックは息をゆっくり吐いた。
傷が痛み、顔を歪める。
「悪いな」
リックは痛みをこらえながら、セルティスの鳩尾にパンチした。
きっと、気絶させないとセルティスは大暴れしたままになるだろう。
リックはパンチを食らって倒れてくるセルティスを支えて、背中に背負った。
(……っ)
身体にはかなりの負担がかかる。
思わず、片目を閉じた。
リックはひたすら歩いて休めるところを探す。
(……あのときの俺と同じだな……)
リックは歩きながら、傭兵仲間のことを考えていた。
セルティスの気持ちも痛いほどわかる。
今でも傭兵仲間のことを思い出すだけで怒りがこみ上げてくる自分もいる。
証拠に手に力がこもっている。
リックはようやく休めるところを探して、セルティスをベッドの上に寝かせた。
「いて……」
傷がズキズキと痛む。リックは、壁に、もたれかかって座り込んだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、のんびり冒険したい!
藤なごみ
ファンタジー
アラサーのサラリーマンのサトーは、仕事帰りに道端にいた白い子犬を撫でていた所、事故に巻き込まれてしまい死んでしまった。
実は神様の眷属だった白い子犬にサトーの魂を神様の所に連れて行かれた事により、現世からの輪廻から外れてしまう。
そこで神様からお詫びとして異世界転生を進められ、異世界で生きて行く事になる。
異世界で冒険者をする事になったサトーだか、冒険者登録する前に王族を助けた事により、本人の意図とは関係なく様々な事件に巻き込まれていく。
貴族のしがらみに加えて、異世界を股にかける犯罪組織にも顔を覚えられ、悪戦苦闘する日々。
ちょっとチート気味な仲間に囲まれながらも、チームの頭脳としてサトーは事件に立ち向かって行きます。
いつか訪れるだろうのんびりと冒険をする事が出来る日々を目指して!
……何時になったらのんびり冒険できるのかな?
小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しました(20220930)
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界に召喚されたんですけど、スキルが「資源ごみ」だったので隠れて生きたいです
新田 安音(あらた あのん)
ファンタジー
平凡なおひとりさまアラフォー会社員だった鈴木マリは異世界に召喚された。あこがれの剣と魔法の世界……! だというのに、マリに与えられたスキルはなんと「資源ごみ」。
おひとりさま上等だったので、できれば一人でひっそり暮らしたいんですが、なんか、やたらサバイバルが難しいこの世界……。目立たず、ひっそり、でも死なないで生きていきたい雑草系ヒロインの将来は……?
魔法学校の無敵の首席騎士様は、ちょっとコミュ障、大型わんこ系でした
真弓りの
恋愛
魔法学校に入学してからのこの一年、常にダントツ最下位を取り続けてきたユーリンの、春の討伐演習パートナーになったのは、毎回ダントツで首席の成績をおさめている騎士家系の異端児、通称『首席騎士』様。
協力してより高位の獲物を狩るという課題に、首席騎士は近隣でも最も大きなドラゴンを仕留めると言いだして……。
**********************************
毎回1000字程度。10万字以上ありますのでお楽しみに! 小説家になろう様にも掲載しています。
昔助けた弱々スライムが最強スライムになって僕に懐く件
なるとし
ファンタジー
最強スライムぷるんくんとお金を稼ぎ、美味しいものを食べ、王国を取り巻く問題を解決してスローライフを目指せ!
最強種が集うSSランクのダンジョンで、レオという平民の男の子は最弱と言われるスライム(ぷるんくん)を救った。
レオはぷるんくんを飼いたいと思ったが、テイムが使えないため、それは叶わなかった。
レオはぷるんくんと約束を交わし、別れる。
数年が過ぎた。
レオは両親を失い、魔法の才能もない最弱平民としてクラスの生徒たちにいじめられるハメになる。
身も心もボロボロになった彼はクラスのいじめっ子に煽られ再びSSランクのダンジョンへ向かう。
ぷるんくんに会えるという色褪せた夢を抱いて。
だが、レオを迎えたのは自分を倒そうとするSSランクの強力なモンスターだった。
もう死を受け入れようとしたが、
レオの前にちっこい何かが現れた。
それは自分が幼い頃救ったぷるんくんだった。
悪役令嬢は最強を志す! 〜前世の記憶を思い出したので、とりあえず最強目指して冒険者になろうと思います!〜
フウ
ファンタジー
ソフィア・ルスキューレ公爵令嬢5歳。 先日、第一王子セドリックの婚約者として初めての顔合わせでセドリックの顔を見た瞬間、前世の記憶を思い出しました。
どうやら私は恋愛要素に本格的な……というより鬼畜すぎる難易度の戦闘要素もプラスしたRPGな乙女ゲームの悪役令嬢らしい。
「断罪? 婚約破棄? 国外追放? そして冤罪で殺される? 上等じゃない!」
超絶高スペックな悪役令嬢を舐めるなよっ! 殺される運命というのであれば、最強になってその運命をねじ伏せてやるわ!!
「というわけでお父様! 私、手始めにまず冒険者になります!!」
これは、前世の記憶を思い出したちょっとずれていてポンコツな天然お転婆令嬢が家族の力、自身の力を用いて最強を目指して運命をねじ伏せる物語!!
※ この小説は「小説家になろう」 「カクヨム」でも公開しております。
上記サイトでは先行投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる