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4章 生き返らせることができる秘宝

第67話 隠し扉の向こうに……

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 セルティスは嫌な予感がして不安な気持ちでいっぱいだった。

 嫌な予感がしたとき、本当に当たってしまうことが多かった。

 嫌な予感が当たらないように祈る。

 ホークはセルティスの不安そうな顔を見て手を握ってやる。

「ありがとう、ホーク」

 セルティスは引きつった笑顔で感謝した。

 不安でたまらなくてホークの手を強く握る。

「セルティス……」

 ホークはセルティスの手の感触からいつも以上に怯えているように感じた。

 リックはホークとセルティスのやりとりを見ていて、ふと過去の仲間のことを思い出す。


 ―――ー「リック、こっち!」

 明るく活発な女性が、リックを呼んでいる。

 女性の名前は、ラナ。

 リックと同じくらいの女性。

ラナの隣にいた男性も加わる。

「おっ、来たか。リック」

 男性はブレイブ。

 2人はリックの傭兵仲間だ。

「ここに四天王に関わるモンスターがいる」

 ブレイブは隠れながら、周囲を見渡す。

「まさか、もうすぐ四天王が復活するとはな。このモンスターの数は前兆
だと聞いた」

 ブレイブはため息をついた。

 リックたちは飛び出して、モンスターを倒していく。

 想像と違って弱い。

 リックは簡単だと思っていた。

 ところが、信じられない光景を目の当たりにする。

  ラナとブレイブの首が飛んでいた。

「なっ…」ーーーー


 リックは額に手を当てた。

 悔しさがこみ上げてくる。

 セルティスはリックの様子を見て、恐怖感も襲ってきた。

(嫌な予感がする……ホークが離れていってしまうような……)

「…セルティス、大丈夫か?」

 ホークはいつもと違うセルティスに声をかけた。

「……ちょっと嫌な予感がして……胸騒ぎがする」

 セルティスはボソッと言うと、ホークは背中を叩いた。

「ありがとう……」

 セルティスはホークに感謝する。

 気を遣ってくれていることがわかる。

 しかし、今回は安心できなかった。

(ホーク……離れないでほしい)

 セルティスは強く願った。

 セルティスたちはいつの間にか頂上に着いた。

 モンスターもあまりいなかったからスムーズだった。

 ただ、あまりにモンスターがいないのも不気味だ。

 ホークはすぐに生き返らせることができる秘宝を探す。

 手で感触を確かめる。

 秘宝があるような感じがしない。

隅々まで手の感触と目で30分くらい探し続けた。

 そして、手でトントンと叩くと、壁だと思っていたところが開いた。

 ホークはセルティスとリックを置いて、先に中へ入ってしまった。

「ホーク……」

 セルティスはホークを追っていく。リックは呆れてため息をつく。

 正直、リックはセルティスとホークについていく必要はなかった。

 ただ、何故か四天王の手下に遭遇するかもしれないと思ったから、一緒にいる。

 セルティスはホークを追っていくと、強烈な光が差す。

 目が見えなくて、強力な何かに吹き飛ばされそうだった。
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