女剣士セルティス

綴玲央（つづりれお）

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３章　修行

第62話　コールズの家が襲われた！

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　セルティスたちは3カ月くらい、コールズの家で修行をして魔石をコントロールできるようになってきた。

「だいぶ、コントロールできるようになってきたな。もう、教えることはないぞ」

　コールズがニヤリと笑って言ったとき、事件は起こった。

　「きゃぁぁぁ！！！！」

「うわぁぁぁぁぁ！！！！！！」

「逃げろぉぉ！！！！！」

　街では叫び声が聞こえている。

　セルティスたちは急いで声のするほうへと向かうと、そこには残酷な光景が広がっていた。

　セルティスたちは呆然とした。

　景色も良く綺麗な街は血の海へと化している。

　この街の騎士や兵士たちが戦っているが、魔石を持たない騎士や兵士たちは、このモンスターたちに太刀打ちできない。

　実際、騎士や兵士たちも血を流して倒れている。

「酷い……」

　セルティスは顔を手で覆って声を震わせた。

　また、恐怖心が出てきてしまうのではないかと心配になったホークは自然とセルティスの肩を引き寄せていた。

「なんで、こんなこと……」

　ミサは街を襲ったモンスターにロングソードを振り下ろした。

　だが、軽くロングソードを振り払われ、モンスターの尾で吹き飛ばされる。

「きゃぁ！」

「ミサ！」

アランは手裏剣を投げて光を放ち、モンスターに刺す。

　ミサは自力で立ち上がり、モンスターにロングソードで斬りつけ、風を起こす。

　モンスターは大きな声を上げて背中を強打する。

　モンスターは恐竜の姿をしている。

　4匹のモンスターがセルティスたちを狙っている。

　アランが再び、モンスターに手裏剣を投げようとしたときだった。

　コールズの叫び声が聞こえてきた。

　セルティスは自分の判断で、恐竜の姿をしたモンスターをホーク、アラン、ミサに任せてコールズのほうへと向かうことにする。

「ホーク、アラン、ミサ、こっちを頼む。あたしはコールズさんのところにいく」

　セルティスはそう指示すると、ホークとアランが声をそろえた。

「了解」

　セルティスは自分の判断が良かったのか、不安になったが、コールズのところへ急いだ。

　セルティスがコールズの元へ行くと、コールズの家は破壊され、コールズは
血だらけになって倒れている。

「コールズさん！」

　セルティスはコールズの傍によって声をかける。

　しかし、返事がない。

「あれ？　ひとりできたんだ」

　セルティスの背後から声がする。

セルティスが振り返ろうとした瞬間、氷が矢のように肩を貫いた。

「……っ」

　セルティスは咄嗟に身を捻ったが、掠ってしまった。

「誰だ？　お前とは初対面のはずだ」

　セルティスはラグナロクを構えた。

「あぁ、そっか、君は知らなかったか。俺はアレフ。四天王の下部組織にいる。君の情報はよく知ってるよ。セルティスちゃん」

　セルティスはアレフと名乗った男に一瞬、怯んでしまった。

　セルティスちゃんと言われて、気分が悪くなる。

「情報通りだねぇ。よくひとりできたなぁ。怖くないのかい？」

　アレフは挑発しているのか、笑みを浮かべて、ゆっくりと近づいてくる。

　セルティスは近づくたびに後方へと下がる。

「ここで、怯えている間にも仲間たちは死ぬよ。仲間たちが死ぬのを黙って見てるか、仲間を助けに行くか、それとも……」

　アレフはセルティスの額に手を触れた。

　氷がセルティスの胸を貫き、木をも通した。

　セルティスはうつ伏せに倒れてしまう。

　セルティスは拳を握って、ゆっくりと立ち上がって、ラグナロクで横なぎに
斬っていく。

　魔石が光って炎を発生させる。

　その炎はアレフを燃やした。

　セルティスは更に攻撃をしようとラグナロクを振り下ろそうとしたとき、アレフが何もなかったようにセルティスに近づく。

　セルティスは目を見開いた。何もダメージを与えられていない。

「あれ？　セルティスちゃん、仲間を見捨てるのかい？」

　アレフはセルティスの顎を持ち上げる。アレフの透き通った金の瞳がセルティスをじっと見つめる。

「近づくな！」

　セルティスはアレフの顔を蹴って、距離を置いた。

「あたしは仲間を信じてる。だから…」

　セルティスはラグナロクを振って炎を発生させた。

　ところが、アレフは炎を防御しようと氷を放った。

　その氷が炎をかき消し、セルティスの脇腹を斬る。

「うぅぅっっ」

　セルティスは脇腹を抑えた。

「セルティスちゃん、君はいつもひとりで寂しいだろ？　俺が遊んでやるよ」

　アレフはセルティスに覆いかぶさるようにして、顔を近づけた。

「ふざけんな！　あたしには大切な人がいる！！　傍にいてくれる人がいるんだ！！」

　セルティスはパンチを繰り出し、アレフを倒して、すぐにラグナロクを振り下ろす。

　炎がアレフを攻撃した。

　アレフは血を拭ってセルティスを睨みつけた。

「さて、どうかな。傍にいてくれる人は、死んでいるかもしれないぞ」

　アレフはそう言うと、氷を放つ。その氷は、セルティスを容赦なく、傷つけた。

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