38 / 239
1章 セルティスと仲間たち
第38話 これからが始まり
しおりを挟む
ライラはセルティスの一撃で動かなくなった。
その頃、アラン達も白猫や黒猫、トラ猫を倒していた。
「ホーク、無事でよかった」
セルティスはホッと胸を撫で下ろした。
すると、ホークはセルティスに抱きついた。
「えっ?」
セルティスは目を丸くする。
「ホーク……?」
セルティスは呆然としている。
「よかった、無事で」
ホークは強くセルティスを抱きしめている。
セルティスはホークの胸の中で、ホークが自分を相当心配してくれているのだと感じた。
だから、何も抵抗しなかった。
「ありがとう」
セルティスは小声で言った。
ホークはニッと笑った。
セルティスは、何故だか、ホークに抱かれてホッとしている自分がいた。
よくわからないけれど、涙が頬を伝った。
「……あたし、やっぱり弱いな。きっと、皆といても足手まといになるな」
ボソッと呟いたセルティスに対して、ホークだけでなくアランやレビー、ミラトも反応した。
「何言ってんだよ。セルティス」
アランが答えた。
「セルティスは強いぜ。どんな時だって、恨んだりしないし、優しいだろ?」
それに続いてホークが言った。
「セルティス、本当の強さって助けることができないことじゃなくて、困っている人を助けようとする意志と行動、どんな時でも優しさや温かさ、厳しさ、思いやりを持てることだと思う」
セルティスはキョトンとした。
ホークは一息入れて続ける。
「セルティスは思いやりがあるし、それに自分のこと、弱い部分も強い部分も、良い部分も悪い部分も含めて認めることができる。それって十分に強いと思うけどな」
セルティスは、ホークに会ってから、心が自分の中で崩壊していくような感じがした。
いや、違う。解放されていくような感覚だ。
心が解放されて、安心感というか、スッキリするというか、そんな思いになって大粒の涙が溢れていた。
「ごめん……なんで泣いてるんだろ」
「いいよ。俺が全部受け止めてやる。弱いところ見せてもいいんだよ」
ホークは愛おしそうにセルティスの髪を撫でている。
アラン達はしばらく2人にしておこうと、そっとしておいた。
しばらくして、ダンジョンを出てホテルで今後のことを話していた。
それぞれ、目的があって四天王を止めると決意し、任務を遂行する。
「まだ、魔石に選ばれた者はいる。その者達が、きっと手助けしてくれる」
メルはそう言って、先にホテルを出る。
「私は私の仲間や種族を助けにいくよ。また、会おうね」
レビーやノース、ミラトもそれぞれの目的のために、各自で四天王を止めることになる。
この仲間達はまた、いずれ一緒に戦うことになるが、まだセルティスはそんなこと思ってもいなかった。
ホークとアランはセルティスと行動を共にすることにした。
ホークは自分の目的のためにセルティスを付き合えっと誘ったのだから、セルティスにも付き合うと決めた。
それに、セルティスを守ると約束した。
セルティスのそばにいたいというのが本音だ。
でも、そんなことは口が裂けても言えない。
だから、誤魔化して言った。
「それに俺は……セルティスに秘宝を探すのに付き合えって約束したからな。だから俺もセルティスに付き合わないとな」
セルティスはフッと笑顔を見せた。
「ホークらしいな」
そう言うが、ホークを頼りにしている自分がいることに不思議に思うセルティスだった。
アランもまたセルティスについていくと決めた。
もちろん、アランも四天王を止める目的はある。
四天王が何故、両親を殺したのか理由を知りたい。
でも、セルティスとホークだけでは、違う意味で心配だった。
この2人、恋愛に関しては鈍い。
だから、フォローしてあげないと、お互いに気持ちが伝わらなくなるだろうと、一緒についていくことにした。
ホークはそんなアランに驚く。
「へぇ、ガキだと思ってたら、意外と大人なんだな」
アランはムッとする。
「はぁ? 18歳はもう立派な大人だぞ」
ホークはアランの額をツンツンする。
「まだ、18だろ? まだ大人には早いぞ」
アランはホークの手を振り払って、睨みつけた。
「うるせぇ」
セルティスは、ホークとアランのやりとりを見て、ほっこりした。
「そろそろ、あたし達も行こうか」
セルティスの言葉にホークとアランは頷いた。
「2人ともありがとう」
セルティスはホークとアランに感謝した。
ホークとアランは目を見合わせた。
「えっ?」
ホークもアランも何故、セルティスが感謝したのか、わからなかった。
しかし、セルティスもその後、何も言わなかったから、ホークもセルティスも追求しなかった。
セルティス達はホテルを出て、四天王の行方を追う。
まだ、セルティス達の旅は、始まったばかりだ。
そして、後程、セルティスが出会った仲間達と再び、共に戦うことになる。
でも、まだ、後の話。
これからが過酷な旅となることも、まだ、セルティス達は知らない。
その頃、アラン達も白猫や黒猫、トラ猫を倒していた。
「ホーク、無事でよかった」
セルティスはホッと胸を撫で下ろした。
すると、ホークはセルティスに抱きついた。
「えっ?」
セルティスは目を丸くする。
「ホーク……?」
セルティスは呆然としている。
「よかった、無事で」
ホークは強くセルティスを抱きしめている。
セルティスはホークの胸の中で、ホークが自分を相当心配してくれているのだと感じた。
だから、何も抵抗しなかった。
「ありがとう」
セルティスは小声で言った。
ホークはニッと笑った。
セルティスは、何故だか、ホークに抱かれてホッとしている自分がいた。
よくわからないけれど、涙が頬を伝った。
「……あたし、やっぱり弱いな。きっと、皆といても足手まといになるな」
ボソッと呟いたセルティスに対して、ホークだけでなくアランやレビー、ミラトも反応した。
「何言ってんだよ。セルティス」
アランが答えた。
「セルティスは強いぜ。どんな時だって、恨んだりしないし、優しいだろ?」
それに続いてホークが言った。
「セルティス、本当の強さって助けることができないことじゃなくて、困っている人を助けようとする意志と行動、どんな時でも優しさや温かさ、厳しさ、思いやりを持てることだと思う」
セルティスはキョトンとした。
ホークは一息入れて続ける。
「セルティスは思いやりがあるし、それに自分のこと、弱い部分も強い部分も、良い部分も悪い部分も含めて認めることができる。それって十分に強いと思うけどな」
セルティスは、ホークに会ってから、心が自分の中で崩壊していくような感じがした。
いや、違う。解放されていくような感覚だ。
心が解放されて、安心感というか、スッキリするというか、そんな思いになって大粒の涙が溢れていた。
「ごめん……なんで泣いてるんだろ」
「いいよ。俺が全部受け止めてやる。弱いところ見せてもいいんだよ」
ホークは愛おしそうにセルティスの髪を撫でている。
アラン達はしばらく2人にしておこうと、そっとしておいた。
しばらくして、ダンジョンを出てホテルで今後のことを話していた。
それぞれ、目的があって四天王を止めると決意し、任務を遂行する。
「まだ、魔石に選ばれた者はいる。その者達が、きっと手助けしてくれる」
メルはそう言って、先にホテルを出る。
「私は私の仲間や種族を助けにいくよ。また、会おうね」
レビーやノース、ミラトもそれぞれの目的のために、各自で四天王を止めることになる。
この仲間達はまた、いずれ一緒に戦うことになるが、まだセルティスはそんなこと思ってもいなかった。
ホークとアランはセルティスと行動を共にすることにした。
ホークは自分の目的のためにセルティスを付き合えっと誘ったのだから、セルティスにも付き合うと決めた。
それに、セルティスを守ると約束した。
セルティスのそばにいたいというのが本音だ。
でも、そんなことは口が裂けても言えない。
だから、誤魔化して言った。
「それに俺は……セルティスに秘宝を探すのに付き合えって約束したからな。だから俺もセルティスに付き合わないとな」
セルティスはフッと笑顔を見せた。
「ホークらしいな」
そう言うが、ホークを頼りにしている自分がいることに不思議に思うセルティスだった。
アランもまたセルティスについていくと決めた。
もちろん、アランも四天王を止める目的はある。
四天王が何故、両親を殺したのか理由を知りたい。
でも、セルティスとホークだけでは、違う意味で心配だった。
この2人、恋愛に関しては鈍い。
だから、フォローしてあげないと、お互いに気持ちが伝わらなくなるだろうと、一緒についていくことにした。
ホークはそんなアランに驚く。
「へぇ、ガキだと思ってたら、意外と大人なんだな」
アランはムッとする。
「はぁ? 18歳はもう立派な大人だぞ」
ホークはアランの額をツンツンする。
「まだ、18だろ? まだ大人には早いぞ」
アランはホークの手を振り払って、睨みつけた。
「うるせぇ」
セルティスは、ホークとアランのやりとりを見て、ほっこりした。
「そろそろ、あたし達も行こうか」
セルティスの言葉にホークとアランは頷いた。
「2人ともありがとう」
セルティスはホークとアランに感謝した。
ホークとアランは目を見合わせた。
「えっ?」
ホークもアランも何故、セルティスが感謝したのか、わからなかった。
しかし、セルティスもその後、何も言わなかったから、ホークもセルティスも追求しなかった。
セルティス達はホテルを出て、四天王の行方を追う。
まだ、セルティス達の旅は、始まったばかりだ。
そして、後程、セルティスが出会った仲間達と再び、共に戦うことになる。
でも、まだ、後の話。
これからが過酷な旅となることも、まだ、セルティス達は知らない。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
浅葱色の桜 ―堀川通花屋町下ル
初音
歴史・時代
新選組内外の諜報活動を行う諸士調役兼監察。その頭をつとめるのは、隊内唯一の女隊士だった。
義弟の近藤勇らと上洛して早2年。主人公・さくらの活躍はまだまだ続く……!
『浅葱色の桜』https://www.alphapolis.co.jp/novel/32482980/787215527
の続編となりますが、前作を読んでいなくても大丈夫な作りにはしています。前作未読の方もぜひ。
※時代小説の雰囲気を味わっていただくため、縦組みを推奨しています。行間を詰めてありますので横組みだと読みづらいかもしれませんが、ご了承ください。
※あくまでフィクションです。実際の人物、事件には関係ありません。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる