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1章 セルティスと仲間たち

第33話 ミラトの驚き

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 ミラトは地面に背中を打ち付けられると、背中を痛そうにしながら、ゆっくりと立ち上がる。

「いたたたたっ」

黒猫はニッと笑う。

「へぇ、なかなかやるのねぇ」

黒猫は爪を立てると、雷を起こした。

 その雷はミラトを狙った。

 ミラトはすぐに横に転がって雷を避ける。

「魔法が使えるのね」

 ミラトは息を一つ吐いてから、マジックソッドを振りかざし、強風を起こした。

 強風は黒猫を容赦なく、吹き飛ばしていく。

 黒猫は吹き飛ばされても、すぐに体勢を戻して、ミラトに飛び掛かってくる。

 ミラトは素早くジャンプし、黒猫から避ける。

 黒猫は舌打ちすると、鋭い爪で引っ掻く。

「うわっ」

 ミラトはマジックソッドで爪を受け止めると、蹴りを入れた。

 その蹴りは黒猫の首にヒットした。

 黒猫はノックダウンしたが、ゆっくりと立ち上がり、雷を起こした。

 ミラトは反応が遅れてしまった。

 咄嗟に転がり、かわそうとしたが、雷はミラトを襲う。

 その時、手裏剣が光のように速く黒猫を突き刺す。

 さらに瞬時にミラトの身体は抱えられる。

「えっ? 何??」

 ミラトは突然のことに呆然とした。

 手裏剣を投げて、ミラトの体を持ち上げたのはアランだ。

「大丈夫か?」

 アランはすぐにミラトを下ろすと、黒猫と三毛猫を同時に狙って、手裏剣を投げる。

 手裏剣は光の筋となり、手裏剣がどこにあるのか、わからない。

 ミラトは目を丸くした。

 アランが放った手裏剣は黒猫と三毛猫を同時に突き刺した。

 ミラトはしばらく放心状態だった。

 アランが、ミラトの体を持ち上げられて助けられたこと、また、投げた手裏剣が見えなくて、気が付いたら突き刺さっていたこと。

 ミラトにとっては、かなり衝撃的だった。

 黒猫と三毛猫はアランめがけて、爪で刺そうとしていた。

「おっ!」

 アランは高くジャンプして、黒猫と三毛猫の爪を交わした。

 黒猫と三毛猫はお互いに爪を引っ掻く形となった。

「なっ!」

 黒猫と三毛猫は、お互いに目を合わせ、頷くと同時にアランに飛びついた。

 アランは素早くその場を離れる。

 フーッと息を吐くと、精神を統一させた。

 息を吐くと同時に力を入れずに、手裏剣を投げた。

 その手裏剣は綺麗に黒猫と三毛猫を刺す。

 黒猫と三毛猫は爪で手裏剣を受け止めた。

 アランは眉をピクッとさせる。

 黒猫と三毛猫がアランを睨みつけていた。

 アランは再び手裏剣を投げつけようとしたとき、強風が黒猫と三毛猫を吹き飛ばす。

 ミラトが強風を起こしたのだ。

「意外としつこいなぁ」

 ミラトは言って、再度、強風を起こした。
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