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1章 セルティスと仲間たち

第32話 黒猫 VS ミラト

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「あの魔石は四天王様にしか扱えないからな」

 ライラはニヤリと笑って言った。

「あっ……魔石は人を選ぶけど、一度選んだらその人が死ぬまで仕える。10年前は四天王は封じ込めただけだから、離れてもいても、またその人を魔石が探し出す」

 妖精は思い出したかのように言った。

 妖精はセルティスの背中からひょっこりと顔を出している。

 ライラは楽しげに仲間を呼び寄せた。

「にゃーっ!!!」

 ライラが呼び寄せた仲間は5匹。5匹とも猫型モンスターだ。黒猫、三毛猫、黒白猫、トラ猫、白猫だ。


「可愛い猫ちゃん」

 妖精は猫型モンスターを見て、つい、ニヤけた。

 猫が大好きらしい。

「可愛いらしいけど、手強そうだよ」

 ミラトは既に構えている。

「そうだね、凶暴な猫だね」

 妖精も何かを感じ取っていて、凶暴だとわかった。

「ごちゃごちゃとうるさいにゃ!」

 黒猫はミラトを狙って爪で引っ掻こうとした。

「うわっ!」

 ミラトはマジックソッドで爪を受け止めた。

 黒猫はムッとして、ミラトに飛びかかった。

 ミラトはマジックソッドをかざして風を起こした。

 その風は強風で黒猫を吹き飛ばした。黒猫は壁にぶつかった。

 だが、次の瞬間には、壁を足で蹴って態勢を戻し、ミラトに爪を突き刺そうとした。

 ミラトは再び強風を起こして、黒猫を吹き飛ばす。

 ところが、黒猫は1回転して体勢を整え、ミラトの肩にしがみつき、噛み付いた。

「邪魔だよ」

 ミラトは追い払おうと動いた。

 しかし、意外としつこく、完全に噛まれたわけではないが、微かに跡がある。

「……やったな……」

 ミラトの様子を見ながら、ノースはミラトに声をかけた。

「このくらいなら大丈夫。回復魔法でどうにかなる」

 ミラトはそう言うと、自分の肩にマジックソッドをかざして傷を癒した。

 ミラトはマジックソッドをかざして、強風で黒猫を巻き込んだ。

 黒猫は雄叫びを上げながら、風の勢いで吹き飛ばされていく。

 黒猫はすぐに起き上がると、素早くミラトの目の前に現れて、猫パンチをした。

 その猫パンチはかなり強力でミラトは吹き飛ばされた。

「うわっ!」

 地面に背中を叩きつけられたミラトは、ゆっくりと立ち上がった。

 黒猫は立ち上がったミラトを逃さずに押し倒し、爪で首から鎖骨にかけて、引っ掻いた。

「痛いなぁ!」

ミラトは、マジックソッドを振り上げて、黒猫を突き飛ばした。

 黒猫は高く飛び、体勢を空中で整えて、綺麗に着地する。

「死ねにゃっ!」

 黒猫は猫パンチを連続した。ミラトは素早い連続パンチをかわすことはできず、地面に身体を打ちつけた。
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