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1章 セルティスと仲間たち
第31話 猫型モンスター ライラ
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「そう、魔石があなた達を選んだ。魔石は意志の強い人たちのところに
やってくる。多分、あなた達は過去に大切な人たちを四天王に殺されて、
四天王を倒そうという強い意志を持っているんだと思うよ」
妖精は、にっこりと笑いながら言った。
「その魔石は、魔石が選んだ人以外が持っても、力を発揮しない。炎だったり稲妻、光、風、土、音、氷、水など作りだせないんだよ」
妖精は一息入れてから説明した。
「じゃあ、ここにある秘宝の魔石は、また違うの?」
今まで黙っていたミラトが聞いた。妖精は困ったような顔をして言った。
「あの魔石は特別なんだ。魔石は人を選ぶ。でも、選んだ人が間違いだった。
その人は四天王を作り出した人。扱いが悪かったから、魔石も暴走した。だから、魔石は封じ込めた」
妖精は注意を促すように言った。
「魔石は人を選ぶけど、選ばれた人がちゃんと扱わなきゃ、魔石は暴走する。
だから、気をつけて」
ノースはボソッと呟いた。
「魔石は人を選ぶけど、善悪は判らないってことか」
妖精は頷いた。
「そうだね。だから10年前に四天王を封じ込めたのと同時にこの魔石も箱に封じ込められた。でも、四天王が復活した。そして、その魔石は四天王を探しに大暴れしようとしている」
セルティスは静かに問う。
「四天王は復活したのか? 復活するとは聞いたが……」
妖精は心配そうな顔を向けた。
「もう、復活はしているよ。モンスターが増えて人を襲うようになったのも、四天王が復活したから。ソーヤー・クラウドっていう人間が復活させた」
ホークが呟く。
「ソーヤー・クラウド……」
妖精は悲しい顔をする。
「四天王は何をするかわからない。四天王を生み出した本人でさえも殺され、制御できなかったという説もある」
「でも……全て悪いのは、人間か」
セルティスはなんともいえない気持ちになった。
「で、君は何故、ここに?」
ミラトが聞く。妖精は羽をパタパタと動かしながら、不安そうな顔を向けた。
「私は囚われた。あの宝箱の鍵の在処を知りたいがために」
「今、その鍵は何処に……?」
レビーが聞くと、妖精は今はないと首を振って合図する。
「奪われた……だから、もうあの宝箱が開くのは時間の問題……」
妖精がそう言いかけた時だった。湖が勢いよくしぶきをあげた。
妖精はビックリして湖から遠ざかり、セルティスの背中に隠れた。
「ありがとうね、妖精! おかげであの宝箱を開けることができたよ」
と言って、不敵な笑みを浮かべて出てきたのは、猫型モンスターだった。
「おまえ、ライラ!」
ノースが睨み付ける。
「あぁ、さっきの……」
ライラと呼ばれた猫型モンスターは素早くノースの傍によってきて、ジロジロと見つめる。
やってくる。多分、あなた達は過去に大切な人たちを四天王に殺されて、
四天王を倒そうという強い意志を持っているんだと思うよ」
妖精は、にっこりと笑いながら言った。
「その魔石は、魔石が選んだ人以外が持っても、力を発揮しない。炎だったり稲妻、光、風、土、音、氷、水など作りだせないんだよ」
妖精は一息入れてから説明した。
「じゃあ、ここにある秘宝の魔石は、また違うの?」
今まで黙っていたミラトが聞いた。妖精は困ったような顔をして言った。
「あの魔石は特別なんだ。魔石は人を選ぶ。でも、選んだ人が間違いだった。
その人は四天王を作り出した人。扱いが悪かったから、魔石も暴走した。だから、魔石は封じ込めた」
妖精は注意を促すように言った。
「魔石は人を選ぶけど、選ばれた人がちゃんと扱わなきゃ、魔石は暴走する。
だから、気をつけて」
ノースはボソッと呟いた。
「魔石は人を選ぶけど、善悪は判らないってことか」
妖精は頷いた。
「そうだね。だから10年前に四天王を封じ込めたのと同時にこの魔石も箱に封じ込められた。でも、四天王が復活した。そして、その魔石は四天王を探しに大暴れしようとしている」
セルティスは静かに問う。
「四天王は復活したのか? 復活するとは聞いたが……」
妖精は心配そうな顔を向けた。
「もう、復活はしているよ。モンスターが増えて人を襲うようになったのも、四天王が復活したから。ソーヤー・クラウドっていう人間が復活させた」
ホークが呟く。
「ソーヤー・クラウド……」
妖精は悲しい顔をする。
「四天王は何をするかわからない。四天王を生み出した本人でさえも殺され、制御できなかったという説もある」
「でも……全て悪いのは、人間か」
セルティスはなんともいえない気持ちになった。
「で、君は何故、ここに?」
ミラトが聞く。妖精は羽をパタパタと動かしながら、不安そうな顔を向けた。
「私は囚われた。あの宝箱の鍵の在処を知りたいがために」
「今、その鍵は何処に……?」
レビーが聞くと、妖精は今はないと首を振って合図する。
「奪われた……だから、もうあの宝箱が開くのは時間の問題……」
妖精がそう言いかけた時だった。湖が勢いよくしぶきをあげた。
妖精はビックリして湖から遠ざかり、セルティスの背中に隠れた。
「ありがとうね、妖精! おかげであの宝箱を開けることができたよ」
と言って、不敵な笑みを浮かべて出てきたのは、猫型モンスターだった。
「おまえ、ライラ!」
ノースが睨み付ける。
「あぁ、さっきの……」
ライラと呼ばれた猫型モンスターは素早くノースの傍によってきて、ジロジロと見つめる。
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