女剣士セルティス

１章 セルティスと仲間たち

第11話 宮殿の跡

　忍者の村にある宮殿の跡。
　
　かつて、ここは四天王との激闘が繰り広げられた場所だ。
　
　ここに１人の少年がやってきた。

　瞳はブルー。前身は黒づくめ。ショートヘアで前髪を真ん中で分けている。

　この少年はアラン・ヒロドという。

　アランは宮殿の跡に来れば、両親が何故、犠牲にならなくてはならないのか、わかるかもしれないと思った。

　アランは何か手掛かりになるものはないのかと隅々まで見る。

　その時、アランの背後から誰かが狙っている。

　アランはすぐに気配を消した。

　流石は忍者である。

　アランは両親の死後、忍者の村で育てられた。

　その為、自然と忍者の技術を身につけたのだろう。

　そして、アランは真上から狙ってきた誰かに手裏剣を投げた。

　ギュルルルルッ

　変な音を立てて倒れる。

　それは、ドラゴンの姿をしたモンスターだ。

　アランは再び手がかりを探す。

（四天王……何故、犠牲にならなきゃいけなかったんだ）

　アランはため息をつく。

　手がかりとなるようなものがない。

　諦めかけたとだった。

「ガキがそんなところで何している？」

　声がする。

　その声は男性の低い声。

　アランの目の前に現れたのは、人間型モンスターだ。

　名をハルという。

　ハルは鋭い爪をアランに向けた。

　そして、瞬時に近づく。

　一瞬、ハルが消えた。

　アランは周囲を見回す。

　ハルがどこにいるかわからない。

　アランがハルを探しているとき、背後から鋭い爪が食い込んだ。

　アランは背後にいることに気がつかなかった。

　深く爪が食い込んだようで、アランは跪いた。

　ハルは不敵な笑みを浮かべている。

「ガキがくるようなところじゃねぇんだよ」

　アランに接近し、鋭い爪で頬を引っかく。

　アランは手裏剣をハルの胴体に突き刺そうとした。

　ハルはいとも簡単に手裏剣を払いのけて、アランの胸に爪を刺す。

　その爪はドリルのように、ガァーッと音を立てて、深く胸に刺し込んでいく。

　アランは跪くどころか、身体を起こすことができずに倒れてしまう。

「だから言っただろ？　お前のような弱者が何故、ここにいる？」

　ハルはアランを睨み付けた。

　アランはゆっくりと立ち上がる。勢いよく拳を振り上げた。

　しかし、その拳は空を突いた。身体がフラフラしている。

　そんなアランに、ハルは容赦なく爪を立てる。アランは息を荒くしている。

（強い！　こいつ、何者なんだ……）

　呼吸を整えようとするが、なかなか整わなかった。

　ハルは首を回した。

　つまらないという表情だ。

「もう、終わりだな」

　ハルは爪でアランの肩を貫いた。