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1章 セルティスと仲間たち
第9話 決意
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セルティスはレミの身体を縛っている縄を解き、ケガがないか確認する。
「ケガはないか?」
レミは頷いた。
その頷きに良かったとセルティスは笑顔を向けた。
そんな様子を見ていたホークは不機嫌そうだ。
「へぇ、その子には優しいんだな」
ホークは何かを企むような目を向けている。
セルティスは呆れてホークを見る。
「優しくされたいのか……」
セルティスは呟いて完全に無視した。
「レミちゃん、もう、大丈夫だ。帰ろう」
セルティスは優しく声をかけた。
レミは頷いた。
よほどの恐怖だったのか、頷くだけで話すことはしなかった。
セルティスはレミの様子を見ながら、背中を撫でた。
「怖かったよな。大丈夫だ。あたしがついている」
セルティスの強さの中にある優しさにホークは本当に惚れそうだった。
「頼りになるな。俺も頼っちゃおうかな」
ホークは冗談なのか本気なのか表情からは読み取れない。
セルティスはため息をついた。
「ホーク、おまえは、あたしを頼りにしなくても大丈夫だろ」
そんな会話をしながら、グロリアスの街へと歩く。
セルティスは急に思い出してスマホを取り出す。
「これ、レミちゃんのだよな?」
スマホをレミに見せる。
レミは頷いてスマホを受け取った。
「あの……」
レミは言いかけたが、また黙ってしまった。
セルティスはレミの様子を見て、優しい笑顔を見せた。
「幼馴染が心配してる。連絡してやりな」
レミは笑顔を返した。
「ありがとう」
レミは感謝する。
グロリアス街に着いて、無事にレミを送り届けたところで、ホークに声をかけた。
「ホークはこれからどうするんだ?」
ホークはセルティスの真剣な眼差しにふざける気はしなかった。
だから、真面目に答える。
「俺は一度だけ生き返らせることができるっていう秘宝を探し続ける」
一度、話を切ってから再び話す。
「ただ、四天王が復活するという話が本当なら、俺は四天王をぶっ倒す。四天王に恋人を殺された」
セルティスはホークの話を真剣に聞いていた。
「恋人か……」
生き返らせることができるという秘宝を探す理由は恋人とまた会いたいから。
その思いを受け止めた。
あまりに真剣に聞いているセルティスを見てホークは本気で心配になった。
「もし、四天王が復活するなら、あたしだって許せない。倒したい」
セルティスは拳を握りしめた。
ホークはセルティスにも大事な人の命を奪われたのだと悟った。
「セルティス、言ったろ。付き合えって。秘宝を探すこと。そのかわりセルティスにも付き合うからさ」
セルティスは頭に疑問符を浮かべた。
「付き合えって……」
ホークは笑顔を向けた。
「いいじゃねぇか。なっ、付き合えよ」
セルティスは少し考えた。だが、ダメと言っても、必ずついてきそうな気がしたから承諾した。
「わかったよ、付き合うよ。秘宝探しにさ」
何度、ため息をついたかわからない。
またため息をついてしまった。
ホークはニヤリと笑った。
「四天王のことも調べながら、秘宝を探す。四天王のことも気になるだろ?」
セルティスは頷いた。
「確かにな……四天王が本当に復活したら、世界が滅びる……」
ホークはセルティスの様子を見て、明るくしようと茶化してみた。
「どうした? いつもの強いセルティスが随分と弱気だな」
セルティスはホークを睨み付ける。
「別にあたしは強くない」
ホークはフーッと息を吐いた。
「セルティス、女の子だもんな。危険なめにあわせたら、何されるかわからないからな。お姫様」
「おまえ、ふざけんなよ。何がお姫様だ」
ホークは涙目になっている。
「いってぇぇぇ」
だけど、ホークは嬉しそうだ。
「四天王がもし復活したら、俺らで止めるしかない。セルティス、どんなことがあっても止めるぞ」
ホークは急に真面目に答えた。
セルティスは頷く。
「そうだな……あたしたちが止めるしかない」
セルティスは決意する。世界と人を守ると。
「ケガはないか?」
レミは頷いた。
その頷きに良かったとセルティスは笑顔を向けた。
そんな様子を見ていたホークは不機嫌そうだ。
「へぇ、その子には優しいんだな」
ホークは何かを企むような目を向けている。
セルティスは呆れてホークを見る。
「優しくされたいのか……」
セルティスは呟いて完全に無視した。
「レミちゃん、もう、大丈夫だ。帰ろう」
セルティスは優しく声をかけた。
レミは頷いた。
よほどの恐怖だったのか、頷くだけで話すことはしなかった。
セルティスはレミの様子を見ながら、背中を撫でた。
「怖かったよな。大丈夫だ。あたしがついている」
セルティスの強さの中にある優しさにホークは本当に惚れそうだった。
「頼りになるな。俺も頼っちゃおうかな」
ホークは冗談なのか本気なのか表情からは読み取れない。
セルティスはため息をついた。
「ホーク、おまえは、あたしを頼りにしなくても大丈夫だろ」
そんな会話をしながら、グロリアスの街へと歩く。
セルティスは急に思い出してスマホを取り出す。
「これ、レミちゃんのだよな?」
スマホをレミに見せる。
レミは頷いてスマホを受け取った。
「あの……」
レミは言いかけたが、また黙ってしまった。
セルティスはレミの様子を見て、優しい笑顔を見せた。
「幼馴染が心配してる。連絡してやりな」
レミは笑顔を返した。
「ありがとう」
レミは感謝する。
グロリアス街に着いて、無事にレミを送り届けたところで、ホークに声をかけた。
「ホークはこれからどうするんだ?」
ホークはセルティスの真剣な眼差しにふざける気はしなかった。
だから、真面目に答える。
「俺は一度だけ生き返らせることができるっていう秘宝を探し続ける」
一度、話を切ってから再び話す。
「ただ、四天王が復活するという話が本当なら、俺は四天王をぶっ倒す。四天王に恋人を殺された」
セルティスはホークの話を真剣に聞いていた。
「恋人か……」
生き返らせることができるという秘宝を探す理由は恋人とまた会いたいから。
その思いを受け止めた。
あまりに真剣に聞いているセルティスを見てホークは本気で心配になった。
「もし、四天王が復活するなら、あたしだって許せない。倒したい」
セルティスは拳を握りしめた。
ホークはセルティスにも大事な人の命を奪われたのだと悟った。
「セルティス、言ったろ。付き合えって。秘宝を探すこと。そのかわりセルティスにも付き合うからさ」
セルティスは頭に疑問符を浮かべた。
「付き合えって……」
ホークは笑顔を向けた。
「いいじゃねぇか。なっ、付き合えよ」
セルティスは少し考えた。だが、ダメと言っても、必ずついてきそうな気がしたから承諾した。
「わかったよ、付き合うよ。秘宝探しにさ」
何度、ため息をついたかわからない。
またため息をついてしまった。
ホークはニヤリと笑った。
「四天王のことも調べながら、秘宝を探す。四天王のことも気になるだろ?」
セルティスは頷いた。
「確かにな……四天王が本当に復活したら、世界が滅びる……」
ホークはセルティスの様子を見て、明るくしようと茶化してみた。
「どうした? いつもの強いセルティスが随分と弱気だな」
セルティスはホークを睨み付ける。
「別にあたしは強くない」
ホークはフーッと息を吐いた。
「セルティス、女の子だもんな。危険なめにあわせたら、何されるかわからないからな。お姫様」
「おまえ、ふざけんなよ。何がお姫様だ」
ホークは涙目になっている。
「いってぇぇぇ」
だけど、ホークは嬉しそうだ。
「四天王がもし復活したら、俺らで止めるしかない。セルティス、どんなことがあっても止めるぞ」
ホークは急に真面目に答えた。
セルティスは頷く。
「そうだな……あたしたちが止めるしかない」
セルティスは決意する。世界と人を守ると。
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