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1章 セルティスと仲間たち

第2話 連れ去られたレミ

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 セルティスはグロリアル街に来ていた。

(ここも襲ったか)

 セルティス自身が倒してきた人間型モンスターを見ながら、心の中で呟いた。周辺を警戒しながら歩く。

「ん?」

 セルティスは立ち止まる。気配がする。

「人間かぁ。美味しそうだなぁ」

 ドラゴンの姿をしたモンスターが、セルティスを狙っている。

 セルティスは横なぎに素早く斬っていく。セルティスの愛用している剣、ラグナロクは、ビュンッと鋭い音を立てた。ドラゴンの姿をしたモンスターは、あっけなく倒れた。

 その様子を見ていた1人の男性が、セルティスに声をかけた。

「もしかして、剣士さん?」

 15、6歳といったところか。男性は怯えながら、セルティスに頼みを聞いてもらった。

「僕の幼馴染が連れ去られて……幼馴染を助けて欲しくて……」

 セルティスは怯えている男性を見て、優しい顔を向けた。

「詳しく話してくれるか?」

 男性はセルティスの優しい顔に安心して、幼馴染が連れ去られたことを説明した。

 ロボットのような化け物に、幼馴染の女性、レミが連れ去られたらしい。ただ、何処へ連れて行ったかは、わからないという。

 セルティスは頷いた。

「わかった。レミちゃんか。あたしが助ける」

 セルティスの言い方は、頼りになる。男性はセルティスなら助けてもらえるかもという確信があった。そのくらいセルティスは心強かった。
 
セルティスはレミを助けると約束し、周辺を捜索する。


 自ら手がかりとなるものを探さなければならない。セルティスは隅々まで見る。

(ロボットみたいな化け物か)

 どんな奴なのか想像しながら、進んでいく。

 グロリアル街は突然、モンスターにメチャクチャにされて閑散としてしまった。

 本来ならば、賑やかで人々の笑い声が響いていたはずだ。最近、モンスターが増えてたくさんの街を破壊していく。

 その度に人々を恐怖に陥れていくのだ。辺りを詮索していると、妙な穴を見つけた。

(洞窟……?)

 洞窟というより、モンスターの巣のようだ。

 洞窟の中へ入ろうとしたとき、何かがつま先に当たる。

 セルティスが拾い上げる。

 スマホだ。

 誰のスマホだろうか。

 個人情報もあるので、スマホの中身を見ることはしなかった。

 ただ、スマホの裏には写真が貼ってある。

 男性の写真だ。

 写真の男性は、セルティスに依頼した男性だ。

 ということは、このスマホはレミのスマホか。

 セルティスはスマホを大事に預かり、洞窟の中へ入っていった。

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